7の2

そんなこんなで美月と会うことになって、ファミレスの前で待ち合わせ。


「久しぶり!」


「うん、久しぶり!」


久しぶりって程、時間は経ってない気もするけど。


「あぁ、学校疲れた……。」


「お疲れ様。」


美月は本当に疲れたような表情をしている。


「とりあえず、店に入ろう!」


「そうだね。」


二人でファミレスに入る。


「とりあえず、ポテトとドリンクバーで良い?」


「そうだね。」


タッチパネルで注文する。

店員を呼ばなくて良いのはラクだな。


「めっちゃ疲れてない?」


「うん……。

通学だけでもヘトヘト。

満員電車辛いね。」


「あぁ、たまに満員電車乗ると辛いもん。」


「沙希は学校近くていいね。」


「うん。

近くが良かった。」


「学校はどう?」


「うーん、まぁ色々あるよ。」


色々あるって言っておいて、色々を説明するのも大変なんだけど。


「うちも色々あるよ。」


「そっか。」


「何かさぁ、彼も出来て、学校も合格したのに、疲れきってる。」


「彼に癒してもらったら?」


「あんまり会えないよね。

学校遠いから帰ってきて会うのも難しいし、休みの日は部活とかね。」


「そうなんだ?」


「たまに会えるの嬉しいんだけどね。」


「うん。」


「でもさ……。」


何か美月が言いにくそうにしている気がする。


「何か聞いて欲しい事あるの?」


「うん……。」


美月の表情が曇る。


「どうしたの?」


「あのね。

沙希に相談しても分からないって言いそうだけどね……。」


「別に何でも聞くし、大丈夫でしょ?」


「あのね……大きな声で言えないから、隣に座っていい?」


「うん。」


向かい合わせに座ったけど、隣に美月が来た所で、ポテトが運ばれてきた。

運んできたのはロボットなのだけど……。


「ロボットだから聞いてないよね?」


「多分。」


ポテトを受け取ると、ロボットはノロノロと帰って行った。


「私達ね……。」


急に美月が耳元で小さな声で話し始める。


「うん。」


「エッチしたの。」


「……。」


「ごめんね、いきなりこんな事。」


「いや、平気だけど。」


「何だろう……もっと私はしたいなって思って。」


「……。」


「でも彼はそうでもないみたいで……。」


「それは本人に聞いたの?」


「女子から、もっとしたいなんて、恥ずかしくない?」


「分からない……。」


私に相談するのが間違いじゃないか?と思い始めた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る