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「沙希、ランチは?

お弁当?」


「うん。」


「購買で買ってくるわ。

待ってて。」


「一緒に行こうか?」


「混んでるから、教室にいた方がいいよ。」


「そっか。」


私はお弁当を作ってもらった。

ママのお弁当大好き!

遠足じゃないと食べられないから、久々。


「お待たせ。」


「早かったね。」


「朝、注文したから。」


「そういう技があるんだね。」


「そういえばさ、沙希のお友達、沢山の人と購買来てたよ。」


「え?

どっち?」


「どっちって、あの新入生代表の。」


「あっ、そっちか。」


「他にもいるの?」


「同じ佐藤だよ。」


「あぁ……、佐藤って多いもんね。」


本当に佐藤さんって多い。

でも私も佐藤だし、慣れたと言えば慣れた。


「それでさ、あの代表の人なんだけど。」


「うん。」


「何か女子親しげに話してたよ。」


「そうなんだね。」


「モテるよね、イケメンで賢いって。」


「そうね。」


弓弦が女子と親しげに?

ちょっと胸がザワザワするんだけど。

でも私の彼氏じゃないもんね。


「そうそう、そのパン、美味しそうだね?」


「うん、美味しそう!」


二人で食べる昼食。

一人ぼっちじゃなくて良かったな。


「そういえばさ、新入生テストって知ってる?」


「え?」


「来週だって。」


「範囲は?」


「入試と同じじゃない?」


「きっついね。」


「うん、私はそんなに頭が良くないからね。」


「そうなの?」


「うん、ギリギリ入れたと思う。」


「そうなんだね。」


私は自分の学力という物がよく分からない。


「成績に差し支えあるなら辛いよね。」


「うん。」


「しかも何を勉強したらいいか分からない。」


「そうそう。」


「あぁー、辛いわー。」


「そうだね。」


こういう時は弓弦に相談したら良いか。


「佐藤沙希さん、いますか?」


知らない女子がクラスに来た。


「はい……。」


「ちょっと良いですか?」


「はい。」


女子なら、別にいいかなと思って廊下に出た。


「あの、佐藤さんって弓弦君の彼女ですか?」


「いいえ。」


「じゃあ、私が弓弦君を好きになっても良いですよね?」


「それは私に聞く事じゃ……。」


「まぁいいわ。

私は弓弦君の事が好きなんで。」


「そうですか。」


女子は帰ってしまった。

えっと、弓弦の事が好きって言われても……。

私のモノでは、ないんだよね。


「沙希、どうした。」


「何か、あの新入生代表の事を好きだって。」


「うわー、宣戦布告じゃん。」


「……。」


何か嫌な予感しかしない……。

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