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入学式が始まった。

寒い中、早く終わって欲しいと願う。


「新入生代表の言葉。」


新入生代表の言葉か。

私には関係ないけど。

でも新入生代表が体育館のステージに上がると、ざわついた。


「あの人めちゃくちゃカッコいい!」


「誰?

何組の人?」


皆が騒いでいる。


「ねぇ、沙希?」


「ん?」


「あの人、カッコいいね?」


「え?」


私はステージをちゃんと見てみた。


「えーーーー!」


私は体育館に響き渡る声を出して立ってしまった!

マズイ……皆が私を見ている。


「コラ、座りなさい!」


「す、すみません……。」


先生に注意された。


「沙希、どうしたの?」


真奈がビックリしている。


「あの人、友達。」


「え?

あのイケメン?」


「うん。」


「沙希も美人だもんね。」


「いやいや、そういうわけでは……。」


「お似合いだな。」


「友達だからね?」


「うん。」


「それで彼は何故代表なのでしょう?」


「それは入試で一位だったからでしょ?」


「へっ?

高熱だったのに?」


「そうなの?」


「そうですよ?」


「凄いね。」


「うん……。

信じられない……。」


信じられない気持ちでいっぱいだ。


「ちゃんと新入生代表の言葉を読んでいる……。」


「当たり前でしょ?」


「そうだよね。

頭がいいんだもん、何でうちの学校かな?」


「そんなに賢いの?」


「うん。

県内トップクラスの高校へ入学すると思ってた。」


「え?

何でここに?」


「近いから?」


「それだけの理由で?」


「そうじゃないかな?

分からないけど。」


「好きな人でもいるのかな?」


「……。」


「いるの?」


「もし、いたとして、同じ高校へ入学するかな?

めっちゃ賢いのに。」


「かなり好きじゃないとしないかな?」


「うーん。」


私がこの学校を選んだからとか言わないよね?


「入りたい部活があったのかな?」


「それは知らない。」


「沙希は部活は?」


「早く帰りたいから入らないよ。」


「そうなんだ。

私はバイトだから無理だな。」


「バイト?」


「ちゃんと許可もらってするんだよ。」


「許可無いと無理なんだ?」


「うん。

校則だからね。」


「詳しいね。」


「うん、一応調べたし。」


真奈はちゃんとしてるな……。

偉いな……。

私はもう少しちゃんとしないとダメかな?


「沙希、終わったよ。

教室に帰ろう。」


「うん。」


私は真奈と教室に戻る時、弓弦を見かけた。

数人の男子と歩いていた。

ちゃんと友達作ったんだね。

何だか嬉しかった。

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