第211話 ギルド戦 レギオン前

 勇者とヴェルディに護衛されながら『コロッセウム』の観察と地理の把握を終えた。


「ありがとうな。」


「気にすんな。

 私が付いて行きたかっただけだ。」


 姉御。嬉しいぜ。


『いつから小性になったんですか?』


『いい女だ。

 アイツとは交尾した方がいいぞ!』


 やめとけ!その表現はヤバ過ぎだろ!


「メイが付いて行くって言ったからよ。

 でも、楽しかったわ。」


 マイの姉としての余裕感も好きです。


『内面の年齢を考えれば、犯罪になるかと。』


 どこぞの法律を持ち出すの?


「バーナード様っ!」


 バーナードを迎えに来たのは報告書にあった、ハイネの妹ナドレだ。

 その他大勢の女性エルフたちもいる。


「ナドレ!どうしたんだい?」


 急にイケメンモードみたいになんのやめろ。


『貴方と変わらないでしょうに。』


『お前さんギャグセンスは高いけどな。』


 何の話やねん。


「君たちも・・・・すまない。

 待たせてしまったようだ。」


 バーナードの周りに確かなハーレムができている。

 しかし、この後の災難には巻き込まれたくないので。


「ヴェルディ。入るぞ。」


「かしこまりました。」


 ヴェルディは何も聞かず、ギルド戦会場のコロッセオに入っていく。


 そして、通路側からバーナードの悲鳴が響き渡った。


「一体何でしょう?」


「気にすんな。ただのヤンデレだ。」


 スィーナ姫に見つかったんだろうな。

 重い一撃を受けているに違いない。

 ざまあ。


『ブーメランブーメラン。』


『ブーメランブーメラン。』


 外野がうるせー。


「主様!大丈夫でしたかっ!!」


 シアがコチラへ向かって来た。

 シアはいつもの装備とは違い、白銀の騎士らしい美しい装備を付けている。

 しかし、肌色は褐色だ。逆に唆る。


「じゃない。ああ、大丈夫だすよ?」


『動揺し過ぎかと。』


『お前さん、褐色系の女が好きなんだな。』


 ええ。超大好きです。

 更に姉属性入ると最高です。


「ヴェルディ。この体たらくはどういう事だ?」


「申し訳ありません。アリシア様。」


「ヴェルディを攻める必要ないだろ。」


 ミアが今度はやって来た。

 ミアは黒い軽鎧に禍々しい短剣を2本装備している。

 ダークエルフらしい装備だ。


「良くやってくれた。

 問題があるとしたら、主戦力がコチラへ集中している事だな。」


 今回、エラルド、カイト、ファウスト、ゴウキ、グラディエ、シェリオ、ブラスはダンジョン探索後なので休ませた。


 そして、今回参加するメンバーは

 1シア

 2ミア

 3クロエ

 4クラウディア

 5ハイネ

 6ナタリア

 7アズドラ

 8アルマ

 9ウェイン

 10センキ

 11マルグリット

 12セイラン

 13ミレルマナ

 14ルル

 15ホムラ

 16ロキ

 17アイン

 18エイン

 19グレース

 20ヘルガー

 21サラ

 22リリーア

 23アルトリオ

 24ワイト

 25アルツメイン


 とハンデ戦の25人編成となった。


 個人的に気になるのはワイトだ。

 明らかに場違い感がある曲芸師である。


 俺の護衛はライカ、ウルリカ、ヴェルディ、セレストとなっている。

 以前の襲撃を警戒しての編成だ。


「サポートでアルケミーとメフィの回復コンビ・・・・って、死人が出ない?」


「実験を控えろと、クロエ様からのお達しがあったかと。」


 つまり、言う事を聞くか解らないって事ね。


「武器メンテはリタとドゴンドか。

 この2人しか職人リーダーがいないのは難点だな。」


「ご主人様の仰る通りかと。

 ドワーフの腕は1級品です。

 ですが、我がギルドでは数百人のドワーフを確保しております。

 皆、ご主人様へ忠誠を誓われておりますが、リタ様やドゴンド様のような、飛び抜けた方が居ないのが難点かと。」


 ヴェルディが解説してくれたよう、ウチは優秀な力は持っている奴が何人かいる。

 しかし、優秀過ぎて更なる優秀が生まれない事が問題視されている。


 ハッキリ言おう。


 そこまで求めなくて良くね?

 皆んな俺よか凄いし、世間体から見ても凄い。

 なら、良くね?


「キュルキは統括か。法国、皇国の我家領、聖王国の監督ね。

 キュルキはしっかりと評価してやってくれ。

 マートンも色々と走り回っているだろうし。

 黒龍隊も分散して、聖王国と法国への貿易と物資提供やら『ファミリア』商店の開設に尽力してくれている。」


「かしこまりました。

 そうエラルド様にお伝えしておきましょう。」


 エラルドなら気付いてるだろうけどね。


『たまには社長らしく仕事しないとですね。』


 そうそう。見た目が大事よ。


『自分で見た目って言ってんのか。』


 上長として、しっかりと見るのも大事だ。

 同時に見られている意識も必要だが。


『評価者として正式な評価を下さねばいけませんから。』


「はあ。皆んな働き過ぎじゃね?」


「そんな事ないわ。」


「ライカちゃん。

 言葉遣いには気を付けなさい。パパですよ。」


「はぁ!コイツがっ!認めないから!」


 パパ認めてくれない。ぐすん。


『キモいから。』


「ウルリカもそんなに怒らんで良いよ。

 むしろ、このやり取りがライカだからな。」


「貴方様。かしこまりました。

 貴方様がそう仰るなら。」


 ウルリカはいい奥さんだ。


『子持ちの奥さんを後何人見繕う気ですか?』


『あのアルマとかいう星族もそうだったな。』


 うるさいうるさい。

 アルマ様に関してはよく解らん!


「それより、リリーアとアルトリオ?だっけ?

 ウチにいつ入ったのよ?」


 ライカがいい事を聞いてくれた。


「つい最近ね。リリーアに関しては・・・・

 アルトリオ会長は興味津々どころか、希望して来てね。」


「ふーーん。あの人の方がイケメンね。」


 ぐさっ!


「コラっ!もう!」


 そんな酷い言葉でもパパはめげないよ。


『娘愛が強過ぎんだろ。』


『そういう人です。』


「あなた様っ!!」


 マルグリットが急に視界に現れた。

 久々に見た緑ヘアーだ。

 そして、横からヘルガーもやって来た。

 同種の2人だ。


「キャスト様っ!!」


 2人してハグして来た。


「見ていて下さい!

 前回の失態を償って参ります!」


 メラメラに燃えてんね。


「キャスト様っ!今度こそ、私があの肉団子より優れている事を証明して参ります!」


 こっちは熱過ぎ。


「そうか。頼んだぞ。俺は動けない。」


「はい!」


「かしこまりました!!」


「「必ずや、あなた様に勝利を!!」」


 そこハモるのね。

 本当、君たちは姉妹かってくらい似てるよ。


 次はと。


「キャスト様。コチラにいらしたので?」


 ロキだ。


「キャスト。マヌケな僕を愛してくれるかい?」


 まだ落ち込んでいるルルだ。


「ダーリン。そ、その。」


 グレースもか。


「気にすんな。めっちゃ期待してる。

 励ましとかじゃない。

 今までも助かってるし、これからもね。

 だから今回は頼むよ。俺の代わりに。」


「ダーリン!愛してる!」


「なっ!!抜け駆けとは!

 キャスト様。このロキ、貴方様に全て見染められております。」


 いや確かに俺好みのギャルですよ。

 しかしだ。そうじゃない気がする。


「キャスト。ありがとう。慰めてくれるのかい?

 なら、勝ったら一日中抱いてほしいな?」


 俺死ぬの?


「ず、狡い!ダーリン!私も!」


「私もだ!」


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