迷路 迷子
仲仁へび(旧:離久)
第1話
どちらに出口があるか分からない。
入り口の方向も、分からない。
最悪だった。
迷路の中で迷子になるなんて。
ここは有名な迷路で、多くの人が遊びに来るレジャー施設の中の一画。
けれど、今日は平日で人ががらがらだから、誰かについていってこっそり案内してもらうなんて事できない。
途方にくれるしかできない。
特にここの迷路はどこも真っ白で、似たような壁しかない。
目印なんてものは皆無だから。
一緒に遊びに来た友達が攻略法がある、っていってたから、わくわくしながら試したのに。
私は迷子。
つまりからかわれた。
友人の言葉は、嘘だったのだ。
騙されてたんだ。
今頃出口で私の事を笑っているんだろうな。
悔しかった。
どこに向かうか分からずに、とぼとぼ歩いていると友達がやってくるのが見えた。
「なんでまだ迷子になってるの?」
そして、とても不思議そうな顔をしてそんな事を言う。
あんたのせいだよ。
と、そう言う前に友人が次の言葉をはなった。
「あっ、ひょっとして出口と入口間違えちゃった? あの方法、入る場所間違えると意味ないんだよね」
私は自分の思い違いのせいだと知って、がっくりと肩を落とした。
迷路から出て出口を見たら、入り口とまったく同じだった。
迷路 迷子 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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