ハクセンノソトガワへ

影神

片道切符



男性1「消えたい。」


女性1「消えたい、、」


男性2「死にたい。」


女性2「死にたい!」



『イナクナッチャイタイ』



「"ヲワリ"を迎えられる場所。



そんな所があったらなあ?



って。今、思いませんでした?



私?


あぁ。自己紹介が遅れました。


私は車掌さんです。



本名??


ですから"車掌さん"が私の名前なんですよ。



あっ、ちょっとすいません。



間もなく、列車が到着致します。


逝きたいのなら、白線の内側までお入り下さい。



この列車は、片道でございます。


現世に飽きてしまった方は、どうぞお乗り下さい。



繰返しお伝え致します、、」



「もう、嫌だ、、」


何をやっても上手く行かない。



母親「何で出来ないの!!」


父親「全く。


お前には、ガッカリだ。」



同級生1「キモい。」


先生「お前に原因があるんじゃないか?」



「誰も分かってくれない。」



「誰にも。助けてもらえない、、」



同級生2「早く死ねよ?」


同級生3「何で居んの??」



母親「何で学校に行かないのよ!」


父親「引きこもりだけはやめろ。



みっともない。」



皆。


僕に冷たくする。



「どうして??」



何で、、


僕は。



"産まれて来てしまったんだろう"



プゥー、、



アナウンス「間もなく電車が参ります、、」



何回。


自分の足を見たのだろう。。



何回も。



何回も。



違う場所で。僕は、、

 


"死ぬのを、待っていた"



あと一歩。


あと一歩進むだけなのに、、



それが出来なかった。



でもそれも。


今日で解決するかもしれない。



『ヲワリを迎えられる場所』



その書き込みを知って。


僕はその場所へと向かった。



正直。どうでも良かった。


全ての事が本当にどうでも良い。



だって。今居る世界に。


何の未練も無かったから。



信憑性があった訳じゃないけれど。


僕にはもう。限界だった。



限界を越え過ぎた、、



早く終わりにしたかった。



楽になりたかった。



場所は、今では使われてない廃駅。


バスに揺られ。


何も無い風景をただ眺めていた。



途中からは歩きで。


その場所に着いた頃には、辺りは真っ暗だった。


改札を通って適当に古そうなベンチに腰をかける。



携帯の明かりだろうか。


ちらほらと、他の人も居る様だ。



23時59分着の電車に乗れば。


僕はこの世界を終わりにする事が出来る。



長年一緒のこの身体とも。


もう。おさらばだ。



向こうに何があるのか。


どうなっているのかすら、分からない。


ただ。



この世界から逃げられる。



それだけは確かだ。

 


不思議と。


いつも流れる涙は流れなかった。



「もう、、


枯れてしまったのだろうか。」



自分の手を見つめていると。


いつの間にか辺りが明るくなっていた。



携帯のディスプレイの時刻は、


59分を過ぎていた。



アナウンス「この列車は、片道でございます。


現世に飽きてしまった方は、どうぞお乗り下さい。



繰返しお伝え致します、、」



眩しい光が車内から溢れる。


でも何故か、それは暗かった。


暗いけど、明るかったのだ。



不思議だったが、それすらもどうでも良かった。



「さようなら。



お父さん。お母さん。」



僕は躊躇う事無く乗車した。



プシュゥ、、。



ガタン、ゴトン、、ガタン、



車掌さん「、、今日もそれなりでしたね。



まあ、人様に迷惑を掛けて。


遺族に莫大な請求を残すより。



この列車に乗る方のが利口ですよ。



人間は、産まれるのにも。


死ぬのにも。



莫大なお金が掛かる生き物ですからね。



死ぬ時ぐらい。


楽に逝かせてあげたいです。



んんっ、、皆様も。


辛くなって。限界を迎えましたら、、



是非ともご利用下さいませ?



でわ。


いずれまた、お会いしましょう。」




































  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ハクセンノソトガワへ 影神 @kagegami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ