第四章 戸惑い

1月11日(火)

今日はかぜをひいてしまったんだ。アチコンの五日前だというのに。少し気分が悪く熱っぽい。だいじょうぶかなぁ。

ともあれ今日はというと。英語の時間出口つぁん(※1)が悪のりしてすんごくおもしろかった。

みんなも卒業が近づいて来たせいかだいぶまとまってきたようだ。(※2)それに今日は席がえ

をしたんだ。いつもと違って生活班で座るからだいたい顔ぶれは同じだ。生活班とは班長が中心となって生活班をつくることにより、組のまとまりを深めようというわけだ。僕は4班で班長になったけどみんなあんまり言ううことを聞かないけど、けっこううまくやってるつもりだったんだよ。

それはそうと席かえで僕は本山さんの近くになった。横は藤村さんだ。それと合唱で曲名は「森のくまさん」に決まった。本山さんのピアノばんそう。

今日も本山さんに帰る時「バイバイ」っていったけど何かぎこちない。家では会いたい話しかけようと、おもっていてもどうも学校じゃだめだ。もう卒業だし、入学試験とかアチコンで試験だらけでアセッテル。明日こそはまともに何か話したいものだ。

それはそうとばっかしだけど(※3)、それはそうと今日で三日目。三日ぼうずまでにまでこぎつけたけどこれからも続けたいものだ。もっと楽しいことをかけるように明日はいいことがあってほしいと思うよ。   さよなら。


※1:英語の時間出口つぁん、多分、背の高い英語の先生。よく話を脱線してました。

※2:みんなも卒業が近づいて来たせいかだいぶまとまってきたようだ。

中学三年生の秋以降が、僕は大好きです。

みんな、卒業に向けて一体になったような。僕の錯覚かなぁ。

※3:それはそうとばっかしだけど:「けど」等も頻繁に使っています。今も小説の推敲する時、かなり削ったりしてますね。


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11(※1)月12日(水)

かぜで寝てしまった。学校はやすまなかった。

                        さよなら。


※1:1月と間違えたみたい。あえて修正はしません。


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小説の紹介文でも書いていますが、これは「失恋日記」でもあります。

僕の初めての恋が儚く消えてしまった記録です。


この章から少しづつ、綴っていきたいと思います。

うちの奥さんが読んでいないことを切に祈りますが、行きがかり上、正直に書かせていただきます。


捨て身のエッセイ(笑)に温かい気持ちで読んでいただければ幸いです。


僕の恋愛小説【「理科室脇の階段」のつぶやき】に告白シーンがあります。

少し、フィクションも入ってますが、殆ど事実です。


こちらのURLで移動できます。

宜しければ、御一読ください。


https://kakuyomu.jp/works/16816927863320311814


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初冬の肌寒い誰もいない階段脇で、僕は彼女に告白しました。

残念ながら、この日記では一度、気まずくなってからのことが綴られています。

その幸せの日から日記を書いていれば良かったのにと、少し悔やみます。


僕が固唾を飲んで返事をまっていると。

コクリと頷いた彼女の俯いた顔は、今でも忘れられません。


女の子のまつ毛が長いなぁと思ったかどうかは・・・覚えていませんが。

そんな甘酸っぱさは記憶に残っています。


一緒に帰るだけの、デートとも言えないものですが。

お互いクラブは三年生で引退していたので一緒に帰ることができました。


手もつなぐことができない、本当にプラトニックな御付き合いでした。


僕の家は学校から5kmくらいあって、遠かったです。

彼女の家は中間地点くらい。


通っていた中学校は自転車通学が禁止です。

おかげで帰り道はゆっくり歩くので、一時間近く一緒にいられて凄く幸せでした。


いつも自転車通学できないのを嫌だと思っていたのに。

この時ばかりは有頂天になるほど、嬉しい校則でした。


彼女の家は坂道の上にあり、送り届けて僕の家に向かう時は下り坂。

振り返ると、夕日に染まるオレンジに彼女のシルエットが。


あったような、なかったような・・・。

でも、肩先で手を振ってくれたのは覚えています。


本当に幸せな時間でした。

作られた記憶かもしれませんが。


日記を読み進む内に新たな事実がある可能性はありますが、あえて45年前の日記を読むことのドキドキ感を皆様と共有したく、リアルタイムで綴っていきますので御容赦願います。


シンプルに演出もしない、僕が何十年も寄り添っていた思い出を綴らせていただきます。

そんな甘酸っぱい物語に御付き合いいただければ嬉しいです。


一緒に帰るだけのデートは何度かあり、見つめ合う度胸も無く時々、チラチラ見る視線が合う時のトキメキは本当に赤面ものです。

気持ちを確かめ合うことができただけで、それ以上は何もいりません。


とりとめない僕の話に笑ってくれる彼女の白い歯を見つめながら、「ああ、この人は僕を好きなんだ」と思える幸せは、15歳の少年には熱いものがこみ上げるのでした。


勿論、今の奥さんとの初めてのデートの時もそうでしたが。

(本当ですよ、奥さん)


でも、その幸せも長くは続きませんでした。

続きは次回以降で。


ではでは、おやすみなさい。

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