過去編 4-2 4-3

「それにしても

 この辺りは建物が集まっていて暑いな」

とジョンがつぶやく。


俺もそれには同意だが 

これでももう暑さのピークはすぎている。

これから涼しくなることだろう。


特に、今回の作戦場所は砂漠の中だから

昼は暑くて夜は寒い。

この後のことを考えても今暑いのは変わらない。


それならと俺 ジェイクは

気分を変えるために話をする。


「そういえば、

 日本国作戦司令支部(今作戦のHQ)

 から届いたメールはもう確認したか?」


俺が今ジョンに聞いた「メール」と言うのは


昨日の夜 黒豹軍の拠点の部屋を一つ借り

そこで仮眠をとっていたときに

来ていたメールのことだ。


「ん?メール? あぁ……もしかして…アレか?

 確か、付近の工廠の

 警戒度が高まったっていうやつか?」

とジョンが確認する。


俺は「Yes」と肯定した。

だが ジョンは簡単に

基地の警戒が強くなったと言うが


その実際の警戒度合いは洒落にならない。

金砂工廠は内蒙古自治区北北東の

※1東モンゴル との国境近くにあるのだが。


先月の 21日にウラジオストクから工廠へ向かい

中国、国営兵站地下鉄道が出発し

その月の23日に工廠に入ったらしい。


それに 3日前 

※2東モンゴル軍(在東モンゴル・ロシア軍兵士)

が航空機3機を工廠方面へと飛ばした

という報告がある



※1,2 東モンゴルは地域名ではなく国名で

親ロシア派のモンゴル国内の

ロシア系住民が武装蜂起し独立を宣言 

(東モンゴル成立 2081年)

その後ロシアに併合

(経度110度以上緯度45度以上 2083年)

経度110度以上緯度45度以下は

中国へと併合された     2084年

(東蒙併合と呼ばれている 

          2083年から2085年)


中国政府内の諜報員からのデータによると

兵站用地下鉄の車両にはロシア製の

※3.RPG-КФ が八本 

AK-12-A6が28丁 vssが6丁

SV-98が6丁 NSV重機関銃の最新モデルが1丁

nsvは銃架と一緒にPLS-30に

載せられているらしい

そして最後にPG-50が5丁と

強いとも言えないような兵器が

大量に運ばれているらしい


一つ一つは弱くても「塵も積もれば山となる」

というように人海戦術により

負けることだってある


それに、今回の任務では

それらの武器がどこに配備されたかも

分からない。

より警戒しなければならなくなった

ということだ。


それに ロシア軍のヘリ…というのも気になる

ロシア軍は2022年 ウクライナ侵攻を行ったとき

ロシアが滅ぶことはなかったが

アメリカなどの支援がウクライナにはあったため

ロシアの空軍は動くことが出来なかった。


その時に役に立たなかったため

ロシアの軍の大臣は

大統領などに酷く怒られたようだった。


だが2033年から

新型の航空機がどんどんと発表されてきた

すでに13機も発表されている


この内3機は人員輸送機残りは戦闘機と爆撃機だ

今回飛んできている3機の内一機はHAVOCで

残りは輸送機だ。


輸送機は新型で、名前はヴェリアニス

最大搭乗人数は十五人で

搭載兵器は固定機銃JACKALL24が後部に2つ

だが輸送機二機のうち一機は

支援用物資を運んでいるらしく

人は十五人しか居ないということだ


我々同盟が関与したことが

発覚してはならないため

万一の際は自爆することになっている


その時できるかは状況によりけりだが

もし失敗すれば

日本国の明日の天気は爆弾の雨になるだろう

そんなことが起きることは

絶対に避けなければならないが、

このまま中国にミサイル製造を

続けさせるわけにはいかない。


このクソ暑い中 頭の中で思考をフルに回転させ

「コタエ」を導き出そうとする

だが、今出せる答えはこれしかなかった

「やるしかない、死なない為に」


HQからの撤退命令も無し。

ならやらなければ、やり遂げなければ

わが祖国に帰り辛くなるだけだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 コンコン


扉がノックされる


ノックが聞こえた直後に扉が開き

ノックをした人が入ってくる




そこにいたのはリンだった



※3(RPG-КФはRPGの最新型…

 変化は軽量化と威力の向上そして射程の拡大

 くらい。)

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