第58話 異変
6月25日(金)
AM5:15
俺はガラガランと何かを落としたようなけたたましい音に驚いて跳ね起きた。
音は1階から響いてきたようだった。
「森…野…?」
俺は嫌な予感がして、階下に急いだ。
「森野?大丈夫か?」
キッチンを覗き込むと、床にフライパンが転がっており、中に入っていた食材が、かなり広範囲に飛び散っていた。しゃがみ込んでそれを片付けているパジャマ姿の森野が俺を見上げると気まずそうな顔をした。
「あ、先輩…。ごめんなさい。起こしちゃいました?うっかり持ち手の先の金属部分を触って、フライパン落としちゃいまして…。すぐ片付けますから大丈夫ですよ?」
「火傷したんじゃないのか?ちょっと見せてみろ。」
「えっ?わぁっ。何?」
俺は驚く森野の右手を強引に掴んで指を開かせた。
中指と薬指の腹の部分が赤くなっている。
「た、大した事ありませんよ。後で冷やしときますから。」
目を逸らしてぶちぶち言い訳をする森野を俺は大声で一喝した。
「君はバカなのか?今すぐ冷やせ!!痕が残ったらどうすんだ!?」
「ひいんっ。」
ビクつく森野に冷蔵庫から出した保冷剤を
渡すと、カウンターのイスを指し示して言った。
「片付けは俺がやるから、君はそこにでも座ってろ。」
「は、はい…。すみません…。」
森野は俺の勢いに圧倒され、後は素直に従った。カウンタテーブルの席につき、指を冷やしながら俺が雑巾で床に散らばった食材を片付ける様子を申し訳なさそうに見守っていた。
「これは、朝食の食材だったのか?それともお弁当のか?」
ウインナーやら、目玉焼きの残骸を見遣りながら森野に聞いた。
「あっ、はい。朝食の食材でした。お弁当はもう詰め終わってますので…。」
見ればカウンターテーブルの隅に二人分のお弁当があるのが分かった。
「あと用意するのが朝食だけならもう俺が作ってやるよ。」
「えっ。でも、そんな悪いです…。」
「いいよ。ウインナーは冷蔵庫のどこら辺?」
「す、すみません。じゃ、お言葉に甘えて…。ウインナーは冷蔵庫の一番上です。」
「分かった。ん…?」
俺が冷蔵庫を開けようとすると辺りに焦げ臭い匂いがしてくるのに気が付いた。
「何だ、この匂い…。」
「あっ!食パントースターにかけたままだった!」
森野がしまったというように、手を口に当てた。
「おい、何だこれは?人の食い物か?」
俺はトースターの中から、パン型の黒炭と化した物質を箸でつまみ上げて森野に問いかけると森野は半泣きで答えた。
「はいっ。つい、5分前まではそうでしたぁっ。」
俺は深いため息をついた。
「全く君は…。」
ピーピーピー!
その時洗面所の方から、異音がした。
「「?」」
俺と森野が洗面所に駆けつけると、ドラム式の洗濯機の蓋が開いて、服と水が溢れ出ていた。
「森野ぉ…!」
「うわーん、ごめんなさいっ!!」
*
*
AM7:40
あれから、洗濯機をかけ直し、いつもより20分くらい遅れて、作り直した朝食をとることになった。
テーブルの向かいにはこれ以上ない位小さくなった森野がしょんぼりと、トーストにかじりついている。
ここ、2日ぐらいの森野はちょっとおかしい。
正確に言えば俺がパエリヤを作ってやり、森野が泣いたあの晩の翌日から。
料理をしているとき、手を切ったり、何もないところですっ転んだり、忘れ物をしたり、ポカをする事が多くなった。
ふと気づくとボーッとしていたり、床に転がって寝ていたり。
それも、段々症状はひどくなっていくようだった。
森野の不調の原因は多分あの晩にあるのだろうが、理由がわからないので、対処の仕様がない。
どうしたもんかな…。
おれがコーヒーを飲みながら、額に手を当てて考えていると、森野が恐る恐る話しかけてきた。
「あ、あの…。先輩。すみません。最近迷惑ばっかりかけてますよね…。自分でも分かってます。最近夜蒸し暑くって寝付けなくって、ついでだから期末テストの勉強してたら、余計眠れなくなっちゃって。睡眠不足で色々な不調が起きてると思うんです。
明日は迷惑かけないように、今日は早めに休むようにしますから。」
「あぁ。睡眠不足だと、逆に勉強の効率も悪くなるからな。今日は早く寝ろよ?」
「はいっ。」
森野はホッとしたように笑顔になった。
もっとも眠れるようならなのだが…。
「それから、森野。この時間、いつもなら制服を着てると思うんだが、大丈夫か?」
いつも制服にエプロン姿で、朝食やお弁当を作っていた事を思い出し、パジャマ姿の森野に問いかけると、自分の姿を見て、森野は焦ったように叫んだ。
「あっ。今日着替えるの忘れてました!」
おいおい…。そこから抜けてたのかよ。
*
*
AM8:00
「先輩。おまたせしました。」
森野は半袖ブラウス、ネクタイにスカートという、夏の制服を身に着け玄関で先に待っている俺の前に姿を現した。
「結局、食器の後片付けやら全部やってもらってすみませんでした。時間ぎりぎりになっちゃいましたね。どうしましょう?一緒に出るのまずいですよね?」
森野が心配そうに聞いてきた。
「まぁ、少し距離をとってれば大丈夫だろ?それより、忘れ物とか大丈夫か?靴下色違いで履いてたりしないか?」
すっかり心配症になった俺に、森野は笑って言った。
「もう、先輩!靴下は指定白だから色違いになるワケないんですよ?ほら!」
と森野が軽く足を上げて見せた途端、ストンっと何かが森野の足元に落ちていった。
「「!!?」」
何故かファスナー全開だったスカートが森野の動きに耐えられず、下に滑り落ちていったのだ。
咄嗟の事で隠すこともできず、下半身下着姿の森野を見て、
紺地に青りんご柄か…。
ああ、以前見たあのりんごパンツ、色違いもあったんだなぁ。とどこか冷静に観察している俺がいた。
「きゃあああああああぁっ!!」
耳をつんざくような森野の悲鳴が家中に響き渡った。
*
*
PM12:20
「あっ。先輩、今日は来てくれたんですね。」
「いよーぅ、浩士郎!ここに顔出すの3日ぶりだな。」
「里見先輩…!よくもここに顔を出せたものねぇ?」
屋上へ行ってみると、歓迎モードの森野と恭介とは対称的に、宇多川は般若のように恐ろしい表情で俺を威嚇した。
3日前に見解の相違で、宇多川とは完全に決裂するような形になったのだから、まぁ、当然の反応だろう。
やばい。いよいよ、俺刺されるかもしれん。
俺は宇多川に対する恐怖心を隠して強がりを言った。
「い、いいだろ?別に。どこへ行こうが、俺の自由だ。」
「夢ちゃん、どうしたの?里見先輩と何かあった?」
森野は宇多川の負のオーラに驚きつつ、聞いてきた。
「別に…。里見先輩はもともと嫌いだったけど、それが積もって我慢がならないレベルになっただけよ。」
「俺だって宇多川と顔を合わせたいわけじゃないけどな。朝、森野の様子が変だったから、ちょっと気になって…。その、学校でどうだったかなと思って…。」
「!」
宇多川はすぐにピンときたようで森野の方を見て顔を曇らせた。
「せっ、先輩。心配し過ぎですよ。朝はご迷惑かけちゃったけど、学校ではちゃんと…。」
森野は反論しようとするところを…。
「ええ。授業中、ほとんど寝ていたのと、体育の授業で跳び箱に顔から突っ込んで行ったの以外はちゃんとしていたわよ。」
宇多川は事も無げに言った。
「やっぱり…。」
「ゆ、夢ちゃん!言わないでよぉ…。」
森野は赤くなって狼狽えた。
「りんご。私心配してるのよ?ここ最近調子が悪そうだけど、大丈夫?」
「大丈夫だよ。ちょっと最近寝苦しくて、寝れてないだけ…うげほっ?げほっ。」
と言いながら森野はたまご焼きを口に含むと
顔色を変え、咳き込んだ。
「森野!?」
「りんご?大丈夫?」
宇多川が、森野の背中をさすってやった。
森野は急いで水筒からお茶を飲んで一息ついた。
「う、うん。大丈夫。」
それから俺に向かって気まずそうに笑いかけた。
「先輩、ごめんなさい、あのぅ…。塩と砂糖を入れ間違えたみたいです。卵焼きは絶対食べないで下さいね。死の味がします。」
「あ、あぁ…。」
「森野さん、絵に描いたようなドジっ子キャラになっちゃったね。」
さすがの恭介も苦笑いしていた。
それから、森野は、お弁当を食べながら、コクリコクリと船を漕ぎ始め、宇多川に起こされるという事を繰り返して、俺と恭介はその様子を心配そうに見守っていた。
森野の目がトロンとしてきて4度目の舟を漕ぎそうになったとき、
突然屋上の扉が開いて、一年生女子が二人現れた。
「あっ。もー森野さん。こんなところにいた!」
「はっ!早川さん、木暮さん?」
その瞬間目覚めた森野は、顔見知りらしい女子達の姿を見て驚いたような顔をしていた。
「今日、昼休み、委員会の集まりあるって言ってたじゃん。」
「あっ!!」
森野は両手で口を抑えて青ざめた。
「先輩達今年の一年はたるんでるってかんかんだよ?私達まで怒られるんだから。ホラ、早く行くよ?」
「あっ。ほ、ホントごめん。今行く。皆ごめんなさい。私先行くね。」
慌てふためきながら、森野は弁当をしまうと一年の女子達にせきたてられて、去っていった。
その様子を呆気にとられたように見守っていた俺達だったが、一番先に宇多川が沈黙を破った。
「里見先輩、一体りんごに何をしたのよ?今までもりんご、ちょいちょいおかしかったけど、ここ2.3日りんごはとみにひどいわ。また無神経な事を言ってりんごを更に傷付けたんじゃないでしょうね?」
宇多川の鬼気迫る怒りの表情から俺は目を背けながら、形ばかりの言い訳をした。
「ひ、人聞きの悪い事をいうなよ。何でも俺のせいにするな。」
しかし、心当たりがあるだけに、その語気はとても弱いものとなっていた。
当然、宇多川の追求を躱す事はできなかった。
「今だったら怒らないから言いなさい?でなければ、SPの黒川に少し手を汚させる事になるけど…。」
昏い目で語る宇多川に俺は慄いて自分の体を抱きしめた。
「お前、SPに何をさせる気だ⁉サド女!」
「……で?」
宇多川に昏い目のまま話すように促され、俺はバツが悪い思いで話し始めた。
「森野に料理を作ってやっただけだよ。ここんとこ、元気がなかったから美味しいものを食べさせてやろうと思って…。」
「おっ。愛だね、浩史郎?」
「うるせーな。茶化すなよ。」
俺は恭介を軽く睨みつけた。
「そしたら森野、以前俺が料理を作ってやったとき、食費を使いすぎた事を引き合いにだして、すごく心配するもんで、小さい子供みたいに同じ失敗を何度もするワケないだろ。子供扱いするなって言ったら…。何故か森野が泣きだして…。料理が美味しくて感動して泣いたと言ってたけど、とてもそうは見えなくって。その翌日から森野が日常生活に支障をきたすようなポカばかりやるようになったんだ。」
「あぁ〜、そういう事ね…。」
宇多川はこれ以上ない程眉間にしわ寄せて額に手を当ててやれやれと言う様にため息をついた。
「このタイミングでそれはバカな事を言ったものね。」
「宇多川は森野が泣いた理由が分かるのか?」
「当たり前でしょう?これではっきりしたわ。りんごが求めているものは家族であって、里見先輩じゃないの。」
「な、何だよ、それ。」
「以前昼休みに里見先輩がりんごと仲良く話していて噂になった事があったじゃない?」
「ああ、誰かさんが余計なちょっかいを出してきたせいで、結果的にそうなった事があったな?」
俺が軽く睨むと、恭介は目を逸らして、惚けた。
「んー?そんな事あったかなぁ?」
「私がその時にりんごを問い詰めたら、仲が良いように見えたのは、誤解だって、里見先輩は今皆に避けられて話し相手がいないから、嫌いな私でも話さざるをえない。って言ってたのよ。」
「うわ。浩史郎、森野さんにめっちゃ可愛そうな人って思われてたんだね。」
「お前は黙っとけよ。」
俺は恭介に苛々して言った。
「りんごって、人が落ち込んでいるとき、自分の境遇を人に当てはめて言う事が多いの。
それがあの子の優しさなんだろうけど、天然だからまるで、的外れの時もあって…。でも、本人真剣で、的外れなのに、妙に癒やされる事もあって…。」
宇多川は何かを思い出したのか、ふっと表情を緩めて微笑んだ。
宇多川のそういう表情はとても珍しく、俺と恭介は意外そうな顔をしているとそれに気づいた宇多川はゴホンと咳払いをした。
「ま、まぁ、ちょっと話が脱線したけど、りんごが自分の境遇を里見先輩に投影しての発言だったなら、
りんごは今家族と会えなくて、寂しいから最も苦手なタイプの男子である里見先輩とでも、コミュニケーションをとらざるをえない。とも読み取れるのよ。」
「ふむふむ、なるほどね。森野さん、男子苦手なのに、浩史郎にすぐに打ち解けていたのはそういう理由があったのか。」
恭介が感心したように頷いた。
確かにあんな事件があった後だというのに、
最初から森野の態度は友好的だった。
俺に好意があるワケではないだろうに、何故だろうと思うこともあった。
けど、それは家族に向けるべき優しさを俺に向けることで寂しさを紛らわせようとしていたせいということなんだろうか?
体調を崩したとき看病をしてくれたときも、
バイトで気遣ってくれたときも、
買い物デートのとき楽しそうにしていたのも。
森野の今までの親切も笑顔も全部俺ではなく、家族に向けていたものだとしたら、何だかやるせない気がした。
「その様子じゃ、心当たりがなくもないようね。」
ショックを受けて黙り込んでいる俺を見て、宇多川は苦笑いした。
「りんごから話を聞くに、里見先輩はとても世話の焼ける人のようだから、りんごにとっては、特に弟、妹の柿人くんや、苺ちゃんあたりを重ねていたんではないかしら?」
「うぐっ。」
犬の次は幼児?森野は一体俺を何だと思っているんだ?
「さぁ、ここまで言えば自分がした事がわかったわね?りんごは家族に会えない寂しさを、柿人くんや苺ちゃんのごとく手のかかる里見先輩の面倒を見ることで紛らわしていたのに、里見先輩は、子供扱いするな=もうそれをするなって言ったのよ?寂しさの行き場がなくなって、りんごはおかしくなってしまったのよ。」
宇多川は冷徹な口調でそう語ると、俺は呆然と呟いた。
「そんな…。俺はただ力になってやりたかっただけだったのに。」
「浩史郎…。」
「裏目に出てしまったわね。里見先輩自身にできる事なんて、最初から何もなかったのよ。
でも、この件に関しては私里見先輩を責めないわ。
どちらにしろ、そんな誤魔化しは長く持たなかっただろうしね。むしろ、ここまでになってしまったのなら、もう私も躊躇わずに対処するわ。りんごのお母さんに連絡して、許嫁と同居の話を白紙に戻してもらうようお願いしてみる。」
「!!そんな勝手に!」
「勝手なのはどっちよ?りんごをこんな風にしたのはあなたでしょ?」
「俺は反対だな。」
鋭い否定の声が上がった。
俺ではない。恭介だった。
「それって森野さんが望んだ事なの?森野さんの意思に反してするべき事じゃないと思う。例え親友といえどもね。」
普段とは打って変わって厳しい表情で発言する恭介に、宇多川は噛みつくように言った。
「東先輩は当事者じゃないくせに口を出さないで!」
「君だって、そうだろ?当事者じゃない。判断材料に家族の事があったにせよ、森野さんは自分の意思で、浩史郎との許嫁と同居を決めたんだ。途中でうまく行かなくなって、解消する事になったにせよ、それは自分自身で決めて、自分の手で幕引きするべきだ。他人が介入していい事じゃない。」
「そ、それはそうかもしれないけど、りんごをこのままの状態にしておけないのは誰の目にも明らかでしょ?放ってなんておけないわ。」
「それなら、宇多川さんが森野さんに今の状況を打開するためにどうしたらよいかを親友として忠告してあげたら?」
「そんなの何度も言ってるわよ!でも、あの子いざという時頑固だから、聞いてくれないのよ。」
「それでも、最後に判断を下すのは森野さんだ。君がそれをするのは違うと思う。
少なくとも正しい事じゃないと俺は思うよ。」
いつも正論を口にする宇多川にとって、真正面から間違っていると言われた事はかなりショックだったらしい。
みるみるうちに両目に涙が溜まっていった。
「おっ、おい、恭介。」
「そっ、それでも私は引かないわ。東先輩はりんごと関係が浅いからそんな事を言えるのよ。
あんな状態のりんご、見てられないし、もし事故とか何か取り返しのつかない事にでもなったら…。耐えられない…。
正しくなくてもいい。私はりんごを守れるなら何でもやるわっ。二人共、止めても無駄よ!」
溢れる涙を拭いもせず、宇多川は俺と恭介を睨みつけると、屋上の出口に走り去って行った。
「あ〜ぁ、また宇多川さんを怒らせちゃったね。いや、今度は傷つけちゃった…かな?」
恭介は屋上の出口を見つめて、疲れたように呟いた。いつものニヤニヤ笑いは鳴りを潜めていた。
「恭介…。」
そんな恭介の様子に俺は何と言っていいか分からなかった。
恭介は苦笑いしながら、俺に向き直って言った。
「何だよ?浩史郎。鳩が豆鉄砲くらったような顔して。俺が女の子にきつい事言うの、そんなに意外だった?」
「あ、ああ…。しかも、あの宇多川に。」
「言っとくけど、浩史郎の為じゃないよ?
この問題は森野さんが自分で対処しなきゃいけない事だと思ったし、いつも正しい宇多川さんが道を逸れていくところを正直あんまり見たくないなと思った。」
「恭介…。」
「でも、森野さんはすごいね。あの宇多川さんをして、正しくない事でも何でもすると言わしめるなんて。」
「宇多川はそれだけ森野の事を大事に思っているんだと思う…。」
「浩史郎は?」
ふいに恭介に訊かれた。
「お前も、森野さんを同じ位大事に思ってるんじゃないのか?」
「……!」
俺は少し躊躇ったが、ここで否定するのは逃げでしかない事に気づいた。
「多分、そうだと思う…。」
「だとしたら、当事者のもう一人はどうするつもりなんだ?宇多川さんばかりに気を揉ませるなよ。」
「分かってる。自分でしなきゃならない事は分かってるつもりだ。」
「そっか。浩史郎はもう決めてるんだな。だったら俺はもう何も言うことないよ。当事者じゃない俺は事が終わるのを待つのみだ。後でどうなったか事の顛末を聞かせてくれや。」
恭介は俺の肩をポンと叩いて、いたずらっぽい笑顔を見せた。
「その時は俺がおごってやるからさ!」
*あとがき*
次回浩史郎、りんごの本当の気持ちに向き合う時…。
今後もよろしくお願いします。
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