関係(親密度が上がるのはいいんだが)
取り敢えず
「
俺が手を差し出し微笑みながらそう言うと、彼女は
「あ~、うぁ~…」
初めて聞いた
「ありがと。大丈夫だ」
俺はそっと頭を撫でながらそう応えた。すると彼女も安心したのか、俺の胸に頭をうずめてくる。普通に、子供が親に甘える感じの仕草だった。それが何だかたまらなくて、俺も
だが同時に、刺すような視線を感じ、恐る恐るそちらに顔を向けていた。
『怖……っ!』
そこには、表情までは読み取れないものの間違いなく俺と
「発汗、体温の上昇、神経の緊張、対象に固定された視線。ほぼ間違いなく嫉妬ですね、これは」
「だよな~……」
エレクシアに言われるまでもなく、俺もそれを強く感じてた。しかし、なんでだ?
そんな俺の疑問に答えるようにエレクシアが語り始める。
「
となれば、彼女を退けてみせたマスターに対して興味を抱くようになっても無理はないでしょう。唯一の雄ですし」
「まあ、そうだよな~」
何となく想像はついてたのだができればあまり考えたくなかったことをズバリ突かれて、俺は頭を抱えそうになった。
とは言え、ここまで関わってしまうと無下にするのも忍びない。が、
「エレクシア、この場合、どうするのが正解だとお前は推測する?」
「そうですね。外見上は昆虫の特徴を持つ
「やっぱり、そう思うか」
想像した通りの答えが返ってきて、俺は覚悟を決めるしかないと思った。良好な関係を築くには、必要なことだと割り切るしかないと思った。
「エレクシア…ヤバいと思ったら助けてくれよな」
「もちろんです、マスター。私はその為にいるのですから。心配ありません。
「そりゃどうも……」
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