状況説明(さすがロボット。事務的だな)
俺が見た光景はまるで、取り押さえられた暴漢に向かって『殺せ! 殺せ!!』と罵る野次馬にも見えた。集団ヒステリー状態って感じか。
だから俺は、ハンドガンを空に向かってぶっ放した。ガーン! という衝撃音が空気を叩く。その瞬間、白いもふもふの生き物達はビクッと体を竦ませて黙ってしまった。そこに、もう一発。
再びの衝撃音に、白いもふもふの生き物達は弾かれるように飛び散って、密林の中へと消えていった。
後に残されたのは、俺と、エレクシアと、エレクシアの下で身動きが取れなくなっている
「
木の陰に隠れて不安そうにこちらを窺ってる
「状況説明が必要でしょうか?」
「
…なに?
「どういうことだ?」
てっきり、
「私は
「迫害だと?」
「はい。石や木の枝をぶつけられ、追い出されるところだったと推測されます」
そこまで説明された時、俺の頭をよぎるものがあった。
「もしかして、俺の匂いがついてた、とかか…?」
その問い掛けに、エレクシアが頷く。
「おそらくそうでしょう。
「それは申し訳ないことをしたな…」
やはり木の陰から不安そうにこちらを窺っている
が、
「もし大丈夫そうなら解放してやっていいぞ」
「承知しました」
エレクシアはそう応えて、あっさりと、しかし警戒は怠らずに
飛び退いて逃げるかと思った
「もう完全に敵対心を向ける気はないようですね。力の差をここまで見せ付けられてしまっては当然かも知れませんが。
しかしこれで私達が
エレクシアのその推論には、俺も概ね納得したのだった。
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