編集済
色々考えさせる物語でした。「夢と愛のどっちを選ぶか」のテーマは映画とかでも良く使われますね。(最近の「ララランド」とか)サリアの場合は敢えて浮気という最悪の選択をしたので、少し筋が違うかもしれませんが。
浮気に関しては昔から始まっていた可能性が高そうです。いきなり兵士長に抜擢されたことや、浮気がバレた次の日にグリフォン隊に入ったことなどは、おそらく間男絡み。幼い頃からの憧れの存在、自分の夢を叶えさせてくれる存在、間男とダインとの間で心が揺れている中、ダインを捨てる決心したのが「その日」だと思うと辻褄が合います。家から顔も合わさず出ていったのもその頃ですし。
3年後に帰ってきたのは、「自分を大切に思ってくれている人がいる」ことを確かめるため。最初は間男から捨てられたかと思いましたが、後にグリフォン隊の全員を軽蔑するセリフから察すると、「夢から目が覚めた」んじゃないでしょうか。勿論、もう遅い、ですが。
しかし、ダインには既に婚約者がいて、彼の心にもう自分の居場所はない。親もいない。世の中に彼女の「歯止め」は何も残っていない。そして「歯止め」の不在は彼女の死を招きました。事故かそれとも自殺か、それは全く関係のない話です。
結局、夢と愛、どっちも掴めなかった、が彼女が行った浮気の代償だと思います。浮気をしてでも叶おうとした夢自体が、本当は最初から間違っていたかもしれません。もし、ちょっとでも先に目が覚めたら、ダインとやり直せる未来もあったはずですが。
ただ、最後まで疑問に残っているのはどうして彼女は直ぐにでもグリフォン隊を辞めなかったのかだけです。ダインと仲直りして友達くらいには戻れたかもしれないのに。過去の愛を捨ててまで手に入れようとした今、これを捨てて空っぽの自分に向き合うのが耐えられないくらい怖かったのか、そこだけはこの作品の謎として残しておきます。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
拙作に過分なご考察をいただき、恐縮です。愛か夢かというのは、どちらも人生にとって欠かせないので、二者択一となると大変かもしれませんね。グリフォン隊員の気質を「獣」に例えたのは、そのままの意味でもあり、他には「功利主義だけが採用されたコミュニティのなれの果て」という意味でもあります。功利主義が最も重視するのは「成果」ですが、それだけだとやっぱり疲れちゃうんですよね。ヒロインの結末は「なれの果て」の部分を強調するための演出でしたが、RCAさんの考察の方がしっくり来てる気もしますね(自分の作品なのに…汗)
作品の結末部分は落語で言うところの「考え落ち(思わせぶりな演出で締めて、あとは読者様のご考察にお任せする)」になりますので、こうして考察いただくのは作者冥利に尽きるところです。ありがとうございました!
主人公と結婚する女の方が可哀想ですね。3年間他の女にあげる指輪を大事にしていたなんて、自分と一緒にいる男があんな人だということを知ったら失望が大きいでしょう。もう完全に決別したので、ご家庭に充実してほしいですね。
幼なじみは自分で選んだもので、主人公がそれに対して特に感情を持つ必要はないと思います。
なぜか主人公の妻が、工房長の娘で、主人公の過去を知っていて、それなりに報復をしたのではないかと思うようになりますね。
作者からの返信
ご指摘ありがとうございます。
主人公が不誠実に見えるというのは、ご指摘の通りですね。現恋人からしたらイヤにきまってますからね。私自身も肌見放さずっていう下りは「ちょっとまずかったかな、改稿しようかな、でももう公開しちゃったしなぁ」なんて思っていた所だったので、見事に痛いところを突かれました(汗)ヘイト管理って難しいなぁ……こんなショートショートですら難しい(汗)
個人的には過去の恋愛を引きずった経験がないので、主人公がクヨクヨしてるのは完全に想像ですね。元恋人へのプレゼント、どうするかと言われたら……うーん、私だったらとっとと忘れて憶えてすらいないかも。捨てるのも執着、捨てないのも執着って感じしますからね。「これなんのやつだったっけ」ぐらいの無関心が最適解なのかも。でもそれだと小説にならないかなwいやミステリーにはなるのかなw
ともあれご指摘ありがとうございました!また頑張ってみます!
久々の新作面白かったです。
次の作品も楽しみにしています。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
久々に……ということで過去作品も読んで頂いているのですね。嬉しいやら嬉しいやら嬉しいやら恥ずかしいやら、です(汗)
不定期投稿ですが、気が向いてまた読んでいただければ幸いです。ありがとうございました!
編集済
読み応えありました!
サリアは絆されて浮気したのかな
その後3年の間に、捨てた主人公とまた会おうと思うようになった背景が気になりますね
ギラギラした浮気相手についていけなくなったのかな
サリアが悪いんだけど主人公とか、あとまあ昔の虐待はあったけど父とか、「自分を大切に思ってくれてる人」が居なくなって一人になってしまったのはなんともキツかったでしょうね
作者からの返信
コメントありがとうございます。
いろいろと考察して下さり、ありがとうございます! 感情移入して読んでいただいて、嬉しいやら恥ずかしいやら申し訳ないやらでだいぶカオスなメンタルで今返信書いてます(汗)
心にせよ身体にせよ人が人を求めるときは、個人差はあれ人は冷静ではいられないのかなとも思います。思うままに生きて、失敗して後悔して……なーんて。理性と獣性って遠いようで以外と隣り合わせなのかもしれないなーと思いながら書きました。
文章を書くのが苦手でコメント書くのをずっと迷ってましたが、やっぱりお伝えしたくて書きます。本当にこの作品が好きで、何度も読み返しては、この二人の今更もうどうにもならない手遅れで悲しい関係に、心が乱されまくっています。二人が住んでいる街や鐘楼、空き地で待っているダインの姿も目に浮かぶようです。本当に大好きな作品です。ありがとうございます。
作者からの返信
拙作に貴重な時間を割いていただいた上、熱いご感想まで!ありがとうございます!
私がWEB小説にハマったきっかけはざまあ物(特に寝取られからの……)なんですが、寝取られ物って、主人公がただ泣き寝入りするか直接相手に復讐するストーリーが多いと思うんです。本作はもう少し違う角度でこのジャンルを語れないかなあと思って試行錯誤する中で生まれた作品でした。
拙い文章で恥ずかしい限りですが、励みになるコメントをいただき、本当に嬉しいです!ありがとうございました!