第27話 突入
一方そのころ。
月狼たちがショッピングモールに現着した。
月狼がショッピングモールの壁にプラスチック爆薬を設置する。
「行くぞ。」
「3」
「2」
「1」
「突入。」
ドゴォォォォォォォォン!
月狼がプラスチック爆薬を起爆した。
そして二人はショッピングモールの中に入る。
そして階段の手前に来た。
「ここからは二手に分かれよう。
ライは火災報知機を停止してくれ。
そのすきに俺が冬狼を制圧する。」
「了解!」
「行くぞ!」
「イエッサー!」
二人はそれぞれ上下反対の方向へ走り出した。
ライは急いで地下まで下りる。
そしてある場所まで全速力で駆けた。
活で自分が武器を買った武器売り場などを走ったのち、ついに目当ての部屋の扉を右側に見つけた。
セキュリティルーム。
「この中にサマが!」
彼女はセキュリティルームの扉を開けた。
しかし、
「嘘…。」
そこには何もいなかった。
ただ無数の机と椅子、そしてあまたのスイッチと監視カメラが映されたモニターが並んでいた。
「どういうこと?
ここを操作しなければ部屋から直接火事を起こさない限り火災検知器を起動することはできない。
それはすごく効率が悪いはずだし…。
はっ!」
ライは何かに気づいた。
「そうだ、サマは効率なんてどうでもいい、日血を殺せればそれで満足する人間だ。
そもそも殺しを楽しむような奴がわざわざ火災報知器という手段をとるわけがない…。」
ライは監視カメラをのぞき込む。
そこには、MG3汎用マシンガンを片手に二階に移動するサマの姿があった。
============
一方そのころ。
サマはMG3を片手に二階にいた。
すべての店のシャッターをあらかじめ締めておいたので、客は必然的に広間に集まることになる。
狙いはそこだ。
サマは狩りの前にマリファナを一つ吸った。
冬狼がそばにいるときはあまり吸わせてもらえなかったが、上の階にいて不在の今となっては好きなだけ吸える。
「ああああああああ。もうさいこおおおおお。」
悪夢を忘れるためにマリファナを吸いまくった結果、サマはもう自分が何を考えているかもわからなくなってきた。
たまに幻聴が聞こえてくることもあるが、それが戦場での悪夢によるものなのか、もしくはマリファナの効力によるものなのかも自分ではわからなくなっていた。
だが、少なくとも吸っている間はあの時のつらい記憶がフラッシュバックせずにすむ。
テルに捕らえられて十数時間にもわたって拷問されたあの記憶が。
だが、まだあまり吸っているわけではないので銃は扱える。
その時。
「動くな!」
突入してきた警察の特殊部隊が現れた。
特殊部隊は全員アサルトライフルを持っている。
そして
パパパパパパパパン!
肉体に容赦なくフルオートで発砲した。
だが。
「何っ…。」
腹部の銃創が自動でふさがっていき、胸の銃撃は防弾プレートで止められて、ダメージは一切ない。
「なあにこれえ。痛くもかゆくもないんだけどお。
むしろこのちょうどいい感覚がすっごい気持ちいいいい。」
「こいつ…!」
「今度はこっちから行かせてもらうよ。」
ライはMG3を特殊部隊に向けた。
「死ねええええええええええ!」
バラララララララララ!
マシンガンの弾を一斉にぶっ放し、特殊部隊を薙ぎ払う。
「ぐわあああああああああああ!」
一瞬にして制圧を完了した。
「はあ、はあ。
楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい楽しい!」
サマが狂気的な声をあげた。
そして大通路に向かった。
大通路にはとても大勢の客が呆然とたたずんでいた。
何しろ自動ドアの電源を切られ、客はもし下に行ったとしても逃げることはできない。
何人もの人が右往左往していた。
「さあ、死ねえ!」
サマは大通路に向かった。
そこには多数の人が立っていたが、マシンガンを持っているサマの姿を見ると
「逃げろ!」
急いで逃げだした。
だが
バララララララララララララ!
「死ねええええええええええ!」
後ろから襲い掛かる機銃掃射で次々と倒されていく。
運良く逃げ切れてもサマは
「ねえ、どこに逃げるの?
どこに逃げても無駄!
お前たちはおとなしく私の獲物になる運命なんだよ最初から!」
と言ってどこまでもマシンガン撃ちながら追いかけてくるので逃げることもできない。
「ぎゃああああああああああああああ!」
こうしてサマは一人残らず民間人を制圧した。
「はははははははっ!
動くものはぜえええんぶ私の獲物だ…。
ははははははははははははははっ!
動くことができる奴は動かなくても殺す。
とりあえず見つけたら殺す。
誰だろうと関係ない!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!
ひゃっはあああああああああああああああ!」
マリファナの影響で正常な思考が保てなくなったサマはそう叫びながら走った。
そこに。
パン!
「あっ。」
一発の銃弾がサマの背中に当たった。
だが胸だけを覆うボディアーマーに仕込まれたプレートがサマを銃弾から守る。
「ハイになるのはそこまでだよ、サマ。」
そこにはライが立っていた。
「この場であなたを処分させてもらう。」
「はあ?私を処分?」
「私は本気だよ、サマ。」
「本気であなたを殺しに来た。」
「何言ってるの?
私を殺せるわけないじゃん。」
サマはMG3を構えた。
「食らえ!」
バラララララララ!
ライに向けて機関銃が放たれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます