第7話

車で、実樹の家まで送った。実樹は、助手席に乗っている。


「着いたよ、実樹ちゃん。どうか、元気出して!今日は、よく眠るんだよ!」


「はい!今日は、どうもご馳走になりました」


「ぼくは、もう、実樹ちゃんと、今日みたいなことには、二度とならないと思うけど、また、相談があったら言ってきて!」


「ありがとうございました!」


「じゃ!」


 実樹は車を降りようとした。が、そのとき、


「あの!良かったら、うちに寄ってきませんか?」


 なんという結末!もし、このまま、実樹のうちに寄っていけば、もう……


「うん、ありがとう、実樹ちゃん。でも、ぼくは……」


「ごめんなさい、望月さん。わかってたんです。望月さんには、彩子さんという、素敵な人がいらっしゃること。わかってて、言ってしまいました。すみません。帰ります」


 車から、さっと降りると、実樹はそのまま自分のマンションに走って帰っていった。

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