ベネット王国全街道休憩広場専用他国発行商業許可証


 やはり大きなお風呂は良かったですね♪

 温まった身体でふかふかのベット……

 大の字になって寝ました。

 4人部屋のこの部屋、大きな部屋で、シングルベッドが4つも置かれてあるのですよ♪


 朝食は、1人あたり固いパン3個、ドライソーセージ3本、ザワークラウト、そして大ジョッキのビール?

 パン以外はそこそこ美味しいですが、朝からビールなのですよ……

 なぜかザワークラウトはセルフで好きなだけ取れるのです。

 

 周りを見てみると、皆さん、大盛りのザワークラウトとビールで朝食?


 えっ、ザワークラウトとビール以外は、ランチとして持って帰れる?

 なるほど、自分で袋とか籠に入れればよいのね♪


 当然、●イソーさんの巾着型のトートバッグを出して、お持ち帰りです!


 4人分を3人で食べるわけですからね……

 固いパン12個、ドライソーセージ12本、1人分のビールの代わりに、ビーフジャーキー……


 このビーフジャーキーの量、マルドゥク神殿警護騎士団バンベルク分団の物を知っていますが、あれを考えると6人分くらいありそうですね。


「これがランチ代わりというわけですか……なるほど……」

「宿も承知しているようです、ソーセージではなくてドライソーセージですから」 


 トイレを済ませ、チェックアウト、料金は先払いでしたからね。


 そうそう、宿で『旅のしおり バンベルク・ロンバル街道 ベネット王国編』とかいう、パンフレットを頂きました。

 私たちが、ベネットの王都へ行くと云いますと、くれたのです。


 商業許可証をもっている商人にはくれるようです。


 ベネット王国商人組合発行とあり、帝国国境から、ベネットの王都ロンバルまでの、水飲み場とか休憩場所とかが書かれています。

 帝国では、見たことも無い物ですね。


 馬車に乗り込み、フランを後にしました。


 フランを出てから四日目、クロエさんが、

「今日の夕刻前に国境の検問所を越えます、ベネット王国側に入ると小さな村があります、今日はそこで野営ですね」

「宿はないの?」

「『旅のしおり』によると、宿はなく休憩広場があるそうです、ただここで商売をする場合、村役場に申し出て、一日あたり、3ランドを支払う必要があるようです」


「ベネット王国の商業許可証が無くても商売できるの?」

「この『旅のしおり』には、ベネット王国の商業可証の場合、1ランド、他国発行の商業許可証の場合、3ランドとあります」

「ベネット王国内では露天商なら、どこの商業許可証でもいいみたいですよ、ただ所場代が、地元の方より概ね3倍高いようです」


 『旅のしおり』によると、他国発行の商業許可証でも良いので、持っていれば、露天商などの零細商売については、該当管轄のお役所に規定のお金を支払えば商売が出来るようです。


 管理者がいない休憩広場については、『ベネット王国全街道休憩広場専用商業許可証』とかいうものを購入したら、露天商売ができるようです。

 これは、どこの行政府でも購入できますが、入国時の国境検問所でも買うことができます、期間は最大で1年間、1月で500ランド、半年で1,000ランド、1年で1、500ランド……


 ただしですね、購入時、身分証と商業許可証を提示、他国発行の商業許可証の場合は、購入できるのは『ベネット王国全街道休憩広場専用他国発行商業許可証』という1月物だけで、しかも1,500ランド……次回購入する場合、この許可証を併せて提示すれば、1,000ランドとなります。

 

 要するに早くベネット王国発行商業可証を手に入れろ、となるわけです。


 なんせね、売上がわかりませんので税金がかけられない、という理由です。

 従って零細露天商に限って、『ベネット王国全街道休憩広場専用他国発行商業許可証』という物があるわけです。


 これがないと管理者不在の休憩広場で商売はできない、もし不所持で商売が発覚した場合、べらぼうな罰金と即日国外追放となるようです。


 出国するとき、有効期間内なら精算が出来るようです。

 なんでも日割り計算した1日分の半額、これを残りの日数にかけるわけです。

 

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