モグラの集会
「モグラ」と呼ばれていた時期がある。
僕の両親は町で小さな
誰が提案したのか、記憶は定かではないが、いつからか僕達は自身のことを「モグラ」と称するようになった。
「トランプをしようぜ」
「またかぁ。他にやることもないし、やるか」
僕達は酒もタバコもやらなかった。手を伸ばせば
貧しい家庭であったとはいえ、我が家にもトランプぐらいなら置いてあった。だが、我が家を訪ねる連中は自身が持ち込んだトランプを
「トランプ、忘れちまった。やることもあるし、今日は帰るよ」
そう言って
高校三年生の秋、我が家は
「今晩中に
夜遅くまでひたすら
しかし、一家が数十年かけて
時計の長針が
「お世話になりました。引っ越しの手伝いに来たんですけど、やっぱり迷惑でしたか」
モグラなりの
「少しでも力になりたかったなぁ。楽しい思いをさせてくれたからね。これは
そういってモグラは僕の
あれからずいぶんと長い月日が経った。眠れぬ夜、僕は
(了)
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