闇市
今年で十三歳になる
母のひどくあかぎれた手から渡された
気が付いたときには
ようやく、電話を貸してくれる店を見つけた頃には空は
その上、みじめにも、母親に自分を迎えに来てくれなどとは口が裂けても言い出せそうになかった。しかし、このままでは
「
「母さん、俺、失敗しちゃったよ。米はどこかの野郎にすっかり持ってかれちゃった。ここではまだ、戦争が続いているんだね。俺がもう少し強かったら米も取られることもなかったのに」
「ああ、そこはまだ戦争が続いているんだよ。そんなところにお前を送ってしまってすまないね。米のことは気にすることはないよ。いいかい、あたしが今からそっちに迎えに行くから、お前は動くんじゃないよ。命あってのモノダネだからね」
(了)
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