第3話 初めてのクエスト
何とか家に住まわせてもらうことに成功した豊は今クルトたちと冒険者ギルドにいた、もちろん何もせずに住まわせてもらうわけにもいかないので冒険者となりギルドに登録しクルトたちの冒険者パーティーに入れさせてもらうことになった。
ギルドに登録すると募集をかけているクエストを請け負ったり功績や能力を確認できたりする。
それで豊はギルト登録をしている最中だった。
「職業はどうしょうか。まあ、あれでいいか」
そして名前なども書き終え正式にギルドの登録が完了し豊は槍使いになった、けれでも手持ちは何も無く武器すら持ってないためどうすることもできないのである。
「あのクルトさん、俺何も武器とか持ってないのですけど…」
「それなら武器屋で買ってくればいいだろ」
「お金をまったく持ってないんですけど…」
「薬草集めとかのクエストを受けて金稼ぐしかないだろ」
「そうですね…」
豊は残念な顔しながら受付のとこへ行き薬草集めのクエストを請け負った。
そして豊は武器を買うため金を稼ぐため山に薬草を取りに山道を歩いていた、山には地球上では見られない可愛い生き物や目で見てられない気持ち悪い生き物まで多種多様な生物が生息していた。
(この世界に来て初めてやることが薬草集めかよ)
ギルドに登録したらすぐ異世界らしいことができると思いウキウキしていたのだ、それは子供が遊園地に行く時の気持ちのように。
(薬草集めなんて現実世界と変わらないじゃないか)
だけでも薬草集めを手伝いにキャップとルシアが来てくれたのだ。
「ナンジャ薬草ならあの辺に生えているだろうな」
「そうですね」
キャップはそう言いルシアが頷いた、でも何故薬草が生えている場所がわかるのか豊が聞いてみるとクエストで山の中に入っているうちに何処に何があるのかわかってくるとキャップが答えた。
その後も山道を歩いているとキャップの言ったとおりとある所に目当ての薬草があったのだ。
そして豊たちは直射日光を受けながら真剣な目をして薬草の採取をしていた。
薬草を採取している最中、あらためて家に受け入れてもらうことに賛同してくれたこと、そして今も薬草集めに手伝ってくれていることのお礼を言った。
「いやいや当然のことをしたまでですよ」
そしてキャップがこう言った
「そういえば豊はあの頭が固いクルトをどうやって説得したんだ?俺でもものの数分で素直に納得させるのは無理だぞ」
(それ私も気になっていた!)
この場所には10秒ぐらいの沈黙が流れた
「キャップさん、ルシアさん今日は天気がいいですね」
(あっ、無視された)
ルシアとキャップはそう思った
(誰にも知られてない秘密をばらされたくなければ家に受け入れろとゆすりをかけたなんて言えない、さすがに自分だけの秘密を知られたらかわいそうだからな)
「そういえばクルトさんは前からあの人柄なんですか?」
「そうだな、パーティーを結束した時からあの性格だな」
そして気が強いクルトと暮らしていて嫌気がさしたりしないのかと聞いたら一緒にいるうちにいつのまにか慣れたがたまにクルトに言われることで頭にくることもあるがそれはこの人はこういう人だからしょうがないと開き直って気にせず接しているとキャップが答えこうも答えた。
「まあクルトは難のある人ではあるがパーティーメンバーのことをしっかりと考えて正しい方へと導いてくれるしそれに様々な実力もあるから尊敬できる所もある」
「だから俺も含めパーティーメンバーはこれからもクルトに付いて行くのだろうな」
数時間経った頃、薬草も十分採れたためこれで集めるのも終わりにしてまたギルドに戻っていった。
そしてギルドに着いた豊たちは採取した薬草を買い取ってもらった所、銀貨2枚をもらえた。
(これは円に換算すると2000円ぐらいだったかな」
それから豊はルシアとキャップと別れ武器屋に向かった、だが持っている所持金が少ないためこのまま何もせずに武器を買ってしまうとまた手持ちの金がなくなってしまうことを恐れここは値切ることを考えていた。
値切る作戦はまず複数の店に行き同じ商品があることを確認する、そしたら商品の値段が高い方の店に行き店員にこう言う「○○という店ではいくらで販売していたのですが」そう言うと店の定員は自分の店で買って貰うためにより安くしてもらえる可能性があるため片っ端から武器屋を回っていた。
「このシャープスピアというやつ、あっちの店の方が高く売っていたな」
豊はこの武器に決めこの商品の値段が高かった方の店にまた戻っていきそして店員に「この商品のことでお話したいことがある」と声をかけあの事を言ったのだ。こことは違う店でシャープスピアという槍の武器は銅貨7枚で売られここの店では銀貨1枚で売られていたのでもう少し安くならないかと頼み込んだ所、他の店と同様の銅貨7枚でどうかと言ってきた。
(銅貨7枚だとあの店と変わらないからもう少し粘るしかない)
だがその後もかなり粘っていったが「コストの都合上これ以上は下げられない」の一点張りだった。なのでこれ以上言っても変わらないと思いこのシャープスピアという槍を銅貨7枚で手を打って少し残念な思いで買い上げ店を出て行った。
「もうちょっと値引きしてくれなそうな人をちゃんと選ぶべきだった」
そして槍を使い慣らすため周りに人がいない広い場所に向かった、そこに着くとまずは槍を手でしっかりと持って前に突き出した所、威力があまりないように感じこの近くにある樹木を一度力一杯槍で突いてみたがそこまで樹木には突いた跡が付かなかった。
「槍って武器としてはかなり弱い方なのか」
なので突く以外の方法で槍の威力を上げるにはどうしたらいいかを考え色々試した結果あることに気づいた。
「もしかして槍は突くより上から振り下ろして叩いた方がいいのか」
今度は槍で樹木を突くのではなくり上から振り下ろして叩いたら先ほどよりも威力が増しびっしりと跡も付いた。
「やっぱり手ごたえがよかったな」
試しにそこにいた爬虫類の生物がいたのでそれを目掛け力強く槍を振り下ろしたなら見事に真っ二つに割れた。
豊は槍は突くより叩いた方が戦力として上がるということがよくわかった所で家に帰っていった。
そして夜、豊はパーティーメンバーと夕食を食べ終わり自分の部屋にいた、
部屋はクルトの承諾を得て貸してもらっているが承諾を得る時にとても蔑んだ目で見られたのは一生忘れないだろうと思った。
そう思っているとノック音がしてドアを開けるとそこにルシアがいた、それで何故ここにきたのかと聞くとこの家に来て支障はないのかとかの心遣いとこれから一緒に住むにあたっていろんな話してお互いことを知っておいた方がいいのではないかと答えたので豊はそれに賛成し少し戸惑いながらも部屋の中に入れた。
それから豊とルシアは親密になるため語り合っていたがルシアは豊がさまざまなことを聞くと親身になって話すが豊はルシアがいろんなことを聞いてくると曖昧なことしか言わなかった、それはあまり自分のことを喋ると今まで演じてきた設定が嘘だと見抜かれそうだと思ったからだ。
(本当は話なんかしたくなかったけどあそこで断って自分ことは何も言わずにいると逆に怪しまれることもあるかもしれないからな)
「そうだ、それで豊さんの過去のこととか教えてほしいです」
そしてその質問を言われた時ついに何も言えず黙り込んでしまった。
「あっ、別に話したくなければ無理に言わなくていいですよ」
豊はその言葉に甘えその質問答えずもう夜も遅いのでこれで話し合いは終わった。
「それじゃ、ルシアさんおやすみなさい」
ドアの前でそう言うとルシアはさらっとこう言った。
「私は豊さんが怪しい人ではないことを信じています、けれでも私たちに何か危害を加えるのなら容赦しませんからね」
そしてルシアは自分の部屋に戻っていった。
「俺はけっこうルシアにも警戒されているのか…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます