36

36


 デビルバットに対してどう対処しようか、考えることにした。


 でもその間にも彼らは迫ってきて、僕がハッとした時には体当たりの攻撃を受けてしまう。


 鋭いツメの攻撃を腕に食らい、服の一部が筋状に破れるとともに下から真っ赤な血が滲んでくる。


 その場に漂う獣臭と翼の風切り音の残像――。彼らはツバメやハヤブサのような鋭い動きで瞬時に切り返し、再び僕に向かって襲いかかろうとしている。


「ギギギッ!」


「――うくっ!」


 今度は太ももへの攻撃。ただ、今回はさっきよりもちょっと傷が深いのか、痛みだけでなくて熱を帯びて痺れるような感覚になってくる。わずかに目まいもする。もしかして毒を受けたかな……?


 その痛みと熱は徐々に体を蝕んでいき、ついにはとうとう立っていられなくなった。手足から力が抜け、うつ伏せに倒れ込む。もはや動けない。



 ――そうだ、僕は忘れていた。彼らは毒を持っているということを。


 それに気付いた時にはすでに手遅れだった。体は一転して寒気を感じるようになり、だんだんと意識が薄れて……。



 BAD END 6-9

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る