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スライムに対してはどう対処するか? それは前回の探索でミューリエが戦った時の様子を参考にして考えればいい。
まず、スライムは動きが遅いし、そんなに生命力も高くない。多少は基礎体力がついた今の僕なら、もしかしたら物理攻撃で倒せるかもしれない。ただ、僕にとっては初めての実戦だし、油断は禁物だ。
ミューリエは造作もなく戦っていたけど、もしかしたら僕の知らない何かを理解した上で対応していた可能性もある。
そうなると下手に手を出さず逃げるか、あるいは能力を使って戦闘を回避するか――。
答えは決まっている。この場は逃げの一手だ!
もちろん、これはネガティブな意味での逃げじゃない。それがこの場では最善だと思うからこその選択なんだ。意思疎通の力を使うにしても確実に効果が出るって保証が現時点ではないんだし、僕の気付いていないリスクが潜んでいる可能性だってある。
この場を乗り越えられる選択肢の中で、確実性が最も高いのが『逃げ』なんだ。
僕は視線を前に向けたまま、後ろにいるミューリエに向かって囁く。
「ミューリエ、スライムは動きが遅いから僕は逃げる。無理に戦う気はないよ。一気にスライムの横を駆け抜けるから、そういうつもりで後ろから付いてきてね」
「スライムを相手に逃げるだと?」
「逃げるのも戦略のひとつだよ。逃げるのは禁止されてないよね?」
「確かに……。もっとも、いつもうまくいくとは限らんがな。もし回り込まれてしまったらどうする?」
「どうしても逃げられなかったら、その時は腹を据えて戦うさ」
そうは言ったものの、僕の心の中には絶対に逃げられるという自信があった。根拠はない。ただ、ミューリエの指示で走り込みをしてきたから、そういう気持ちになったのかも。
――ここでダイス判定。六面ダイスを二個振ろう。数値の合計は?
●6以上……→9へ
https://kakuyomu.jp/works/16817139554483667802/episodes/16817139554483964716
●5以下……→33へ
https://kakuyomu.jp/works/16817139554483667802/episodes/16817139554484446189
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