二次創作
昔、二次創作をしていました。「ひぐらしのなく頃に」という同人ゲームの二次創作です。
ここで述べたいことは、それについての私の個人的な思い出です。
いわゆるゼロ年代といわれる時代、当時暇だった私は、インターネットを渉猟しているうちに、このゲームと出会いました。
暇潰しのつもりでプレイしたら、物の見事に嵌まってしまいました。
今、このゲームの詳細について語るつもりはありません。いちおう、KADOKAWAさまの方で映像や書籍コンテンツが出ているので、語っても大丈夫かと思いますけど、今回で言いたいのはそこではないので。
で、「ひぐらしのなく頃に」の公式ホームページへ行くと、公式掲示板がありました。このネット上の掲示板というのは、今でいう、LINEのグループをフリーで開放しているようなイメージです。
その公式掲示板の中では、スレッドというLINEグループのような、「群れ」を自由に作ることができ、その「群れ」に記事を書き込むことができます。むろん、自由と申しましても、管理者さまの制限を受けることには変わりありません。
そのスレッドの中で、「雛見沢物語」なるスレッドがありました。この「ひぐらしのなく頃に」は、雛見沢という架空の村を舞台にしておりますので、同じ舞台で、ユーザーが記事を、つまり創作したものを投稿しよう、という趣旨のスレッドです。
ちなみにこのユーザーの創作をSSと言います。Side story あるいは Short story の略である、という説明を受けたことがあります。
長々と話しましたが、このSSを投稿するスレッド「雛見沢物語」に出会い、自分もこのようなSSを書きたい、と思ったのが二次創作に入ったきっかけでした。
公式ホームページの管理者さま、つまりゲームの製作者の方たちは、自分たちが同人ゲームの担い手であることから、二次創作に寛容で、ただし公的には「関知しない」というスタンスを取っていました。見て見ぬふり、ということでしょう(現在は、このスレッドどころか公式掲示板が廃止されたので、こういうことが言えます)。
投稿されているSSは、どれも珠玉の傑作ばかりで、私が投稿しても、特に反応は無いだろうと思っていました。実際、初投稿のSS(短編)の直前に投稿されたSSが名作で(カクヨムでいうと新着順に表示されます)、これはもうスルーされるかな、と歎いたものです。
が、皆さん暖かく迎え入れてくださり、感想(レスと言います)をいただきました。ちなみに私の直前に投稿した方とは、のちに盟友となりました(そういう表現をされました)。
他にどんなSSを書いていたか、と申し上げますと、オリキャラといって、ゲームに登場するキャラクターを使わずに、作者オリジナルのキャラクター(略してオリキャラ)を主役にして長編を書いておりました。これはさすがにアウトかな、と思っていたら、読んでくれる方がいて、かなり嬉しかった記憶があります。
こういった経験の中で、長編連載のやり方(興味を維持するために定期的に投稿する等)、読んでくれた方への対応(レスへの返信)、(公式掲示板の外でしたが)チャットでのやり取り(LINEのようなもの)を学んでいきました。
でも、一番大きかったことは、やはり創作のやり方、スタンスについて刺激を受けたところですね。創作論を語り合う場を持つこともあって、ハリウッドのシナリオ術みたいなのを読もうとか、画像掲示板の絵師さんに挿絵を依頼しようとか、いろいろと活発に話し合いました。
合作もやりました。前述の盟友も含めて、複数の方たちと。カクヨムでいう、リレー小説のようなものですね。
そうこうするうちに、掲示板が廃止となりました。これについては、製作者さま、管理者さまの厚意でやらせてもらっている以上、文句が言えませんので(無料でしたし)、涙を呑んでお別れするしかありませんでした。
何が言いたいかというと、私の創作に関するものは、この掲示板で身に付けたものが多いです。前述のとおり、現在は、掲示板はありません(管理者さまの意向で閉じられました)。しかし、私が何かを書く時には、あの頃の仲間たちとのやり取りが、後押ししてくれているような気がします。
深い感謝です。
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