第78話・大聖樹の決戦3
猛攻の攻撃だったが、カリバーが囮になると言ってくれたおかげでリーフベア達を連れて退避することに成功した。
だが代わりに指揮官にもなれるカリバーが死に戻り、デスペナになる。回復するのに時間がかかる。
仕方ないから1日目は防衛線することに攻略組は切り替えた。正直亡骸ドラゴンを相手にしつつ、あのムカデ達と戦うのは不可能だ。運営らしいね、気に入ったよ。
こうなると次は問題の解決だ。まず一つは亡骸ドラゴン、こいつがボスでいいんじゃないかと思うスペックで、フィールドを無尽に動く。
「ドラゴンはこちらが相手させてほしい」
リベンジに燃えるカリバーの言葉に、マーリンや武狼メンバーが引き受けてくれるらしい。
次の問題、ムカデ達だが、彼奴らHPが無いかもしれない。
白薔薇の攻撃を受けてもなんともなく、攻撃ばかりする。
となると、どうすればいいか。ここが分からない話をするが、図書館が動画を見て気づいた比較的に安全圏と言えるエリアがある。ならばここにヒーラーを置いて様子を見ようという話になるが、そこにミコトが待ったをかけた。
「私の目で彼の存在を見れば、解決の糸口を見出すやもしれません」
「ボクも行くよ、回復なら得意だし」
そんな話になる。ならばと、俺だけがムカデ達の相手をして、白薔薇とクロから降りたバンダナが二人を守る。
ならばあとはどうするかという話をして、さらに一日捨てることにした。
明日は亡骸ドラゴン討伐に防衛線をして、その翌日にムカデ達の攻略をする。
こうしてやるべきことを決めて備えるのであった。
◇◆◇◆◇
決戦三日目、亡骸ドラゴンはHPを削り、動かなくなったのを確認。ポリゴンになり消えていないから、念のために鎖やらなんやらでその場に固定して俺は準備体操をする。
「兎さん大丈夫?」
「問題ない。ただ逃げ続けるだけだ」
こうして二度目の挑戦としてムカデ達がいる石舞台へと向かった。雄叫びを上げながらムカデ達の猛攻を潜り抜け、ミコトの指示が出るまで避け続ける。
【神風零式】「凄い、全部ギリギリで避けてる」
【侍ハート】「鎧を着こみ、よく動けるな」
【エタる】「まだ分からないか?」
「兎さん分かったよ。それは毒だって」
ロザリオの言葉に毒なのかと思いながら一斉に突っ込んでくる。だが身体をひねり、牙などに触れず、体当たりに耐えて受け流す。
「それ本体に八回秘術で浄化すれば、本体をあぶりだせます!」
【ナイト】「ヒーラーをここに呼ぶの?」
【レックス】「回数制限なかったっけ?」
【一服野郎】「とりあえず6回はこの場にいるメンバーで行ける」
【ウサギン】「兎さんしゃぺる余裕もないけど大丈夫?」
それを知ってうまく引き付けてから、ミコト達のもとに走る。まずミコト!!
「ひゃはあぁぁぁぁ!!?」
【鋼丸】「兎さんがミコト様をお姫様抱っこして走り出した」
【ナアリ】「手出すの早いな」
「ちゃうわい!!回復早く!!」
「は、はい!!」
秘術を使うタイミングが独特であり、一度使うとムカデの頭が溶けて崩れる。
プログラムとは思えぬ複雑な攻撃を放つが、それを難なく避けて二つ目を削る兎。
【レフト】「さすがです」
【ビビンバ】「三つ目も消すぞ」
【ジャンヌ】「ッ!?」
【カリバー】「亡骸ドラゴンが動き出したぞッ!?」
肩で息するミコトを安全地帯まで戻す。
「バンダナッ!」
「ブレイブガードッ!!」
四つの首を防ぐと共に別プレイヤーが様子を見て駆け付けた。フィールドギリギリに控え、ミコトを預かる。
「えっ、えっと」
その次は戸惑うロザリオをすぐに見つけ、
「ぼ、ボクはそういうキャラじゃないしそういうのは早いっていうかそんな中じゃないしいいかなと思うしそういうのはマーリンさんのほうが合うっていうかにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
謎の悲鳴を出しながらそのままフィールドに戻る。
【ユニ】「照れてますね」
【マーリン】「私のことは気にするな。あとでしてもらう」
【レフト】「私達もしてもらう?」
【ライト】「手出しすぎだね兎さん」
混乱しているロザリオだが、すぐに秘術を使う。四つ目。
「甘い」
首の数が減り、攻撃パターンが変わるが見抜き、そのまま五つ目も溶かす。
【デュランダル】「控えのヒーラー急げ」
【ゲイボルグ】「防衛線で手一杯だ。時間制限がなければいいが」
そんな中、六つ目が消えた。ミコトのように疲労していると思ったが、なにか言いたげに真っ赤な顔で兎を見ているロザリオ。
それに不思議がっていたらムカデの突進が放たれる。
(ん)
その突進は難なく避けられると思ったから、思考が疑問に思った。
次の瞬間、
【鋼丸】「ッ!?」
【侍ハート】「空間にヒビが」
空間のヒビに首を突っ込むと別の空間から顔を出した。空間転移による攻撃かよ。
まずい。そう思ったがロザリオを抱えた状態では回避ができない。
そう思いロザリオを庇う体制に入ろうとした瞬間、
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
頬を赤く染め、悲鳴のようなものを上げるロザリオ。光が放たれ、突進した七つ目を溶かした。
「はい?」
【コノ光……マサカ、古ノ神子カ!?】
「ロザリオさん、あなたさまは」
ミコトの方も何かに気づき驚いているようだが………
【マーリン】「ねえねえ私には意識している人に抱っこされてキャパシティーオーバーしている子にしか見えないけど」
【ユニ】「シッ。言うんじゃありません!」
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