第65話・開拓地の増加
図書員と言うか、ギルド『賢者の図書館』のギルド関係者『ワイズマン』がいた。
「魔王城は浮遊基地に続いて情報の宝庫ですから。行き来してます」
「そうか」
女性プレイヤーの彼女は主に生産系のスキルがメインらしく、浮遊基地では出番が無いらしい。いまは生産の手伝いしながら、魔王城の復興を手伝っているらしい。
「頼まれていた竜の里らしき場所は分かりました。ここからですね………」
だいたいの方向性を教えてもらい、すぐに行動に移す事にした。
俺一人だと白薔薇とかが文句を言うのでバンダナ達と向こう事に。白薔薇はロザリオのレベル上げを頼んでいる。正直これくらいの要件でないと、白薔薇は俺と行動したがるな。
浮遊基地のイヴ達の事もあるから、そっちにも顔を出しておかないと。島の方にも顔を出す必要性もあるし、俺も空間魔法を習得を狙う。
ちなみに魔王城の時はそのまま魔王城がホームである。いまは生産職やコボルト達、それと愛好家のメンバーが住まいにしている。
始祖の吸血鬼こと、名前は新たに俺が授けることになった彼女。名を『綺羅星』と名付けた。そろそろ名前付けるのキツイです。
「命姫達の事を頼むぞ綺羅星」
「はっ、お任せを旦那様」
こうして竜の里を見つけに、俺はバンダナ達と出発した。
………
……
…
道のりはそれなりに大変だった。間にボスエネミーいたから倒すことになり、色々上がる。カリバー達のような攻略班はすでにレベル20に近いらしい。最大レベル50はまだまだ先と思うが、レベル重視で上げている奴はもう20だそうだ。どこかで経験値がおいしいところがあるな。
俺も確認したらレベル10以上、まだ上げないといけないな。
自然魔法がレベルMAXになり、空間魔法を習得してレベル上げしながら進む。
「ん?」
「! 兎さん、臭いがあります」
何かある気がするとしたらこれだ。場所は雪原が広がる雪原地帯。山に差し掛かり、上り始めている最中のこと。
コボルト達が乗るウルフ達が臭いを探る中、バンダナは何かに気づいた。
「これは、すいません。敵ですが、僕らではなく、別の人達を襲ってます」
「なに?」
この辺にプレイヤーはいないと思うが。敵か味方かNPCかは知らないが、見過ごすのは気が引ける。バンダナ達に先行させて助けることにした。
それが運命の出会いである。
◇◆◇◆◇
白い毛並み、氷の牙と爪を持つモンスター。それは走る者達を追っている。
「早く、みんな走って」
「お姉ちゃんッ!?」
「ダメよ走ってッ!!」
一人の白いコボルト。それが足を止めて鉈を構える。
「ここはお姉ちゃんが時間を稼ぐから逃げてッ!!」
雄たけびを上げながら迫るそれは白い弾丸の速さで襲撃する。
それに武器を構えていたコボルトは目をつぶる。
(もうダメか………)
そう思った瞬間であった。
「【ブレイブガード】ッ!!」
闘気術の一つブレイブガードが発動して、一匹のコボルトとウルフが間に入り、襲撃を防いで吹き飛ばす。
「えっ………」
「大丈夫ですか!?もう大丈夫です」
吹き飛ばされた獣、ブリザードベアはすぐに起き上がるが、立ち向かうブレイブコボルト。バンダナ達。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
魔法剣で刀身を伸ばして、吹き飛ばすようにそれを振るう。闘気術による強化に並び、精霊魔法の恩恵を持つバンダナは、自分よりも倍近いそれを吹き飛ばした。
ブリザードベアはすぐに立ち上がった瞬間、
「お前の敗因は」
「とりあえずよくやった」
「僕しか見て居なかったことだ」
主人である時計兎を筆頭に、コボルト達とウルフ達の攻撃を纏めて受けて、ブリザードベアは一撃で消し飛んだ。
◇◆◇◆◇
連携って大事。
コボルト達は全員が機動力より攻撃力優先で上げて居て、俺もクリティカル判定が狙いやすい首を狙ったこともあったのか、白薔薇抜きでボスエネミーを即座に倒す事ができた。
この辺が俺の、もといプレイヤーの開拓地点になり、なにか近くにあればそこを拠点に開拓できそう。とりあえずバンダナが助けたコボルト達から話を聞こう。
バンダナが助けたコボルトは白い毛並みの美人さんだ。いまバンダナに挨拶を交わして、俺を紹介してくれた。
「ありがとうございます。あなた達はいったい」
「俺達は開拓者。この辺り、離れてはいるが旧魔王城跡地を開拓している者だ」
「あそこを? ですか?」
「知っているのか?」
「大昔、まだ町として機能していた頃の話です。大昔前で、物が育たないからと移動したのが私達の先祖です」
「そうか」
開拓進んでいないのかな? いま動画配信止めてるから分からないな。ちなみに止めているのかヒロインいないしいいかなと思った。野郎だけは数字取れないだろう?
「とりあえずこの辺りも開拓したいけど、俺達は竜の里を開拓しに出向いている。どこにあるか分からないか?」
「それは……」
「いま竜王の子供いるから、その子のためにもお父さん頑張るって約束したんで」
「えっ?いまなんて言いました?」
それに俺はアドバイスもらっててよかったと思う。水晶から抜け落ちた鱗をもらっている。それを見せれば分かる奴には分かるそうだ。
残念ながらこのコボルトには分からないが、分かる者を知っているらしく、信頼して案内してくれるらしい。
移動もそれほどかからない。同時開拓可能だろうか?
とりあえずそろばんを頭の中で弾きながら、彼らの後をついて行く。
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