第48話・もうすぐ終わる島未開拓地

 火山地帯や中央エリアより先を調べ出して色々進行した。


 まずは造船計画だが、木工スキルMAXになった者が現れ、その先に大工や造船のスキルがあり、造船を取ったりする。なんか要塞作りもできるらしく、大工の手がいまだ足りないのでユニが一時本土に戻り人集めをする。


 中央より先は高い木々が生えるもう一つの樹海地帯で背の高い大樹があり、それを使い船を作るらしい。丁度船作りに適した木材とのこと。


 出て来るのはトカゲ系や植物系モンスターで異常状態攻撃する。麻痺などの治療薬を確保して挑み、木材を確保し続けた。


 火山地帯に造船に関する本があり、装備品として装備すればより造船スキルを上げられる。いまは釣り船などを作り、スキルを上げている最中だ。


 火山地帯で爆石岩や火薬花を手に入れて、時計兎が喜々として道具を作り出す。


 そんな日々を過ごしながら、白薔薇は斧術をMAXにして魔斧術や闘気術を覚え出した。


 マーリンも楽しそうに行き来しながら、各チームの情報を共有させている。


「船の方はどうだい三郎さん」


「はい、港町の施設を使えば釣り船からちゃんとした船を作れそうです。戦闘可能にするため、大砲とかの準備しているんでしたっけ?」


「ああ、色々作った」


 時計兎が作った大砲の玉などミスリル製で作り出して、船のパーツもミスリルと言う事態。品質の高い品物で作るとしたらここは最高の環境だと三郎は思う。


「むっはー海賊船を作るぞー」


 リーフベア達も楽しそうに参加して、ちゃんとした船を作る気だ。図書館が調べたが、ここの船作りに関してはかつての時代の大昔、それこそ海賊船など作れるようにしていたらしい。アトラクションの一つのようだ。


 まあ実際に戦えるようにスキルアシストを受けながら作るしかない。


「材料は向こうと樹海大蛇が出るエリアと交互で手に入れてますから、船は明日から作ります。完成は三日でしょうか?」


「そうか、まあ材料はあるから、品質の高いのを頼む」


「ええ」


 そんな話をしながら、海戦を想定して色々作ることにした。主にスピード関係で、先のエリアを調べ出した。


 ◇◆◇◆◇


「というわけで少し強行して進んでは見たが、廃墟があったな」


 ここだけ交配した未来的な建物が多くあり、壊れたロボットがエネミーとして現れる。レアモンスターと言って良い存在にプレイヤーは喜び、進んで狩りに出向き、中の探索を進めた。


「どうだ?」


「お宝の山ですね。昔の記録、病魔に関することが書かれてます。これウチのページに載せて良いですか?」


 ハカセはそう言い、図書館組はなるほどとか言いながら本を読み、スキルを覚えられそうな本を集めたりしている。


「少しパーツさえあれば、近未来の乗り物とか作れそうですね」


「そう言えば、鍛冶のスキルMAXは開発とかになってたな」


「錬金術が必要ですねあと」


「ムラサメとマサムネなにげに覚えてたな。マーリンが勝手に仕込んでたはず」


「スミスさんも覚えてましたね。これは彼らに頼むしかないけど……えっ、ロボットとかそういう乗り物作れる?」


 夢広がるなと思いながら、それ以外に何かないか調べるが、ボスらしいロボットがいるだけでなにもない。


「いまは素材集めが先だから、あの先を調べるのは後だ」


「ガーディアンでしょうか? 入口を守ってますね」


「ああ、とりあえず無視だ無視」


 そんな話し合いをして、神技に回そうと思う。全てのボスを俺が倒さないといけない気もするが、いまでは無いと撤退する。


 魔法剣、抜刀術、闘気術をそれなりに上げないといけない。そう感じながら船の方に戻った。


 ◇◆◇◆◇


「あっ、お帰りなさい時計兎さん」


「ユニか。本土から戻ってきたのか」


「いっや~本土の方も進んでいまして、可愛らしいテイムモンスターなどたくさんいましたよ。そろそろ島も最終局面ですが、出て来たのはロボットですか。テイムできますかね?」


「あとは火山地帯がもう一部だな。そこが済めばこの島は開拓完了だ」


 そんな話をしながらマーリンが入ってくる。


「ただいまーいい人らがいたから呼んだよー」


「……マーリン、あまり人を勝手に呼び込むのは止めた方が良いですよ。レベル体を気にしないと、回れるところが限られますから」


「生産職系を中心に呼んだから問題ないし、いざとなればデートちらつかせて兎君に許してもらうから」


「あのな」


 時計兎は呆れながら、ウインクするマーリンにユニはため息をつく。


「リアルでもこうなのか?」


「リアルはここまで酷くないですよ。本気にされたら困るから。ぶっちゃけ見た目通りこの人美人で、他校からラブレターやファンクラブあるくらいですから。正直私やジャンヌもあるんですよねその辺り厳しいのに。まあ私は妹とかロリ系の方が、クール系やお姉さん系がジャンヌ。老若男女でマーリンがモテますね」


「そうなのか」


「そんな私とデートだ、泣いて喜ぶと良いよ♪」


 確かにアイドル並みにスタイル良いし見た目も良いからな。まあそれでモテる故の苦労はあるみたい。マーリンもうまく楽しんでいるらしいが、そういうのより動物好きのユニや、優等生のジャンヌは苦手と言ったところか。あとはジャンヌは双子ちゃんがいるからその辺り気にしてそう。


「とりあえず新規プレイヤーを何人か連れて来たから鍛えてくれたまえ、私も鍛えるから、図書館と協力よろしく」


「はいはい」


「投げやりだな~私よりロザリオ君の方がいいのかにゃ?」


「ああ」


 即答にぶーたれながら指で突くマーリン。即答は傷付くぞ~と言いながら、悪かったよと時計兎は流す。ユニは付き合ってられんとスクショアルバムを眺め出す始末。そう言ったりして談笑するのであった。


「ふう、お仕事終わり」


「果物ジュースでも食堂でもらおうかのうムラサメや。ワインもいいが、ゲームの中で飲むのは考えないとな」


「? そうですね?」


 首を傾げるムラサメと共に完成して料理人プレイヤー達が働く食堂へと向かう。中央エリアにも初めての店を出すプレイヤーが現れ、人を招く準備を着々と進める。


 そんなとき、顔を真っ赤にしながら手でパタパタと仰ぐロザリオがいた。


「まさかその、本気なのかな?マーリンの方が綺麗だ思うけど、男の子ってボクみたいな子よりもマーリンとかの方が良いよね………なら兎さんはどうして………」


 ぶつぶつなにか言っていて、ムラサメは挨拶しようとしたがスミスが止めた。いまはそっとしておこうと言って。


「若いのう。孫もそろそろ島に来てもいいらしいし、大変だが呼んでもいいか頼んでみるか」


「お孫さんですか?」


「おおっ、人間だが孫だよ。どうするか話し合う気じゃとも」


 そんな話をしながら、各自が好きに過ごすのであった。

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