第43話・奇跡への偶然
パイプを連携、直して温泉を流す。その後は下山をして聖樹エリアに舞い戻る。
「お帰りなさい」
「なぜここにいる」
ユニがいの一番に出迎えてリトルケルベロス達は嬉しそうにはしゃぐ。牛乳や山羊の乳、そしてミケがスタンバイしていてミルクタイム。下山した双子ちゃん。ライトちゃん死に戻ったけど大丈夫?
「貴重アイテムのロストはしてません。お金は半分になりました~」
「なにがあったの?」
「動画見てたので分かりませんッ」
そうかライトちゃんのルートは気を付けないといけないな。今度そちらに向かうとするか。
シルクスパイダー達も引き連れて、糸による生産ができるかお願いしてみる。リーフベアは嬉しそうに彼女?達を聖樹がある場所に招いた。
「むっはーお隣さんができたぞ~」
「もうすぐ人も住むようになる。昔のようだぞ」
「山の主の伴侶がここにいていいのか?」
「山の主の伴侶?」
そう言われてマザーを見る。マザーはなにも言わず子供達の面倒を見る。
火山地帯になにかあると感じながら、いまは彼らを引き連れて新しいなにかができないか確認する。
火蜂達もたくさんいて花の蜜を集め出して、料理人が歓喜した。これで蜂蜜産業できるぞ。
すぐに建物など畑の手入れを始める。果樹園が良いかと話し合い、町として発展が始まる。
◇◆◇◆◇
「ロザリオ、もうこっちに来てたのか」
中央エリアといずれ呼ばれる聖樹、港エリアを繋ぐエリアでは女神像を中心に開発が進む。
巨大な立派な教会を作り、それを中心に町を広げる計画。果樹園もあり温泉もあると言う町作りに、生産職のプレイヤーは嬉しそうに活動していた。
「うん、そろそろホームをこっちに持ってくるって話だから」
そうなのだ、日本屋敷をこっちに持って来てこの辺りで住む予定。すでに場所は決まっていて、引っ越す前にこちらに来て生活に慣れておこうとしている。
抱っこ紐に二つの卵を入れて、お母さんしているロザリオ。時計兎は微笑む中でライトとレフトが近づく。
「ロザリオお姉ちゃん」
「卵ちゃんはどうですか~?」
そう聞いて近づく二人に、ロザリオは神妙な顔になりライトを見る。
「ライトちゃん大丈夫?何も起きてない?」
「はい?」
首を傾げるライト。ライトは何も起きていないので首を傾げたが、
「一回死に戻りしましたけど、開拓者ですから。一回二回は仕方ないですよ~」
「ううんそうじゃなくて、いやなものに遭わなかった?」
その言葉にプレイヤーは首を傾げ、ロザリオは気を付けてと呟く。
「それはきっと良く無いもの。敵対する時は倒すしかないんだ」
「はあ………」
首を傾げながら時計兎は山の方を見る。
なんとなくやなイベントがあるのかなと思いながら、火山を見つめていた。
◇◆◇◆◇
ムラサメとミスタースミスは良きライバルとして活動して、お互い人が行き来するだろう中央エリアに拠点を移して活動していた。
ムラサメの弟であるマサムネは錬金術と鍛冶を鍛えて、ムラサメ自身も錬金術を学び日々精進している。
釘やらなんやらを作る中で、ムラサメは新たな日本刀を作ろうとしていたが………
「くうぅぅぅぅぅん………」
「兄さんがまた悩んでる」
なかなか性能は上がらず、いま時計兎が装備する刀くらいの性能しかない。そう簡単に壊れ性能の武具ができるはずもないのだ。
スキルも上げたりする。魔法の本を読んで少しずつ上げている。バンダナ達も簡単なものを学び、進化している。
それでもどんな風にするべきか分からず、魔鉱石を無駄にするわけにはいかず、少し気分転換に町になっていく街並みを見ながら散歩する。
「わんわーんわん」
町を歩いていると聖樹エリアまで足を伸ばして聖樹の下に来る。ここはいまはシルクスパイダー達、ケルベロス達の巣としてリーフベアと同居している。
いま
「わん?」
するとマザーがこちらに来てこちらの匂いを嗅ぐ。リトル達も真似をして一斉に嗅いで来る。
「汗臭いかなあ?」
そう思いながら浴室と言う物ができたと聞いたので少しお湯をもらおうと決めたところ、ぼとっとなにかを渡された。
「わん?」
それは一本の角。かなり大きく力強いオーラを感じる。
「これは?」
「………わん」
「はあ、あの人に使ってほしいと?分かりました、これで良い武器を作ります」
マザーから託された角を使い、魔鉱石と組み合わせて一本の刀を打つと決めたムラサメ。
オーラを纏い、強力な武器を作ると宣言した。マザーは静かに目を閉じた………
鍜治場に急いで戻る中、角をもう一度見るムラサメ。
「凄い武器ができそうだけど、これだけじゃダメな気がするぞ」
ムラサメはなんとなくそう感じ取り、オーラを見ながら静かに考え込む。
「おいコボルト君、道の真ん中に立ち尽くすのは危ないぞ」
「あっ、ごめんなさいです」
「いやいいよ、いまは休憩中だからね」
もうすぐ夕飯だから早く終わらせないと。そう呟く開拓者にもうすぐ夜なのに、おかしなこと言うなと首を傾げながら、カツ丼が木材を持ってとあるところに向かう。
向かった先にある物。石像を見てぽんっと閃いた。
「そうだ、あれを組み合わせれば凄いのができるかもしれない」
そう言ってムラサメは早速頼むために彼女の元に急ぐ。善は急げと走り出す。
その様子を見て
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