第42話・昔見た子が多い

 スキル獲得を新たに獲得して、火山山頂を目指しながらスキル習得を新たに確認する。


 スキルは武器などの物を持つ、物を使ったり読み込んだり、スキルのレベルを上げたりすると習得する。刀術は刀で敵を倒し続けると習得するなどがある。そろそろ戦闘面で習得するスキルを考えて行動しないといけないかな?、


 火山エリアを登り山頂へと向かう。まずは聖樹エリアへ一直線で下山できる位置まで登ろう。そこから聖樹エリアへ向かうように下りる気だ。そうすれば温泉を見つけられるはず。


 白薔薇と二人、白薔薇は無表情だが嬉しそうに歩いている。


「わん」


 せっかくだからクロも連れて尻尾を振り炎地帯を楽々進む。オーブは集落方面からカーバンクルの住処に行けるか実験中。そちらはマーリンが担当してる。


【レフト】「こちらレフト、適当に火山エリア探索。可愛い無し」

【ライト】「こちらライト、右に同じく」

【コックマン】「こちら島の料理班。白コショウ製作成功。来てよかった」

【エタる】「コメント報告ってどこでもやるよね」


「だね。結構役に立つ」


 料理人プレイヤーが島の食材で料理開発したり、それを動画にしたりして人気を出して、島関係の動画に人を呼ぶを繰り返す。


 建物製作も同じだな、いま聖樹エリアの建物の修理経過を報告する動画が上げられている。


 とりあえずモンスターは白薔薇が一撃にしたり、俺が一撃だったり攻撃力に振り分けたステータスが物を言う。


 覚えたてのスキルが2になり、じっくり休みながら育てることにしていく。行けるところまでたどり着き、火山山頂にたどり着いた。


「えっと、地図的に聖樹エリアの方角には何も無く、反対の方になんか機械的設備発見。他はどうですか?」


【レフト】「発掘ポイント発見。発掘中」

【ライト】「洞窟を発見、火山内部へ進行中」

【スズカ】「オーシャンウルフ達に海の物を取っていただき、料理の範囲を広げてます」

【三郎】「部屋をいくつか修復完了。建物として機能を回復しました」


 なら俺は予定通り、聖樹エリア方向に足を向けて下山しよう。


 その前に周りの採取ポイントなどで採取などすると起爆する岩とか、火薬に使えそうな草とか手に入る。起爆する岩、爆石岩はトラップみたいだな。採取ポイントに変なことすると爆発が起きるし、火薬花は火が点きやすい。


 色々使えそうだからある程度回収して下山。少し道は無いが問題ないだろう。


 そうこうして進むんで居ると洞窟とパイプを発見。パイプは洞窟に進んでいるから中に入ることにする。


 ………

 ……

 …


 少し蒸し暑いと感じる洞窟の中、白薔薇は戦斧を持って進む中でなにかの物音を聞く。


「主、奥に何かいます」


「戦闘たいせ」


「わんっ♪」


 なんか嬉しそうに鳴くクロ。すると奥からわんわんと言う鳴き声が響きて来る。


「なんだ?」


 奥から見たことある顔の犬が現れ、視聴者達、特に『幻獣愛好家クラブ』の面々は悲鳴を上げた。


「うわ、リトルケルベロス」


【ライト】「えっ、可愛いキタ?」

【ユニ】「すべて持ち帰ってください」

【カツ丼】「手の者の反応が早い」

【エレナ】「可愛いです~♪」


 うん。ユニは全体の指示で忙しいだろう? いろんな人が可愛いと反応していた。


 小さなリトルケルベロスがたくさん現れ、クロにすり寄っている。クロは嬉しそうに良し良しとあやしていた。


「これは………」


「主っ!?」


 その時に奥から巨大な蜘蛛が現れ、それと共に小さな蜘蛛も現れる。


【ユニ】「………ありかなしか審議します」


「出て来る全てを話し合わないでくれ」


 蜘蛛の出現。鑑定結果、クイーンシルクスパイダーとシルクスパイダーであり、緑豊かな森の中に住むモンスターだが、時たまに岩石の山や洞窟に巣を張り暮らしている。


 糸は魔力を帯びて居て高く評価されているとのこと。クイーンが現れたらリトルケルベロス達は尻尾を振りながら飛び跳ねている。


「お前がその子達の母親か?」


【シャー】


 まるでついて来いと言わんばかりに奥へと進む。白薔薇に警戒したままついてくるように指示して奥へと進むと湯気が立ち上る。


「温泉の地底湖って感じだな」


 温泉が湧く洞窟の中、僅かな緑があり、蜘蛛達が奥へと進む。


 機械的な装置もあり後で調べようと考える中、奥へと進むと火蜂と言うハチのモンスター達も居る。そして大きなケルベロスが横たわっていた。


「これは」


『マザーケルベロス』


 火の魔力を纏う獣の女王。鎧のように纏う魔力により攻撃は阻まれ、敵対する者を煉獄へと誘うだろう。多くの魔犬の母。状態:瀕死。


 そう出て居てリトルケルベロスは泣きそうな声で鳴く。


「こいつは」


【シャー】


 治してほしいのかそう叫ぶ。マザーケルベロスは血まみれであり、糸らしきもので止血している。


 顔を傷付いており、角は左端の頭部以外折れて居て真ん中以外顔が傷付いて横たわっていた。


「くぅ~ん?」


「わんわん」


「わんッ」


 クロは何か話した後、期待する目でこちらを見る。そんな目をするな。


【ライト】「死に戻りました、いま向かいます」

【レフト】「ロザリオさんを連れていけばいいですね。いま火山に落ちます」

【ユニ】「我々でお母さんを助けるぞ」


「待て、手はあるから待って」


 これは本当ならロザリオとかに使いたかったが、あの子ならここで使ってと言うだろう。


 聖なる雫。貴重なアイテムを取り出してマザーケルベロスに使用することに。


「良いんですか主?使ったとしても主の配下になるとは限りませんが」


「クロの同胞だ。仕方ないさ」


 薬を取り出して、マザーケルベロスに使用宣言。光が辺りを包み、狼の雄たけびが響き渡った。


 傷が癒えて角も新たに伸び、元の姿に戻るマザー。


「わん」


「きゃん」


 嬉しそうに飛び跳ねるリトルケルベロス達。俺に顔を近づけてその頭を下げる。


 辺り一面が緑マーカーになり、全員お持ち帰りが決まった。

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