第23話・依頼達成の報酬は?

 色々隠したかったけど仕方ないと割り切る。


 合流したところ向こうは向こうで激戦している最中だったようだが、被害は無く倒す事はできた。


「むっはーありがとなのだ~」


「皆さんを聖樹の間に案内する~」


「こっちに来て欲しいのだ~」


 奥の方に行くと廃屋の奥、遺跡のような作りの入り口を通り巨大な木が生えた洞窟に入る。


 天井は開いており、日差しが差し込む中に巨大な木が生えていて、回りは光苔のようなものがたくさん生えている。綺麗な水が根の間から流れていて、そこからリーフベアがたくさん現れた。


「よかったのだ~」


「助かったのだ~」


「ありがとなのだ~」


「テイム可能ですか?」


「待っててね、もうここにいる時点で王国の住人だから」


 そう話していると住人が増えた結果SP3P入った。どうやら彼らはこのまま住むらしい。


「セーフエリアはここを含めたこの建物らしいね。このまま開拓かい?」


「ああ、建物の中を見ておこう」


 リーフベア達はその場に残るよう。ちなみに建物を整備してここに住む話をすると喜んでいた。時間も少し押しているので建物の内装などを確認する。


 建物はどうも研究施設兼研究者の住処らしい。研究対象は聖樹で日記を見つけた。


 ◇◆◇◆◇


 獅子月火精日


 今日から住み込みで働くことになった。と言う訳でルーティンを作る為に日記を付けることにした。


 まずは研究対象がすぐ側にあって楽だな。現れるリーフベアも温厚な性格で人懐っこい。普通にホテルとして機能できそうな場所で少しワクワクしてる。


 乙女月月霊日


 働いて一か月過ぎた頃、この島の南側で魔鉱石が発掘される。温泉も引いてるし、なんでもあるなここ。


 魔導人形も整備用のカプセルを側に設置して働かせる気らしい。他にも火山の研究室に設備を置いたようだ。


 嘘か本当か、上はここを交易場やテーマパークにしようとしているらしい。すでに気候に合う果物などを育ててるし、触れあいコーナーになる入り江に手入れが始まった。どうなるんだろうこの職場。


 天秤月木精日


 狼とか多いなー


 上はここを動物ランドにする予定らしい。港町もてこ入れが入り、一般の人が来られる準備し出した。


 リーフベア達も人が来る事を喜び、何時来るか楽しみにしてる。


 蠍月金精日


 カーバンクルとか発見された。本土では絶滅された生物で、本格的に保護団体が島の生態系に首を突っ込んで来た。危険なモンスターも居る中で動物ランドって………上の考える事は分からない。


 射手月水精日


 動物ランドが大成功した。マジで?


 リーフベアを筆頭にオーシャンウルフやフォレストウルフが人気を博している。危険だから立ち入りを制限してケルベロスの住処も展示してるけど問題は無い。


 ってかいつの間にか俺らの仕事になってる。火山本部の方もケルベロスなど現地モンスターの管理してるし、給料上がらないか聞いたら上がった。俺らって研究者だよね?専門はリーフベアだけだよね? 彼らマスコットとしてテーマパークで働いてるんだけど、いいのかなあ?


 山羊月土精日


 本土の方で大規模な病気が流行っていると噂がある。人も北西エリアに住み着いているから、そこに避難する人が増えている。せめてリーフベア達の家である聖樹の洞窟は守らないといけない。


 ◇◆◇◆◇


 日記はここからは朽ちているために読み取れない。


「ここ初めから動物ランドかい」


【カツ丼】「草w」

【一服野郎】「初めからこうなることは宿命だったとw」


 だがコボルトとか出てこない。後からは前々からは置いておき、他に書いていないだけで他にも住んでいる内容だ。船でもあるのか港町がある感じで、火山の方に研究所の続きがある様子。


 それ以外は書庫があり、中に上級魔法に関する水と火、風が見つかったのは研究所だからか? 土もここで手に入って2冊ある。他にも図鑑などがありスキル取りなどに役に立つ。


「ここの人、荷物とか置いて行って、なにしたんだろう?」


「それは分からない。分かったのはここから北西エリアに人が住む場所が作られたことと、火山の方に研究所があることだけか」


 まあそれは後回しだ。


「さすがに本土の方でイベントあるしこのエリアだって、調べたり開拓しないといけない」


 となるとやる事は多い。いまは進むのはやめて、ゆっくりするべきだろうな。まだ樹海エリアも開拓が済んでないし。


「「分かりました」」


「それじゃ、本持って一度ホームに帰還?」


「その前にコボルト達に武装強化の指示」


 良い素材が手に入ったからね。アサルトベア達や進化種や変異種の皮。良い鎧とかになると思うから彼らに頼みたい。


「魔鉱石を解禁して、装備整える」


「おお、私はミスリルの杖が欲しい」


「あっ、私も杖が欲しいです」


「私はオーブちゃんのアクセサリーが欲しいです」


「それじゃそれで行こうか」


「やたっ」


「オーブちゃんのは良いな~」


 そう話し合いながらリーフベアにまた来る事を伝えたが、何匹か樹海エリアの開拓地へとやってきて、そのまま帰還する。


「お帰りなさい」


「ただいま」


「「ただいまです」」


「そっちは何事も無くてなによりだよ」


 マーリンにそう言われてロザリオは微笑む。白薔薇はふうと一息ついて、俺はまずはなにから話すべきかを考えた。

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