第3章・昔の知り会いとポイント祭り
第17話・貯まり始めた仕事をしよう
ホームに戻ると突如ロザリオがうへえと言う顔をする。
「勝つためとは言え、やり方は無いの?」
「勝たなきゃコボルト達が死ぬ。なら俺は如何なる手段を使ってでも勝利する」
たぶん称号の所為でなにかしら反応が変わったのだろうが、俺は間髪入れずにそう答えておく。
「……うんそうだよね。兎は女神の加護があるけど、コボルト達は違うもんね。ごめんなさい」
どうやら納得してくれたようだ。
「気にしなくていい」
【レックス】「違う、この人の準備はコボルトの為じゃない」
【ナイト】「騙されないでロザリオさん、この人は外道なんや」
【ユウ】「ですが事実コボルトの為になっているのでありでは?」
称号の効果を確認。うん、STRに補整が入り、経験値が少しプラスされる。だけど一部NPCが反応変化するって。騎士NPCとは仲良くできないだろうな。
【一服野郎】「外道な手を使い放題でしたからね」
【疾風】「殲滅者よりいいんじゃない?あれってNPCには嫌われるだけだもん」
【カツ丼】「アウトローな人達には受けが良さそう」
「帝国よりの称号ですね」
【ユウ】「あなたが言うかw」
【テッキ】「この後はどうする?」
「エリアの確認したいですが、予定が貯まり過ぎてるから消費ですね。料理と鍛治と手に入れた物の栽培期間です。申し訳ないが戦う動画はしばらくお休み」
【ミスタースミス】「武器や防具壊れているしのお」
【ビビンバ】「ゆっくり休め」
「とりあえず」
「――♪」
嬉しそうに浮かぶ精霊族のシルフと出ている。風の精霊であり、世界中を旅していて一か所に居続けるのは稀らしい。
テイム可能と言うか青マーカー。NPC扱いらしく犬達をモフったりしてる。
「精霊魔法は彼女達からなにかすればいいのか?」
【ハカセ】「検証頼みます」
【オウル】「こっちでも精霊探してみますよ」
そうしてくれ。とりあえずシルフに精霊魔法を使えないか聞くとなにかを要求してくる。なんだろうと思い、ストレージからいくつか取り出すと魔石を持って行く。しかも拳くらいの。売るとそこそこの値になるね。
コメントも必要なのは魔石で大きいのとメモる中、いまはそれで終わる。
「鍛冶師コボルト達に依頼だ。鋼の盾や鎧、直剣や斧の生産。俺も手伝うからこれを優先。残りは手に入れた作物を庭に埋めて育てる」
「はい。集落にもですね」
「ああそうだ。マトマの実には絡みつくように棒を用意しろよ」
「分かりました」
後はコックコボルト達を集結させる。大豆と胡麻が手に入った。これで油と醤油や味噌が手に入る可能性があるが意外とこの島、居心地良いぞ?
南国でも品物が揃い過ぎている。本土と近いからかプレイヤーが来ることを想定されている感じがするな。
「その辺も調べないと。フォレストウルフは?」
「ここまで来たのは数匹、残りは樹海エリアにいます。呼べば来ると思います」
フォレストウルフは樹海エリアのセーフエリアに居そう。早めに能力も確認に行かないとな。それまでお預け。
とりあえずやる事を決めてから明日に備えてログアウトした。
◇◆◇◆◇
翌日ログインすると鋼の組み合わせてはできたらしい。魔鉱石2割、鉄鉱石8割で良い武器が作れるらしい。
「これが戦斧です」
「どれどれ」
鑑定で【鋼の両手戦斧】を見る。俺には無理だが白薔薇なら装備可能。耐久値は鉄の長剣より高く、この手の武器だとAGIにマイナス値が付くがそれは無い。威力と耐久に優れた斧に満足のいく出来である。俺が作るより良いかも知れない。
これで盾と直剣、鎧と製作に入る。もう俺の手から離れて行ったよ彼ら。後は料理人を集めて料理を作る。
ごま油、砂糖はなんとか作れたが味噌と醤油は製作した樽に入れて待ってみる。失敗の可能性が高い。
味噌と醤油以外は数を揃えるのに時間がかかる。畑の方はしっかり機能していて時間の問題。
樹海大蛇の皮を使ってベルトを作る。HPなどにプラス値が入り少しはタフになる。
前に出るコボルト人数分を作り、様子を確認する。
「はい、ビックストライクボアが復活していません。鳥を見かけるようになり、矢作りに専念できます」
鳥は簡単な鳥モンスターであり、本土にもいるタイプだ。初心者が相手するドロップアイテムも美味しい奴だ。
ビックストライクボアは復活する可能性があったがそれは無く、今度は樹海大蛇に警戒だ。ネームドもエリアボスも復活する時があるから。ゴブリンは無いようだが別の所で現れ出すかもしれない。
鋼の直剣ができた。鎧と盾は良いのを作っているらしいが直剣は良いのができたのですぐに持ち込んだらしい。いいぞ良い感じだ。
「刀も行ける気がするな」
「かたな?ですか?」
コメント欄もコボルトに刀を作ってと言う話題が出て作り方や形を教える。眉間を揉んでいるがとりあえず試してみるとのこと。
牛が増えて牛乳の量が増えたらしい。バターを作るようにバターを試しに作りコボルト達に教える。一度でも俺が作れば作れるようだ。
どうもNPCに頼れるところは多くある。武器の生産はもちろんだが料理も助かる。ジャムの作り方も教える辺りで料理スキルが上がる。
シルフがなにか持ってきた。精霊石と言うアイテムで風属性らしい。
「とりあえず持ってみたが、後はスキル欄にあるか……あった」
【ハカセ】「精霊魔法は精霊石の入手が必須のようですね」
精霊魔法を取………
「9Pっ」
少し悩んだが取って使用できるか確認する。
シルフが剣を構えて念じる仕草を取るので剣を取り、バフをくれと願う。
風が渦巻き魔法である【風壁】が張られた気がするが違うようだ。
試しに色々したが動きが速くなってる。少し重くなった直剣も片腕で軽々振れる。
「風は敏捷強化に重力、いや重量軽減か?」
これは良い、いずれ魔鉱石装備で固めるが動ける事は良い事だ。庭で色々試しているとロザリオが慌てて二階から下りて来る。
「生まれそうッ!」
「なに?」
ミケが慌てないわ、私の坊やが出て来るのと言う顔で卵の前を陣取り、居間の畳の上に置くロザリオ。
卵に亀裂が走り中から現れたのは三つ首の犬。
【レフト】「可愛い増えたーーーーー」
「「「わん」」」
黒い小さな犬であり角が生えている。名前はリトルケルベロス。レアモンスターですね。
「可愛いな~」
「わん」
ロザリオに懐いているが俺はどうだろうか? 俺も頭を撫でると嬉しそうにしている。俺の子扱いで調教が上がった。
しばらくロザリオがリトルケルベロス。『クロ』と戯れて時間を過ごそう。
なにゆっくりする時間はあるだろうよ。攻略を方針にしてないしね。
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