第14話・撤退する時もあるよね
鉱山の山を駆け登り、東側のエリアを探索する。
「島の中心を見るに、南西エリアを主体に解放してるな」
島の中心には大きな煙を出す山がある、おそらく活火山。そこからカーブを描くように南西にエリアがある感じ。東、北東を意識して進みながら歩く。
北側に進むと崖や山脈の終わりであり、また密林の森が広がっていると言う形。歩みを進めて、地図を脳内で作るしかない。紙が欲しい。
「しかし、ロックゴーレムを倒しながら発掘したら、石灰岩が手に入った」
【カツ丼】「天がサトウキビの砂糖を作れと言っておる」
【疾風】「塩は海から取ってるから、調味料は揃ったね」
【ナイト】「味噌と醤油は~?」
「無理言うなよ、大豆はこの先の森林で見つけるしかない。後はレベル上げしながらだな」
そう言いながら、纏まったところで鉄槌で粉々に砕く白薔薇。彼女のおかげでさくさく進み、怪我はロザリオが治すと言う繰り返しで進んでいる。
「なんだか暑くない?」
「火山に近づいたか?」
ぱたぱたと手であおぐロザリオ。俺もなんか暑くなり、フレイムドックと言う新モンスターが出て来た。彼奴は火山地帯で見たぞ。
「火山地帯に入ったか。彼奴らは火を噴いて、装備の耐久力を削る。コボルトを主体に剣で攻撃」
「はいッ」
まだ鉄槌しか無い白薔薇は後ろに待機して、俺とバンダナがフレイムドックを倒す。こいつの皮や牙は耐熱素材になる。
凸凹の地形になってきて、足場は完全に岩になり、発掘しながら部隊は進む。
「………全員そろそろ警戒態勢」
「わん」
身を低く、音を立てず、周りを警戒する。
何か巨大な物が巨大な何かを食べる音が聞こえてきた。
【ミント】「ドキドキ」
【侍ハート】「なにかおるぞ」
岩陰に隠れながら進むと、そこには巨大なモンスターを狩り終えて食事中の鳥モンスターがいる。
大きな鳥で、コンドルとかそう言った獰猛な鳥と言った感じであり、燃えている。
羽根と鬣が炎であり、クチバシで肉を突き、炎を吐いて炙りながら食事していた。
ハンドサインで待機を命じて、鑑定を発動する。
『クリムゾンコンドル』
獰猛な肉食鳥であり、炎を纏いながら飛ぶ。炎を口から吐き、近くにいる者を炎で傷つける空の狩人。
こりゃ駄目だ。初見で倒す者では無い。対戦してパターンを知るタイプ。
ハンドサインで撤退を指示して、俺は食事風景を観察。
ここからは俺だけがクリムゾンコンドルを観察して、パターンなり戦闘手段を調べなきゃいけない。
俺の採ったアイテムをロザリオに渡して、彼女達が撤退するのを待つ。
「気を付けてね」
頷いておき、しばらくは観察時間です。コメントの人は好きにどうぞ。
◇◆◇◆◇
水を飲まず、クリムゾンコンドルの行動の仕方を観察する。
食べ終えたらその場から空に飛んで立ち去る。ちなみに食っていたのはアーマータートルと言うモンスターであり、観察と解体をして甲羅をゲットした。
空は黒煙で雲っており、火の粉が舞う中をゆうゆうと飛ぶ。
(空を飛ぶとなると矢になるが、熱気から見て木の矢はダメだ)
炎を纏って飛んでいる為、すぐに色々考察が始まる。コメントの中にも水魔法が良いとかなるが、こりゃ水より【石礫】だな。
投擲は投げ斧などでダメを稼いで、石礫で攻撃。接近したら白薔薇が重いのをする。スリップダメージがある可能性があるから、リジェネするポーションがあればいいけど。
試しに聞いたらあるって、笹が材料なのを知り、即座に採用。
時々何かに気づくようにするが、気配遮断がまたレベルが上がり、すぐに意識から外れる。遮断レベは5が最低だな。
そうして後を付け回す動画になり、レベルは最終的に6になった。
「さてと、そろそろ行動するか。けどなにしよう。実のあることしたい」
【三郎】「石を投げる?」
【侍ハート】「矢を試して見ては?」
【カツ丼】「いや、弓術無いから届かない」
投擲でどうにかするしかないか、と思っているところで、発掘スキルで発掘ポイントがあった。なんかマグマの真ん中にある小島のところ。なにかある。
「あれ回収しようと思います」
【疾風】「攻撃しないw」
【ナイト】「なんかありそうですけどね」
【ハカセ】「良いの手に入る事を祈ります」
最後にサムズアップしてから行って来よう。たぶん振り下ろした瞬間にタゲられて追いかけられるな。
俺はストレージからツルハシを取り出して、見つかるのを無視して助走を付けて高く飛び、マグマの孤島に降りてツルハシを振り下ろす。
カキーンと鳴り響く、何か綺麗なおと。なにここ、レアスポット? そう思いながらまだ時間がかかる。
クリムゾンコンドルは俺を見つけた。
「掘れ掘れ」
それを無視して、大急ぎで掘る。時間かかり過ぎじゃないか?
そう思っていたら、黒い黒曜石のような艶を持つ赤い宝石がついた大き目の石が採れた。オーブみたい。
そして炎の火球が激突して、回収して走り出す。
「熱ッ!?三分の一削れたのはまずい」
そう言いながら持って走る。このドッジボールと言うか形的にラグビーボールなんだろう。
石を投げたら火の粉が舞った。やっぱ木製武器はダメだ。
こうして大きな何かを持って、鉱山エリア探索は幕を閉じた。しつこいなクリムゾンコンドル。
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