第3話・見られている中で活動する

 鉄の直剣を片手、木の盾をもう片手に持ちながら、鑑定スキルを使いながら探索する。シーダケと言うキノコとホワイトベリーと言う木の実を採取しつつ、モンスターと戦う。


 ビックマウスと言う猫くらいのネズミであり、Lv1のエネミーだ。初心者が相手するモンスターの一体だ。牙落とさねえかな?


 気を付けながら戦う。できる限り初心者の短剣があるから良いが、耐久値が減れば直さないといけない。β版のプレイヤーの活躍のおかげか、鉄鉱石が色々な国に回り、鉄製の道具など安く売られてた。


 二、三度攻撃を放てば倒れるモンスターに、解体を使い、お目当ての牙が手に入る。


「満腹値もあるし、料理スキルも取っておくか」


 ステ振りはまだせず、スキルを1ポイントで取れるのは取っておく。よほど珍しい物や、スキルレベルが上がり、取れる上級スキル以外なら問題ないだろう。


【レフト】「こんにちは」

【ライト】「こんにちは」


 おっと、人が俺の配信を見に来た。ミーチューブでVの人とかもいるはずなのに物好きな。


「こんにちは~」


【三郎】「乗り込め~」

【テッキ】「未開拓エリアスタートの人はここか~?」


「あっ、未開拓エリアスタート見に来たのか」


【レフト】「そうです~」

【ライト】「お兄さんはβ版の人ですか~?」


「ああそうだよ、先行できる場所まで先行して、セーフティにホーム建てた。来られたらよろしく~」


【ビビンバ】「よろしく~」

【カツ丼】「よろしく~」


 それからは無難に会話しながら、森を探索する。探索フィールドを見る事が目的であり、実況メインではないからか、そんな見せプレイを求められずに済んでいる。


 意外にもマナーの良い人達を引いたのか、彼らもそれほど求めていなかった。


【レフト】「マナー悪い人はほんと悪いんですよ。お兄さんも知ってると思うけど」

【テッキ】「ああ帝国の」

【ライト】「あの問題児ギルド、保護者いなくなって好き勝手にしてます」


「保護者?」


【ライト】「レイドって言うプレイヤーですね」


 うん俺だね。


 話を聞く限り、大多数のプレイヤーがいなくなったが、それでも周りに迷惑をかけながら突き進んだ実績は確かであり、新規加入のプレイヤーはいたそうだ。いまは【紅蓮の獅子戦記】と名乗っているらしい。


 しかし彼らのマナーの悪さは治っておらず、新しくキャラクリして一から始め直した俺と同じプレイヤーでも、少しでも元ギルメンと分かるとしつこく戻れと命令するらしい。


 だがほとんどのプレイヤーは耳を貸さず、GМコールで凍結を食らった。それでやめようとするプレイヤーが出たが、彼らには脱退資金を命じたりする始末らしい。


 善良なβプレイヤーはいる。ギルド【神技の騎士団】と【黄昏の乙女】や考察ギルド【賢者の図書館】やテイマーギルド【幻獣愛好家クラブ】が守ってくれているし、他にも生産職ギルドが手を貸してくれている。すでに彼らは多くの生産職ギルドを敵に回ているらしい。


 アイテムの一部引継ぎがあるのだが、その引継ぎの為に彼奴らは生産職ギルドに支払う対価を出し渋っていた。俺が全て肩代わりにしたんだっけか。


 お世話になった人には時計兎でやる事を伝えているし、その内に顔を出せたら出しておくか。


 そして一通り見て回り、ホワイトベリーとミミンの木と言うのを発見。ミミンの木はミカンのようで、小さな植木があるので、持ち帰れないか周りを掘ってストレージに入れた。いけるんだね。


 周りの人達もそれに反応したりして、果実が二つに薬草と竹の笹を手に入れた。採取して鑑定したら包帯変わりになり、素材として使用可能らしい。


【ハカセ】「これは図書館のみんなに報告案件ですね」

【ビビンバ】「意外と大手ギルドが見に来てるw」

【レフト】「草w」


 途中でLv3レベのゴブリンが三体いたが、背後から奇襲してやった。


『気配遮断のスキルが上がりました 1>2』


 背後からカブト割りで最後尾の奴を斬り、すぐに叩き付けるように峰でフルスイング。他のゴブリンにゴブリンをぶつけるようにして叩き付けた後、即座に突き刺す。クリティカル判定でまとめてキルよ。


【ライト】「動き早っ!」

【レフト】「さすがベータ組」

【カツ丼】「草ww」

【ビビンバ】「普通に実況者になれるんでないw」


「いっやーそれしてる人いるけど、コメント返しながらは無理」


『レベルが上がりました 1>2』


 解体で換金アイテムの魔石と金づちが手に入った。こんなん持ってるんだな。後は錆びて折れた剣。


 もう少し奥へと進むと、山肌を見つけた。岩壁だな。


「この色、鉄鉱石があるかな?」


【テッキ】「鉄鉱石は発掘されまくりですね」

【ハカセ】「人のいないとこですか?新発見ですね」


「だね。少し見て回るか」


 登れる入り口を発見して、サクサクと進む。モンスターは少なく、少し危険な場所だった。


「ロックゴーレムか。彼奴ら刃の付いた武器の耐久値削るからな」


 ドロップした金づちを構えて、何度も叩く。打撃系しか有効だないんだもんなこいつら。石もあるし、それでもやるか。


【レフト】「だからって拾った金づちや石で叩く人」

【ライト】「βって凄いんですね」

【三郎】「その人だけやw」


 おかげでレベル3になりました。そんな会話していると、セーフエリアを見つけた。


「なんだここ?」


【ビビンバ】「マジでどこ?」

【ハカセ】「鉱山の入り口ですね」


「未発見鉱山、昔は発掘に使われてたっぽいとこか。大発見」


 それに驚き、中を覗き込む。セーフエリアは続いているようだ。


「中入りまーす」


【レフト】「当たりだねここ」

【ライト】「人のいない鉱山は珍しい」

【ハカセ】「新種いると良いですが」


 そんなのおらんだろう。そう思い、中を進んでみた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る