第25話 ドルゴ連合国中心国
「あそこからが中心国みたいだな」
「あそこかー! 悪魔めー! 倒してやるんだから!」
「まぁ、人の被害は無いみたいだからなぁ。良い奴なのか悪い奴なのかわかんないけどなぁ」
「でも、町を破壊してるんだよ!? 悪いやつじゃん!」
「まぁねぇ」
見えてきた関所には多くのダークウルフ達で蠢いていた。
「門も壊れてて機能してないな。じゃあ、壊しても大丈夫かな!?」
「やっちゃえー!」
ブブブーン
直列の3連魔法陣が現れる。
「インフェルノレーザー」
手を視界の左にかざし、右に移動させていく。
すると、その通りに魔法陣が回転し。
ビィーーーーー ズドォォォン!!
赤い太い閃光が視界を横切る。
後から音がやって来た。
まだ、沢山の魔物が残っていた。
そこに、今度はメルが魔法を叩き込む。
「ボルケーノストームー!」
ゴォォォォォ
門の一帯が焦土と化す。
「よーし! 行こう!」
「あぁ。行こう」
門を過ぎると、所々にダークウルフ達が道を塞いでいる。
「邪魔だよ! バーニンレーザー!」
ビィーーーーー ドォォォン
「数が多いな」
ブブブブブーン
「ホーリーレイン並列展開」
5個の光魔法陣が横に並び、雨のように光が降り注ぐ。
ドバァァーーーーー
周りのダークウルフ達が次々と灰になっていく。
この数の魔石を集めるのはさずがに止めたジンとメル。
「どんどん行こー!」
「よし! 行こう!」
中心にたどり着きそうな所まで来た。
ダークウルフ達とシャドウウルフで埋め尽くされている。
「メル! 同時に4連だ」
「りょーかい!」
「行くぞ!」
「「インフェルノバスター」」
2筋の赤い極太の閃光が当たりを包む。
その魔法が通った後には魔石が残るのみ。
すると、現れたのだ。
「ハッハッハッ! あれこそは4大悪魔が1人ベルーゼである。我の下僕たちの強さを思い知るがいい!」
そう言うと同時にシャドウウルフとダークウルフの群れが襲いかかってきた。
「シールド!」
2人を包むように2つの魔法陣で囲う。
そこから、メル得意の攻撃が放たれる。
「ボルケーノストーム!!」
下には三角形の形で炎の魔法陣が設置され、上に風の魔法陣が設置される。
上昇気流が発生し、次々と空に打ち上げられていく。
「ウォーターレイン」
ザァァーーーーー
「次、セイクリッドバスター!」
ブブブブンッ
4連の魔法陣が展開され、太い光の閃光が魔物達を蹴散らしていく。
「いけっ! ブラックウルフ!」
悪魔が指示を出すと、闇属性のウルフ系で最上位に位置するブラックウルフが、3体こちらにかけ出す。
「目的の為なら多少の犠牲もしょうがねぇ!」
不吉なことを言う悪魔に立ち向かうジンとメル。
「アクセルバーニングバレット!」
ドドドドドドッ
魔法は地面を打ち付けた。
「早いわ! 当たらない!」
「シールド並列展開」
ブブブブブンッ
ザッとブラックウルフ達に避けられる。
『ガルァァ』
飛びついてくる一体のブラックウルフ。
「ふぅ。身体動かすの苦手なんだけど……」
「雷陣」
バチバチバチッ
背中に黄色く電気を帯びた魔法陣が出現し、ずっと浮かんでいる。
ダンッ バチッッ
一瞬消えたように見えたジンは気づくとブラックウルフに居た所で拳を振り切っていた。
ズダァァン
ブラックウルフが建物に打ち付けられバチバチ音をさせながら灰になっていく。
「な、何をした!?」
驚く悪魔を後目に次のブラックウルフへ攻撃する。
手をかざす。それだけでサンダーアローが10発放たれる。
ダダダダダダダダダダッ
避けられるジン。
だが、動きを読んでいた。
逃げた先に細かい雷が走る。
バリッ
『キャウン』
電気に打たれ、倒れ込むブラックウルフに手をかざし、手に雷を溜める。
バチーーーーッ
雷の太い閃光がブラックウルフを貫く。
その隙に、最後のブラックウルフがメルに向かう。
「バーニングレーザー」
サッと避けられて迫られるメル。
バチッ
目の前にジンが足を蹴りあげた状態で停止する。
吹き飛ばされたブラックウルフは建物に打ち付けられたが、足で着地したようである。
再び迫ってくる。
手刀に雷を溜めるジン。
バチィッ
ブラックウルフの後ろで手刀を振り抜いているジン。
真っ二つになったブラックウルフは灰になっていく。
「ふぅ。後はお前だけだぞ!」
ベルーゼに向かって言うと。
「いやー、参った参った。ちょっとは頑張ろうかなぁ」
立ち上がったベルーゼは……消えた。
ズドンッ
吹き飛ばされ、建物に打ち付けられる。
「ジン! 大丈夫!?」
起き上がるジン。
「ふぅ。油断して攻撃を受けちゃったなぁ」
「もう! ジン! ちゃんとして!」
「ゴメンゴメン!」
「お喋りとは余裕だな?」
そう言うと再び視界から消えるベルーゼ。
ズダァン
紙一重で避けたジンは至近距離からの雷の閃光をベルーゼの腹部に当てた手から放つ。
バヂィーーー
ジッという音を立ててベルーゼはカスリ傷を負う。
「おぉ。はえぇじゃえねぇかよぉ」
ダンッ
迫ってくるベルーゼをよく見て避け続けるジン。
「おいおい。この速さで見えてんのか?」
「残念だけど、見えてるよ?」
「まいったねぇぇ!」
ズガァァン
強烈な一撃を紙一重でかわすとそれに合わせてジンは腕を振り抜く。
バチィ
脇腹を雷が切り裂き、稲妻が走る。
「くっそ。帰るぜぇ!」
持っていた玉を地面に投げると
ブーン
魔法陣が現れ、悪魔は沈んでいく。
「じゃーな! 楽しかったぜ!」
ゲートのような魔法なのだろう。
何処かへ消えた悪魔。
「なんだったんだ一体?」
「ジン! 大丈夫!? 怪我は?」
「あっ、あぁ。大丈夫だ。ありがとう」
「消えちゃったね」
「そうだな。まだまだ、余裕そうだったけどなぁ?」
「こんなに町を壊しておいて自分は逃げるなんて…最低だね」
「まぁ、でも人に被害がないからまだ良いのかも知れないけどねぇ」
「それもそうか……」
不思議そうにさっきまで悪魔の所を見て呆然とする2人。
すると
ワァァァァァァ
周りから歓声があがる。
「すげぇよ! ありがとう!」
「君達ホントに凄いね!」
「私達ホントに悪魔には困ってたのよ。ありがとう!」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとう!」
口々にお礼を言われる2人。
町の人達は人の危害を加えないからと言われ、建物の中に隠れていたようであった。
やっぱり変な悪魔である。
しかし、この中心国は被害が無くなるだろうが、連合国の他の国がまだ、被害が出ているかもしれない。
そう思い、連合国の人を助ける為に国を回ってから次の国へ行くことにしたのだった。
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