世界救済編

第24話 プロローグ

ドルゴ連合国に向かっていたジンとメルは、国境の関所に来ていた。


国境では、アリア王国の騎士団が耐え忍んでいた。


「救援はまだか!?」

「もうすぐ7日経つぞ?」

「そろそろだと思うんだがな」

「そろそろ門も限界だぞ!」


その門を発見すると駆け寄る2人。


「大丈夫ですか!? 救援に来ました!」

「はぁ!? こんな子供を2人だけ派遣してきて一体どういうつもりだよ!」

「下がっててください。後はお任せ下さい!」

「ホントに大丈夫なのか!?」


ブーンブーン


ジンとメルの上下に魔法陣を出し、結界で囲む。


「門を開けて、俺達が通ったら閉めてください! 魔物は通さないようにするので!」

「おう! わかった!」


ギギーッ


門が開くのと同時に


「シールド並列展開」


シールドで魔物を押しながら浮いて通過するジンとメル。


「閉めてください!」

「おう!」


ギギーッ バタンッ


「バーニングストーム」


ゴォォォォ


周りの魔物が一掃される。


「ボルケーノストーム!!」


ドゴォォォォォ


奥の魔物も一掃される。


「よし、後は残党を倒して終わりだ」


球体に近い魔法陣を出し、追尾するホーリーアローで次々と倒していく。

周りに敵は居なくなった。


門へ向かって叫ぶ。


「もう大丈夫ですからねぇ! よく持ちこたえましたねぇ!」


門の裏側では


「おい! ちょっと開けてみろよ」

「お、おう」


ギギィ


「おい! ホントに魔物が1匹も居なくなってるぞ!」

「すげぇ! アイツら!」

「おーい! あんたたちー! ありがとうなぁ!」


「はーい! でわー!」


ジンとメルは手を振りながらドルゴ連合国へ入ったのだった。


――


先に進んだ村にも魔物が蔓延っていた。


「ホーリーレイ」

「バーニングレーザー」


コツコツと倒していくジンとメル。


「あんた達助けに来てくれたのかい?」

「はい! アリア王国から救援に来たんです!」

「有難いよ。ありがとうねぇ。みんな違う場所に避難しててねぇ」

「そうなんですね! 被害はどれくらいなんですか?」

「そうさねぇ。多少怪我人がいるけど、魔物が襲うのは建物なんだよねぇ。だから、人の事は襲わないんだよ」

「そうなんですか!? 不思議ですねぇ」

「そうさねぇ。でも、おかげで私達は助かったんだけどねぇ」

「本当に無事で何よりです! では!」


村の魔物を退治し終えて去っていくジンとメル。

中心国までにはまだ遠いが、行く先々の街も村も被害を受けているのは建物であった。


歩きながら疑問を口にするメル。


「なんかさー! 不思議だよねー! 攻めてきたのに、人の被害が怪我だけなんてさぁ?」

「そうだなぁ。なんで建物ばかり狙うのかっていうのは疑問だよなぁ」

「魔物ってそんなに頭良かったっけ?」

「いやー、なんか俺たちの思ってる魔物っていうのは人を襲うものっていう感じだよなぁ」

「そーだよねー! 悪魔が率いてるとなんか違うのかなぁ?」

「悪魔に会えば分かるかもなぁ」


2人で疑問について話しながらドルゴ連合国の中心国を目指して歩いていた。


ドルゴ連合国は、色んな小さい国の集合体である。その中でも中心になっている国があり、そこに悪魔がいるらしいのだ。


「でもさぁ、周りの国全部回れるのは旅行みたいで、ちょっと楽しいよねぇ!」

「そんなこと言ったら不謹慎だぞ? みんな被害にあってるんだからさ」

「そーだけどさぁ、復興したらご飯とか食べに来たいよねぇ!」

「そうだな。こんなに被害受けてたらご飯所では無いだろうからなぁ」


そんな話をしながら町に向かっていると


「こっちよー。ごはんまだ貰ってない人ー! あっ! そこの2人! こっちに来なさい!」

「えっ!? 俺達?」

「君達くらいの子はいっぱい食べないとダメよ! はい! そっちの可愛い子もどうぞ!」


「ありがとー! お腹すいてたんだぁ!」

「おい! でもよぉ……」


「いいから食べなさい!」


「は、はい。いただきます」


パクッ


「「うまっ!」」


「あはは! それは良かったわね!」


夢中になって食べる2人。

食べ終えると器を返しながらお礼を言う。


「美味しかったです! ありがとうございました!」

「おいしかったー!」


「実は、アリア王国から救援に来たんですけど、ご馳走になってしまってすみませんでした」


頭を下げて礼を言うジン。

すると、そのお姉さんは


「そうなの!? なら、尚更食べて頑張ってもらわないといけないじゃないさ!」

「はい! 頑張ります! また来ます!」


そう言うと町を後にする。


すると、シャドウウルフが引き連れたダークウルフが待ち構えていた。


『グルルルル』


「この町は襲わせない。何が目的なんだ? 一体?」


『ガァァ』


横をぬけて何頭かが町に行こうとする。


ブブーン


「バインド」


大きい魔法陣に捕まるダークウルフ。


「バーニング」


炎に包まれ灰なるダークウルフ達。

硬直した隙を狙ってメルも攻撃する。


「バーニングレーザー」


サッと避けられる。


「えぇ!? 当たんない!」

「メル! 雷属性の魔法陣を使え! この前教えただろ!?」


「アクセルホーリーバレット」


ドドドドドンッ


次々に灰になるダークウルフ達。


「最後に使う事によって、速度が早くなるぞ!」

「わかったー! 行くぞー! アクセルバーニングバレット!」


ダダダダダンッ


こっちでも灰になるダークウルフ達。


最後のシャドウウルフと取り巻きのダークウルフ達が上手く避ける。


「メル! これは単発じゃダメだ! 面で攻撃しよう!」

「なんの魔法にする?」

「地属性の魔法で落とし穴に落とそう」

「でも、魔法が発動するまでが……」

「おれがシールド張って逃がさないよ」

「わかった! せーのーでっでやるよ!?」

「わかった!」


「せーのーでっ」


「ピットフォール!」

「シールド並列展開!」


ブーン


シャドウウルフとダークウルフ達を包むくらいの魔法陣が地面に描かれる。


ブブブブブブブブブンッ


察知して避けようとするが、ジンのシールドの魔法陣に周りを阻まれる。


「ライドオン」


シールドの魔法陣で穴に蓋をする。


「アップデート」


大きな魔法陣に統合される。


「バーニング」


ゴォォォォーー


魔法を解除すると、灰になって魔石が残っていた。


「ふぅ。なんとか、この町を守れたな」

「そうだね! 良かった!」

「あぁ。先に進もう」

「りょーかい!」


こうして魔物を倒しながら進んでいくジンとメル。

悪魔に遭遇するまでもう少し。

2人はどうなるのか。

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