第15話 Bランク討伐依頼1

前回の依頼達成でCランクとなった為、メルと話し合った結果、少し休もうと言う事になり、1日休むことにしたのだった。


休んで翌日


「マリーさん。おはようございます」

「おはよー!」


「はい! おはようございます! 昨日はしっかり休めましたか?」

「はい。ゆっくり休めました」

「良かったです! 今日はギルドマスターからご指名で依頼があります!」

「指名依頼ですか?」

「はい! Cランクからは指名依頼が増えますよ? それでは資料を持ってきます」


資料を取りに行くマリーさんのいた所に冒険者カードを出しておく。

戻ってくるマリーさんが冒険者カードを見ると驚いていた。


「カードを言わないで出してくれる方がいるなんて……」


そんなところで感動しているマニー。


「これが依頼書です。今回は国からの依頼となっておりまして、騎士団から2パーティと冒険者のCランク2パーティが行くことになってまして、1パーティはジンさん、メルさん。もう1パーティがザッ「俺たちだぜ!」達です」


「もう! 今私が紹介してたじゃないですか!」

「いやー、いても立ってもいられなくてよ! なんたってジン達と組んで行けるなんざ楽しみだぜ!」


振り返ってみるとザックと他に三人が立っていた。


「俺らが一緒だぜ! 頼むぜ!」

「ザックさん! よろしくお願いします! Cランクなったばかりなんで、不安だと思うんですが……」

「いや! 全く不安はない! 楽しみでしょうがねぇぜ! ハッハッハッ!」


「はい! 頑張ります!」

「頑張りまーす!」


挨拶していると、マリーさんが声をかけてきた。


「ジンさん! この依頼今日からなんですけど、大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ」

「暇だもんねー!」


冒険者カードを受け取ると、ザックの元へ行く。


「騎士団とは何処で待ち合わせなんですか?」

「えーと......あっ、北門で待ち合わせだ!」

「では、行きましょうか」

「あぁ、そうだな」


そういうとザックは後ろで待っていた三人の元へ向かう。


「待たせたな」


3人へ向かって言うザックは、3人を紹介してくれた。


「ジン、メル、俺のパーティメンバーを紹介するな!」


「おでは、ロドルなんだな!」

「私はフローラといいますぅ」

「あたいはソフィアよ!」

「全員でデプトホープっていうパーティ名でやってんだ!」


3人は自己紹介してくれた

ロドルは身長が190センチを超えてるであろうスキンヘッドの強面で全身に刺青がある。


フローラはピンクの髪が腰まであり、ヒラヒラした服を着ている。


ソフィアはオレンジのボブヘアーで、黒いローブを着てベレー帽の様なものを被っている。


「ジンです。宜しくお願いします」

「メルでーす! 宜しくお願いしまーす!」


「可愛い子ねぇ。ジンくん~」


フローラが笑顔で見つめてくる。


「よ、宜しくお願いします」

「よろしくねぇ~」


「おい! フローラ! ジンにはメルが居るんだからダメだぞ!」

「いや、別につきあっているわけでは……」


ザックにジンが言うと


「じゃあ、メルちゃんには関係ないわよねぇ?」


そう言うフローラに、メルが抗議の声を上げる。


「ダメです! ジンのお義母さんには、娘になる許可を貰っているので!」

「あら? それは、兄妹になるってことかしらぁ?」


バチバチ


火花が見える気がするジン。

ザックが止める。


「今から一緒に仕事するんだから、喧嘩するな! とにかくフローラ! ダメだ! 行くぞ!」


北門へ向けてパーティメンバーを連れていくザック。


「ふん! 行こージン!」

「あ、あぁ」


北門へ着くと騎士団が待っていた。


「あぁ、君達が冒険者ギルドから来てくれた2パーティかな?」


「そうです! デプトホープといいます!」

「ジンです」「メルでーす」


「イーサン・スミスという。宜しく」


「「宜しくお願いします」」


(ん? 騎士団でスミスって……)


「ジン!? ジンくんですの?」


イーサンの後ろからやって来たのは、シルフィだった。


「シルフィ先生! 久しぶりですね!」

「先生はやめてちょうだい! もうほぼジンが先生みたいなものでしたわ! それに、ジンのおかげで、今は魔法士団長ですわ」

「凄いじゃないですか!」


シルフィと話していると、イーサンがシルフィの横に来て声をかける。


「君があのジンくんかい? クリスくんから色々お話を聞いているよ。娘の件は本当にありがとう。君のおかげで素晴らしい成長を遂げたよ」

「そんな事ありませんよ。シルフィ先生の努力の結果ですから」


蚊帳の外になっていたザックが慌てている。


「ちょっと待て! ジンよ、騎士団と魔法士団長と知り合いなのか?」

「魔法士団長には、子供の頃に家庭教師をしてもらったんです」

「団長に家庭教師って……お前金持ちか?」

「あはは! 違いますよ。あれはたまたまですよね?」


シルフィに向かって聞くと


「お父様の知り合いのクリスさんから話を伺って行くように言われたんですわ。さっきも言いましたが、団長になったのは、ジンのおかげですわ」


シルフィのその話を聞くと更に驚愕するザック。


「おい! クリスってアルフレッド紹介のクリスか?」

「そうですね。昔から良くしてもらってます」

「おまえ、アルフレッド商会って今や王都でトップに近いぞ!」

「ジンよ、何者なんだお前は?」

「ただの成人したばかりのちょっと魔法が得意な男ってだけですよ?」


「ただの人ではないですわね」

「話聞く限り違うよな」

ゴニョゴニョ話すスミス親子。


「時間を取らせてすまなかった。まず、今回の依頼の説明をするね。今回は国からの依頼だが、実は北の外れにゴブリンロードが発生したという情報が入ってね。それで、討伐依頼が来たということだ。恐らく往復で3日程度の日程になるだろう」


「「わかりました」」


ジンとザックが返事をする。


「移動は徒歩になる。各自、警戒して移動するように」


「「「はい!」」」


北に向かって歩き出す。


「ジン! いつから王都に来てたんですの?」

「んーと、6日前かな?」

「それで、Cランクですの!?」

「うん。」

「一体何をすればそうなるんですの?」

「んー。ゴブリンの村を壊滅させて、大量のグールとそれを使役してたリッチ倒して、護衛依頼の時にオークの群れを倒したりしてたら、Cランクに上がった」

「なんで来て5日間で修羅場潜ってるんですの?」

「ん? オークの時はガルさんには迷惑かけちゃったんだよね。矢が飛んできたのを1本馬車に刺さっちゃって……」

「矢を放つオークも居たんですの?」

「そうだね」

「よく生きてましたわね?」

「それ受付のマリーさんにも言われた」


呆れながら話が盛り上がるシルフィとジンだか、後ろではザックがメルと話していた。


「なぁ、メルはジンとは何時からの付き合いなんだ?」

「ジンが産まれた時からー!」

「じゃあ、出身は同じなのか?」

「そうだよー!」

「ジンは昔からあぁなのか?」

「昔はもっと自重を知らないから周りが大変だったんだよー」

「そうか。この依頼が楽しみだ!」


不意にジンが声を上げる。


「止まってください!」


ブンッ


「ホーリーアロー」


ビュッ ドスッ


「ジン、なんだ?」


ザックが言うと


「ゴブリンですね。ここから出てるということはGは沢山いるので、魔石も拾わないで行きましょう」

「G? まぁ、わかった」


そんなこんなで、ほとんど道中に出た魔物はジンが倒し、進んで行った。


ゴブリンロードのいる辺まで来た。

辺りはもう暗くなっている。


「今日はここで野営ですかい?」


ザックがイーサンに聞く。


「そうしようか? 皆はどうだい?」


ジンが提案する。


「夜襲の方が早く終わりそうじゃないですか? と言うか、終わらせます!」

「それもそうだな。では、行くぞ!」


これから、ゴブリンロードとの戦いへ向けて、動き出す。

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