【童話?】うさぎの雪化粧

 あるところに茶色の毛のうさぎがいました。他のみんなは白いうさぎ。

 いつも仲間外れで一緒に遊んでもらえませんでした。

「茶色の毛をしているからダメ」

 そう言うと白うさぎたちは自分たちだけで楽しく野原を駆け回りました。


 遠くからその光景を眺めることしかできず、いつも一匹で遊ぶ毎日。


砂遊び

水遊び

お散歩


 いつも一匹。

 でもいいんだ。僕はみんなと違うから。

 そう自分に言い聞かせていた。


――


 秋が過ぎて冬。

 年を越えて真冬がやって来た。

 雪で染まるこの場所はいつもと違う感じがした。


 家を出て雪遊び。

 でもやっぱり一匹はさびしい。

 あの白うさぎたちの遊び場所に向かう。

「お、新人さん?」

「そうみたいだね。おーい、こっちにおいでよ!」

 駆け寄るとすんなりと仲間に入れてもらえた。そしてみんなで雪遊び。雪の降る中、みんなで楽しく遊んだ。とても楽しかった。一匹でいるとさびしいのに、みんなでいると不思議と勇気とか元気とかで胸があたたかくなった。

 外は寒いのに心はあたたかい。

 ずっとみんなと一緒がいい。

 でも――



 冬はみんなと遊べるからとても楽しい。でも、いずれは気付かれてしまう。僕が「僕」であることに。

 だから冬だけ。雪の降る冬にだけ、雪を体にまとって僕は「白うさぎ」になるのだ。


/終わり/


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