【詩】誕生
私はようやく生まれた
昨日の悲しみに涙を流す
流れきった涙は私の心の奥底に溜まり
私自身を深い水底へと誘う
息もできずに
沈んでいく体はしお辛い涙に浸透していく
今朝の陽がまぶしい
涙の池を庭の真ん中でひっくり返された
昨日の雨粒が残る土に
融合した私と私の涙は
滝のように落ちていく
土というフィルターで分離した私は地上に堕ちた
それからが人生の始まりだった
天にはまだ誰かの涙が漂っている
それは悲しみであり
尊い命でもある
私はようやく生まれたのだ
/
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます