第13話 相談

わたしはゲストとしてまたMEAに入る。


さすがに3回目だと、慣れちゃた……うん、慣れた。


私がSHAKEの楽屋的な溜まり場へ向かっていると、前の通路から曲がり角を曲がった怜音くんが歩いてくる。


怜音くんは私を見つけると一瞬驚いたような顔をし、だけどすぐに笑顔になってこちらへ駆けてきた。



「どしたの芽衣ちゃん? 自分から来るなんて初めてじゃない?」


「そうですね、話したいことがあるので来ました、今SHAKE全員います?」


「いるよ~!」


「お時間は……?」


「芽衣ちゃんのためならいつでも空けるよ! まぁ、あいてるけど」



不意打ちでそういうこというのやめてほしい~!


どきって一瞬心臓がいったもん、本当に‼ 私は楓くん一筋なのに!


私が一人でまた歩き始めると、怜音くんがついてくる。



「なんで先行くのさ~、一緒に行こうよ」


「熱愛とか出たら困るじゃないですか」


「妹迷子になってから案内した、で通じるって!」



妹⁉ 同い年なんだけど……



「同い年ですよ⁉」


「まぁね、双子ってことで!」


「その割には似てませんけどね……」


「あははっ!」



って、これ、完全に一緒に行ってるよね……? 怜音くんにはめられた……


でも、なんだか楽しくなってきちゃって。


私も笑って、二人でSHAKEの溜まり場まで結局歩いて行った。




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芸能界、守ります⁉ 雨夏 @mirukukoka

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