第8話 次の日の朝

「おはよう!」

「おはようございます!」

「おはよっ! 芽衣!」


 次の日、わたしは昨日のように、二人にあいさつをした。


「あれ、楓くんと俊くんは?」

「今日は休みだそうです。残念です! 俊さんに会いたかったのに!」

「しょーがないでしょー。SHAKEは仕事があるんだし! ウチだって会いたいし!」


 夏葉がブーブーと口をとがらせる。夏葉が推してる真宙くんはこの学校じゃないしね。


 というか、俊くんも楓くんも休みなんだ。MEAに強制的に連れていかれることはなさそう。


「それに、ウチはさ、SHAKEのメンバー全員に会いたい! もちろん白王子と黒王子に会えただけでも幸せだよ? でも、どうせなら推しも見たいでしょ! てか、推しが一番みたいよ! 真宙くんはもちろん、琥珀くんと怜音くんにも会ってみたいし! かーっ、ライブ行きたいなー!」

「そうですよね! わたくしも第二の推し、怜音さんと会ってみたいです! 芽衣もそう思いますよね?」


 わたしは聞かれて少しギクッとした。


 だって、そのSHAKEとは昨日全員に会ったばかりナノデアリマス。


 ヒミツはダメだとしても、ママがMEAの社員で、サリアちゃんのマネージャーで、SHAKEと仲良くなって、エンプロというものがある……なんておどろき多めで夢みたいな話、言えるわけないじゃん‼


「どした、芽衣?」

「え、ううん! な、なんでもないですよー!」


 わたしが明らかにヘンなトーンで話すと、冷ちゃんと夏葉の頭の上にはてなマークがうかぶ。


「どうしたんですか? なんか、おかしいです」


 冷ちゃんが聞いてきたときに、ガラガラッ、と教室の扉が開く。


 で、締多先生が入ってきた。


 それに気づいたわたしは、すかさず。


「先生来たよ! もどった方がいいんじゃない?」


 と言う。


「あ、たしかに」

「ではまた」


 夏葉と冷ちゃんは納得したような顔で自分の席に戻っていった。


 ふう。危ない危ない。


 ナイス締多せんせー!


 バレたら多分、「あわせて!」ってねだられそうだからね。


「はい、出席確認とります!」


 出席確認がはじまって、それから授業もはじまった。


 で、その日の放課後。

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