第6話 楓先生によるエンプロ説明会
「おかえりー!それで、どうだった?」
琥珀くんが、興味津々といったような顔で俊くんと怜音くんに問いかけた。
楓くんはやれやれといった様子で、肩をすくめている。
「鶯は本当に見える」
「ええー本当? 怜音、本当?」
真宙くんが俊くんが答えたのにも関わらず怜音くんにも問いかけたので、俊くんが真宙くんの耳を引っ張った。
「俊痛い!」
「真宙大丈夫? それで、本当だったよ、楓の言ってることは」
怜音くんは、最初は心配している顔だったけど、後から真剣な顔にかわる。
「え! じゃあできるのかな、芽衣ちゃんにも。エンプロ」
「エンプロ? なんですかそれ」
「それをこれから僕が説明するね」
わたしがエンプロという訳が分からない単語を聞いて、はてなマークをうかべると、楓くんがふわっとほほえみ、ホワイトボードの前に立つ。
楓くん笑みが多いけど、やっぱり楓くんの笑顔は最高!
「ではこれから話をします!」
「「「「はい!」」」」
俊くん以外の人が、元気に返事をした。
俊くんはいすに座って腕組みをしている。
「まず、エンプロの説明をします! エンプロとは、芸能界を守る、のうち、芸能界と守るを英語にします! そして、芸能界は英語で
エンプロは、わたしが気になってた単語だったから、教えてくれてありがとうの気持ちを込めてわたしはパチパチと拍手をした。
そしたら、ノリがいい怜音くんと真宙くん、それから続いて琥珀くんも拍手をしてくれた。
俊くんは相変わらず無表情。
「よし! 次はその❝芸能界を守る❞について説明するね。まず、メアーズヘビから。
メアーズヘビは、紫色のヘビ。そしてそのヘビは芸能人だけを狙います。マネージャーは狙われない。そのマネージャーが芸能人だった場合は狙われるけど。メアーズヘビに噛まれると、病気になります。最近テレビでみるよね、謎の病気って。かまれると急に高熱が出るからね。治療法は、前向きで、ポジティブでいること。これ、治療法っていうのかな? まあいいや。実際にかまれた人も、ポジティブに考えていたら治ったっていう例があるんだ。それにメアーズヘビは普通、人の目には見えないんだけど……芽衣ちゃんには見えるみたい。これが、まずメアーズヘビの説明」
わたしたちは黙って聞いていたけど、わたしはだんだん怖くなってきた。
確かに最近テレビで謎の病気ってみるかも。それに人には見えないなら、急に熱が出てきたって思うよね……まあわたしも一般人ですけど。
「質問いいですか?」
「芽衣さん、どうぞ!」
わたしは手をあげた。から、楓くんが指名してくれる。
「SHAKEも噛まれるんですよね? それって……」
「よくぞ聞いてくれました! それがSHAKEは噛まれないんだよね。理由は分からないけどさ。一応芸能人だから噛まれる可能性はゼロではないけど」
わたしながら残酷な質問をしたなあ、と思ったけど、楓くんはからっとわらった。
え、それって、なんで⁉ SHAKEの楓くんがワザを使えるから恐れてるのかなあ。
「メアーズヘビを倒すことが、エンプロの使命。そして、SHAKEの使命。僕たちSHAKEは、みんなでメアーズヘビを倒す仕事をしている。もちろん本業はアイドルだけどね!」
へえ。SHAKEは全員あのワザ、使えたんだ!
てか、最後に決めた楓くんのウィンクが似合いすぎてる。
「で、芽衣ちゃん、来て」
「え、なんで? って、真宙くん⁉」
楓くんに言われて、なんで来てなの? って思ったら、真宙くんにお姫様抱っこされちゃった⁉
真宙くんはにかっと意地悪な笑みをしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます