第六百二十一夜『きれいな海の澄んだ宝石-colombia-』
2024/04/06「光」「サボテン」「おだやかな山田くん(レア)」ジャンルは「指定なし」
ある海の近くの町に、とてもきれいで
これらの宝石は、海に
町の人々はこの宝石を海の砂から産出した宝石だとありがたがり、そのまま売ったり、或いは削ったりしてアクセサリーや美術品にして売った。この宝石は硬いが加工し易く、削る事も
こうして出来たアクセサリーや美術品は町の人々の手で売られており、海の宝石と称されて店に並んだ。海の砂や貝殻等と一緒になったアクセサリーやオブジェは、土産物店の定番の商品として
街のダイナーに二人の男女が居た。片方は少し背の低い
「ねえねえ、思ったんだけどさ」
「スリーサイズなら、事務所を通してくれ」
剣を佩いた女性は短筒男の冗談を無視し、質問を続けた。
「あの宝石って……だよね?」
「ああ、俺もそう思う。ただ、そんなひそひそ話をしても平気だと思うぞ。多分ここの人達は皆知ってるだろうし、気づいている客も多いと思う。インチキだと大声で
短筒男の言葉に、剣を佩いた女性は
「そ、そうだよね! その程度で誰かから怒りを買ったりしないよね! いやー、うちとんでもない事に気が付いて、この事をお
そんな剣を佩いた女性の仕草をよそに、短筒男はカウンターの後方に置かれたテキーラの
「どしたの? お酒飲むの?」
「いやいや、飲まないよ。さっき土産物店で見た宝石、あの酒瓶と似た色だなと思ってな」
「ふーん……そっか。ところで、今回は買い付けとかそういう事するの?」
剣を佩いた女性はどことなく楽しそうに、試す様に短筒男に対して言った。
「いや、いい。何というかな、あんな宝石が売れるのは、この場所まで観光に来てこの場所が好きになった人だけだ。あんな宝石を売る方だって、この場所が好きで何かと地元の
「ふーん、そうなの?」
「そうだよ。俺も
短筒男は
「ふーん……そっか、でもこの場所が素敵っていうのはうちにも分かるかな。こういう観光地の町並みとか好きだし、お土産屋さんでああいう綺麗な宝石が売ってたら買っちゃいそう」
「まあいいんじゃないかな? 海の中で互いにぶつかって角が取れたガラス片なんだ、海の面した町で売る物としては十分風情がある」
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