第五百六十四夜『特許のレシピ-Wolfgang-』
2024/01/25「冬」「狼」「きわどいカエル」ジャンルは「大衆小説」
視界の向こうに街が見える、雪が浅く積もった平原の道を、
「突然だけど、特許を取れるが取らない物ってのがあるんだ。秘伝のレシピなんかが、それにあたる」
「うん?」
自身がそう言う様に強引に話題を振った短筒男だが、剣を佩いた女性は特に
「特許を取るには、その詳細を
「なるほど。それで、突然そんな話をした理由は? うんう、これから話すんだろうけど」
剣を佩いた女性は、房状にした髪の毛を左右に振りながら
「まあそうなんだけど、だから特許を取っていない秘伝のレシピってのはテキトー
「へー、よくそんな気持ちの悪い事考えるね」
短筒男の言葉に、剣を佩いた女性はそう返したが、額面通りに気持ち悪がると言うよりは、
「とにかく、秘伝のレシピとか言って
「そうなんだ……ところで、積み荷の輸血パック? みたいなアレと関係あるの?」
剣を佩いた女性が後ろを見ると、そこには保冷剤と何かの血液パックとが詰まったクーラーバッグがあった。
「ああ、アレね、
「今、何て?」
「食用犬の血」
剣を佩いた女性は、信じられない言葉を聞いたと言った面持ちで
「犬の血って……それ一体何に使うの?」
その言葉に対し、短筒男は待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「それはさっき話した通りだよ。理由は知らないけど絶版になった飲み物があって、それは絶滅オオカミの血が入っているから再現が出来ないって無責任な噂が立った。なので、噂の飲み物を再現したいあなただけに
これを聞いた剣を佩いた女性は呆れた様な、感心した様な顔で短筒男を見る。
「うーわ、ずっこい。ゴウツクバリ~」
しかし、短筒男の方も負けてはいない。剣を佩いた女性に対して
「俺は何も
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