第四百八十三夜『サインポールの秘密-Enter the Infinite-』
2023/10/25「南」「窓」「残り五秒の城」ジャンルは「偏愛モノ」
街角でサインポールがクルクルと回っていた。その様はまるで、上へ上へと色が吸い込まれていく様であった。
この様な表現を用いると、『いやいや、サインポールは動力で回転するだけで実際に上へ上へと吸い上げられている訳では無いよ』と、そう反論する人も居るだろうが、実はそれは表向きの情報に過ぎない。実はサインポールの大半は無限の循環機であり、素人に説明する
例えば東京や
しかしこの宇宙から情報を送受信するタイプのサインポールそのものは、さして重要な事ではない。本命は異世界や並行世界から情報を受信し、そしてあちらへと情報を送るサインポールである。
この交信型サインポールは従来の送受信型サインポールとは
例えば、今私の目の前にあるサインポールは今やメジャーとなった交信型サインポールで、通信先は先述の通り一種の異界。サインポールの
しかし、コレは大変危険な行為なので諸君らは決してマネしてはいけない! 異界への動植物は様々な問題が発生するもので、例えばこの世界に存在しない動植物や
他にも、移送先のサインポールが
故に、サインポールの覆いは簡単には取り外せない物となっており、サインポールが常に稼働しているのはいざと言う時異界から
言わばサインポールは一種の窓であり、サインポールが何事も無く稼働しているのは
「ママ、見て! 下から上に無限に回ってる!」
「
私はそんな親子の会話を聞きながら、サインポールの見えるテラス席に座りながら
恐らく私が生きている間、私が担当しているあのサインポールは異常を知らせる事は無いだろう。だから、あの親子の言っている事は事実と言っても相違が無いと強弁が出来よう。
私はこの世とあの世の平穏を噛みしめながら、冷めて丁度いい温度になったコーヒーを
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