第四百六十夜『続・ただひたすらに手袋を-hand made-』
2023/10/01「夜空」「いけにえ」「増えるかけら」ジャンルは「ギャグコメ」
涼しさを覚える秋の寒空の下、二人の青年が車道脇の歩道で、ただひたすらに
手袋の中身は中身が入っている様に張っていて、触覚からして固い何かが入っている様に感じられた。それは地面に落ちると、軽くて硬い音を立てて小さく跳ねた。手袋の中には、硬くて軽くて丈夫な何かが入っている様に見受けられた。
「なあ、これって何の意味があるん……」
青年の片割れがそう疑問を口にしたところ、もう一人の青年が手で口を塞いで
「しっ! この仕事を
相棒のその言葉に、青年は
「でもさあ、意味が分からないぜ……疑問に思うだけなら詮索にはならないよな? 詮索したり手袋を落として回る理由を知ると、バケモノでも出て来るのか?」
「いや、そんな事は無い」
「それじゃあ」
「きっとバケモノよりもずっと怖い奴がやって来ると、俺は思う。バケモノより怖いと言うより、現実的な刺客がやって来てお前の人生を終わらせるだろうな。具体的に言うと、候補は
相棒の言葉に青年は背筋が
渡された手袋を全て、指定した
それが、二人の青年が請け負った仕事の
二人の青年はキツく言いつけられ、結果として依頼人の仕事を完遂した。ただ手袋を落として回っただけとは思えない、色の付いた給金だったが、恐らくこれは口止め料も込みの含む値段なのだろうな。と二人はそう感じ取った。
手袋落としの依頼を完遂した二人は車に乗って帰路に就いていた。
「……よもやと思ったが、さすがにアタリは無かったか」
「なあ、結局あのバイト何だったんだ? 目星がついているんだよな?」
質問をした方の青年は
「さあな、俺は何も知らない」
「けどよう……」
相棒が食い下がらない
「これはあくまで独り言だが、プラスチックの人形か何かを布にくるんで落とした時の音って聞いた事はあるか?」
「どうしたんだ? 急に」
「まあなんだ、ポカンと言う様な、軽い音がするんだ。ところで通行人が大量の手袋の中に、バラバラにしたマネキンか何かが入っているのを見たらどう思う?」
「そりゃあ、
相棒の言葉に、質問をされた方の青年はほのかに笑みを浮かべた。
「そうだな。例えば警察官が探し物をしている
二人の青年が乗っている車には、行方不明者と
「まあ、アタリを引かされていたならば、この仕事からは手を切らせてもらう積もりだったけどな」
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