第三百五十八夜『殻の割れる音-Eggs 'n Things-』
2023/06/07「桜色」「冷蔵庫」「希薄な山田くん(レア)」ジャンルは「指定なし」
冷蔵庫から
卵をキッチンの角に軽く叩きつける。すると破砕音こそしたものの、卵に傷が付いた様子が無かった。破砕音がしたのに卵にうまくヒビが入らなかった事はままあるものの、破砕音がしたのに全くヒビが入っていないとは珍しい。
そう言えば、卵は角ではなく平らな場所で叩くと良いと言う話を聞いた覚えがある。早速キッチンの平らな所に卵を軽く叩きつけるが、今度も破砕音こそいたが卵にヒビは入っていなかった。
もうこうなると訳が分からない。卵がおかしいのか、それとも卵以外に原因があるのかも
俺は頭に血が上るのを感じ、もう一度キッチンの平らな場所に今度は少し強めに卵を叩きつけた。
すると今度は先程よりもクッキリとした破砕音が聞こえたが、それでも卵にヒビは入っていなかった。そしてその代わりに
「嘘だろ? そんな事が有り得るのか? 俺は卵を割ろうとしただけだぞ?」
思わず口から疑問が出た。しかし現にこうしてキッチンは崩れていて、卵は無事だ。この卵はキッチンよりも
「そんな馬鹿な事があり得るものか!」
俺はそう叫びながら、卵を床に叩きつけた。すると
「キッチンよりも床よりも
その時だった。地面がグラグラと大きく
いや、それも普通の地震ではない。そう、まるで
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