第三百七夜『よく分からない石碑-role prey-』
2023/04/13「宇宙」「鷹」「バカなツンデレ」ジャンルは「ラブコメ」
俺がそのよく分からない
しかし見れば見る程、よく分からない石碑だ。なんとなくSF映画に出て来る宇宙から飛来したモノリスの様な印象を覚える、それでいて
普通何かを
見ると俺と同年代程に見える
俺は彼女と目が合い、彼女は俺に向って
「こんにちは、私は旅行者なのですが、この石碑? は一体何なんでしょうか? もし
すると、桶と柄杓を持った女性は少々困った様な表情を浮かべて言い
「ごめんなさい。あの石の事は、地元の決まりでよその人には教えちゃあいけないってなっているんです」
桶と柄杓を持った女性は、大変申し訳無さそうな態度でそう答えた。村の決まり事でよそ者を拒絶する事は、まあよくある事だろう。しかしこうして単に拒絶したり無視するのではなく、申し訳無さそうな態度を取ると腹は立たないものだ。
しかし俺の心は今好奇心の虫に
「そこを何とか、絶対に他言しないと言ってもダメでしょうか?」
「ごめんなさい! 私は別に構わないんですけど、決まり事でどうしてもダメなんです。アレは地元の人にしか話しては絶対にダメなんです」
押してもダメか、しかし彼女自身は特に俺に対してよそよそしい態度を取るでもなく、俺に対して悪とは言い
「そうですか、ところでこの石碑? 俺も水をかけて拭いてもよいのでしょうか?」
そう質問すると桶と柄杓を持った女性は困った顔を返上し、
「ええ、ご自由にどうぞ。この石はこの村にとって大切な物だから、別にこの石を
そう言って俺は物は試し、先程この石碑の様な物を見かけた時の事を思い出しながら見様見真似でソレに水をかけて拭いた。
「ええ、お上手。まるで最初からここの人みたいですね」
桶と柄杓を持った女性はそう言って、俺に対して笑顔を投じた。
あの後、俺は彼女と連絡先を交換し、定期的に連絡を取り合う関係になった。
そして俺にとって小さな転換期が訪れた。仕事でトラブルが起こり、俺は仕事をクビになったのだ。俺は路頭に迷い、日々の
その事を彼女に話した。すると彼女は、うちはいつも
俺は都会に居てもやる事が無いと思い、快くその提案に甘える事にした。
時は流れ、俺は村に
当時の俺の人生はピークであり、
「なあ、俺とお前が初めて会った時のあの石碑なんだけど、結局アレって一体何なんだ?」
俺は妻に尋ねる。すると、妻はつまらない事だとでも言いたげな反応で言った。
「ああ、あれね。この地域に昔から伝わる、人口増のおまじないですよ」
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