第二百九十四夜『早急な要求-best wishes,-』
2023/03/30「天国」「見返り」「最初の遊び」ジャンルは「悲恋」
少年が近所の空き地で、土の中にくすんだ
これは一体何で、誰の物だろうか? と、少年はそう思い、瓶の表面にこびりついた土を手で
「俺は父に命じられて俺を解放した人間の願いを何でも三つ魔法を叶える様命じられているさあ早く三つ願いを言うんだ早く!」
目を丸くする少年を尻目に、大男はそれはもう
解放した人間の願いを、何でも三つ魔法で叶える。しかし、そう
「えっと、その、ちょっと待って下さい」
少年がそう言うのを聞くと、大男はニヤリとほくそ笑み、一瞬口を閉じてから口を開いた。
「よし、ちょっと待ったぞ。さあ、二つ目の願いを言え」
「え! 違う! 今のは無し!」
少年がそう言うと、大男は再びほくそ笑む。
「今のは無しだな? 分かった、二つ目の願いは、一つ目の願いは無かった事にする、いわゆる
ここまで来れば分かるだろうが、この大男は
しかし少年の方は
「どうした? とっとと願いを言え、俺は早く自由の身になりたいんだ。早く願いを言うんだ、さあ、早く!」
「うるさいな、黙ってくれよ!」
少年が
「……よし、黙ってやったぞ。三つの願いは叶えられた、俺は晴れて自由の身、さらばだ」
大男は
少年はただただ
「アル、どこで遊んでいたの? 今日は外国から
家に帰ると少年は母親に
それはそれとして、少年は外国に住んでいる叔父との再会に少々心が
「実はさっき、空き地で見つけた瓶の中に
少年の母親は、何をバカな事を……と
しかしその一方で叔父は興味深そうに話を聞いていて、
「バカな事言ってないで、うちの用事を手伝いなさい! 叔父さんは忙しい人で、今日もこっちにはお仕事の取引で来ていて、その合間を見てうちに来てくれたんだからね!」
「いやいや、気にするな。興味深い話だ、良い物を聞かせて貰えて何より。だが、辮髪の大男と言うのは良くないな、何か中東の人にも伝わる表現方法を考えなくてはな……」
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