第二十五夜『ファミリー・ゲーム/双子の博士-princemaker-』
2022/06/04「おもちゃ」「屍」「業務用の流れ」ジャンルは「ラブコメ」
ヴィクトリア・フランケンシュタインの研究は上手くいってなかった。
彼女は幼い頃は弟よりも
ヴィクトリアは理論を組み立てる秀才なら、ヴィクターは感覚の天才肌と言える。フィーリングで作品を完成させて
「姉上、そういうのは慎重かつ大胆に
ヴィトリアが四苦八苦する
ヴィクトリアにも理想がある、完璧な死体からなる完璧な人造人間、完成した
事実ヴィクトリアの理論は完璧だった、素材や素体も
これは何かの
それからと言う物、彼女は
されど彼女の作品は動かない。彼女が悪いのか彼女の理想が高すぎるのか、彼女自身にもわからない。
この事に酷く心を痛めた人が居た。無論ヴィクトリアではない、彼女の弟ヴィクターその人である。いや違う、最も心を痛めたのが彼と言うだけで、彼女の周囲に居る人達は皆心を痛めていた。屍術師組合が注意をしたのも、才能ある人間が苦しんだり無様に捕まったりしてはいけないと言う老婆心からなる物だ。
「と言う訳で姉上の力になりたいのですか、皆さま名案はありませんか? 僕はなにぶん縫合以外に取り柄の無いダメな男でして、皆さまの力をお借りしたい」
ヴィクターの家に屍術師組合の面々、ヴィクターの妻、そしてヴィクターの召使いであるアダムが額を集めていた。
「共同研究者を探すのはどうだろう、
「いや、彼女のプライドは高い、下手に刺激をするとヘソを曲げかねん」
「皆で彼女を肯定してはいかがか?」
「話になりませんな、自分を
「そうだ、何か思考をリセットがてら
「あの人の事だ、自分を研究から引きはがすなと……」
「博士、人間、伴侶が必要、姉君、お見合いが必要」
すると面々はそれが良いと互いに言い合う。大半が学者肌の集りだったのだ、学者でないアダムの言う事は彼らには新鮮だった。
アダムは体格も相まって見る人を恐怖させるような強面だったが、その表情は優しく柔和だった。
作戦は
しかしながら最終的に光明は見えた。死体を掘り出して
実際にお見合いをしたところ、その男性はヴィクトリアの研究テーマに
「聞いてくださいリジ―、アダム。姉上の家を訪ねた所大変上
ヴィクターは帰宅するなり、妻と召使いに朗報を告げた
「あらやったじゃない、これでお
「よかった、姉君、人間、家族、一緒、一番」
「それだけじゃない、遂に姉上の作品が完成したそうです。実際に僕の前で動かして見せてくれましたよ、あんなに喜んでいる姉上を見るのは子供の時以来です! 彼もあの場に居れば良かったのに、本当に残念です」
「この間のお見合いが良い刺激になったのかしらね」
そう尋ねる妻に、ヴィクターは
「ええ、姉上曰く、あれは愛の
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