第3話 公園



部屋にあった絨毯と、庭に敷いてあった石ころを数個持つと、近所の小さな公園に向かった。



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公園は子どもたちと保護者で賑わっていた。

絨毯を丸めて持っている僕の姿はどうやら目立つようで、子供に声を掛けられる。ちなみに僕は、人畜無害そうな穏やかな顔をしているらしい。幼馴染みによるとだが。


「ねぇねぇ、おにーちゃん。おっきな荷物持ってどうしたの?」


「マジックって知ってるかい?お兄ちゃんはね、マジックの練習をしにきたんだけど、見ていってくれるかな?お母さんたちにきいてごらん?」


そう言うと子どもたちは興奮した様子で、


「うん!聞いてくるからちょっと待ってて!」


と一斉にそれぞれの保護者のもとへ向かって行った。



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「ではでは、マジックを始めまーす!拍手〜」


―パチパチパチ―


「ここに何の変哲もない絨毯がありまーす。この絨毯に…えいっ、浮けるようになれ!(《安定浮遊》)とすると…」


―プカプカ―


「このように浮いちゃうんですね〜」


「「おー!スゴーイ!」」


「じゃあ今度は飛ぶようにしちゃおうかな!えいっ、《安定飛行》」


―スイスイ―


僕はベンチの上を低空飛行で一周した。


「お兄ちゃんスゴイ!オレも乗りたい!」

「僕も!」

「私もー!」


まぁこうなるよね。それなら…


「じゃあお兄ちゃんとじゃんけんをして買った1人だけ保護者の人と一緒に乗せてあげるねー!それじゃあいくよ?最初はグー、じゃんけんぽんっ」


「やったー!僕勝ったよ!パパっ乗せてもらおーよっ」


「お父さん、よろしいですか?」


「え、えぇ。」


お父さんは腰が引けてるな(笑)まぁ無理もないか。


「じゃあ二人で真ん中に乗ってね〜」


―スイッー―


「はい、終わりでーす。どうだったかな?ぼく。」


「とっても楽しかった!もっと乗りたかった〜。ね!パパ」


「あぁ。思ったより揺れなかったな。」


大人にも好評のようで嬉しい限りだ。


「そろそろ終わりにするよー。子どもたちは前に集まってね。お兄さんからプレゼントがあります!今から渡す石をギューッと握っててね?」


「お兄さん、なにするの?」


「この石をキラキラにしてプレゼントするよ!何色になったら嬉しいかな?」


「ピンク!」「青!」「赤!」 「黄色…」「虹色っ!」


「おっ、虹色かぁ!イイね!みんなが言ってくれた色も混ぜて虹色のキラキラ石にしてあげるね!」


石に触ってなくても出来るように、しっかりイメージして…


「えいっ(《虹の輝き》)」



―キラキラキラッ―


「できたよー!それはみんなにプレゼントでーす。じゃあこれでおしまいです!見てくれてみんなありがとー!」


そう言って僕は公園を後にした。



このマジックを保護者の人が◯witterにあげて、話題になるのはその後の話。





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短い物語ですが、楽しんで頂けると嬉しいです。この話で完結です

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