第3話 席替え終わった(笑)
それからしばらくして月日が経ち、席替えが行われた。
行われたはいいんだが、毎回辛い事もほとんどセットでやってくる。
それは隣の席になった人の反応だ。
露骨に無視されるのはいい方で、気を遣って話しかけてくれるのが一番きつかったりする。
今回もどっちかの反応になるだろうなと予想して席を移動しながら警戒する。
ーーゴㇳーー
びくっと一瞬身が固まる。
内心そんな自分に苦笑いしているのは秘密だ。
「………神崎君……だよね……よろしく」
そういって俺に気を遣わせないちょうどいい塩梅の笑顔を送り届けてくれた端正な顔を持つ少女の名前は……二条さん……だったはず。
集団でワイワイするといったタイプではなく、物静かで、本を読んでいて、大人しめな印象をいつも受ける。ブックカバーつけてるから何の本を読んでいるか分からないけども。
とりあえず、軽く挨拶でもしとくか。
「……すっ……」
なるべく笑顔を意識して会釈を交わす。
ちなみに笑顔は本当に大事だったりする。
「………うん、よろしくね…」
ごめん、目合わせられなかったよ……。
いや、普通の人でも難しいのによりによって美人が席の隣とか無理だよ、早く席替え来てほしい。
「………」
早すぎる席替え願望を抱きながら、取り合えずこれ以上気まずくならないように授業開始ギリギリまで別の場所で時間を潰そうと席をたってトイレに行くふりをする。
「……あ………」
途中、二条さんから声を掛けられそうになったかもしれないけど多分、気のせいだろう。
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