異界ってファンタジー?
第49話ダークエルフは美人が多い
耳元に響く不快な音が煩わしい、人間には効果のない音なのかフィールドなのかは分からないが近寄りがたい何かがあの赤い柱から放たれている俺でさえkの不快感には我慢するのがやっとだ、そこらのゾンビではひとたまりもないだろう。
「耳を塞いでも聞こえて来るか……思った以上に厄介だな」
『分析を進めているですぅ~私もコレ大っ嫌いですぅ~』
『我、平気。なぜ?』
生体に影響されるのか? とにかく急いで調査しようあまりにも不快だ。
赤柱の根元には大勢の軍人がテントを張り警備している、ステルス化すると服を脱ぎゆっくりと進んでいく。センサーの類も設置はしていないようでスムーズに進める。
ステルス迷彩のボディスーツ開発してもらうかな。毎回全裸はさすがに恥ずかしいぞ。
テント内から話し声が聞こえて来る、一応確認しておこう。
「赤柱内部には壁が見当たりません。まるで別世界に繋がってるような感覚でした」
「そうか、そのまま探索を進めてくれ」
空間が歪められているのか、最悪脱出できないのか一先ず外殻を調査しよう。
周囲に軍人もいるがそっと触れてみる、不快な感覚が一段と強くなってくる。浸食を開始、調査する。
『どうだ? いけるか?』
『反応が遠いですぅ、内部に侵入しないとだめみたいでぇす』
『クソ、ぜってぇ危ねえだろう』
赤柱をぐるりと回ると一か所だけ人が通れる幅の黒い長方形の枠があり高さは10m程。
軍人が触れているが水面のように波紋が立っていて、車両などでは通行できない。
一先ず石を投げこんでみるとそのまま帰ってこないので上部の方から副腕を伸ばし突っ込んでみる。
副腕の感触が急になくなるが難なく引き抜ける、息を整え体全体で侵入する。
侵入と同時に自らも索敵する、[見えざる眼]で周囲一帯全力で探査する――しかし。
『入り口が消えたか。まあそうだろうよ』
『ですねぇ、地球に居て欲しくない思いがバシバシ伝わってきますぅ~』
『我、展開する父上?』
入って来たはずの入り口が背後にはない、閉ざされたのか空間をの接続を解除されたのかは分からないが、とにかく進むしかないということだ。
◇
ハザマに騎乗し上空から調査を開始する、植生は地球に存在しないような巨大な大樹に、ラプトル型の恐竜のような生物、もちろんゴブリンも存在していた。ドラゴンはまだ遭遇していないが戦闘になりそうなので回避したい。
調査開始の時点で中民軍の調査隊に遭遇したがすぐには帰還できないだろう。
半径30km圏内には人間らしき存在は確認できていない、黒柱に生物兵器として作成されていたゴブリン、オーク、オーガの集落と思わしき場所は見つけることができた。
知能は高く原始的な打撃武器や弓なども使用していたのである意味彼らが文明の最先端かもしれない。
赤柱が何を考えてここに送り込んだのかは分からないが生物全てを培養、繁殖させているのならばある意味
◇
飛行を続けていたら精神に疲労が溜まってきたため、
「最近ずっと動きっぱなしだった気がする」
「死人さんははたらきすぎですよぉ~本妻たる私の膝で寛ぐでぇす」
「父上このプラモ作る。秀逸……」
「おお、これカッコいいな、防壁都市で模型屋をするのも楽しそうだな」
ハザマが持ってきたプラモデルは有名なロボットアニメで敵役の乗っている機体だ、一つ目のモノアイがシブイ。
夕食に鍋を囲み家族団らんする、地元で有名なもつ鍋だ、ふわふわと若い上がる湯気に期待を膨らませ香りを楽しむ。
行儀は悪いがミコトちゃんを膝の上に乗せ一緒にご飯を食べる。
この異世界みたいなところに一人で来ていたら荒んでいたな、二人が居る事で寂しくない。これからもよろしくな。
のんびりと二日ほどの休養をとり現実の世界へ戻って来る、充足感も得られたので頑張って調査しますか。
◇
ここの異界の重力が地球より軽い事、炭素生命である人間、動物が生息しやすい酸素濃度、植生、太陽など。まるで人工的に調整されているようだ、宇宙の事を何も知らないがいわゆる宇宙のどこかにあるハビタブルゾーンというやつか?
川も透き通るように綺麗で山の照り返す光が美しい、地球と往復できるなら別荘でも建てたいな。
しばらく調査を続けているとセンサーに人工物らしき反応がでる、
草原の草花を低空飛行する機体が起こした風が揺らす、
モニターには石を積み上げて作成された西洋風の城壁が見えてくる、城壁の上にある通用路には守衛と思わしき人員が配置されている。地球人類と大まかは変わらないが背が高く髪の色は金、銀、黒銀と種類が多く、肌は色黒で耳が長い。いわゆるダークエルフという奴なのか?
城壁を越えたところで地上が騒がしくなる、なぜだステルス化は解除していないはずだが……。
黒甲冑を纏った、士官と思わしき人物がこちらに指を向けている、マズイな気づかれているぞ。
退避しようとしたところで宙に魔方陣な物が浮かび上がり、火や水、氷などの矢が大量に放たれる、回避も出来たが強度を確かめる為に少々受けてみる。
「ミコトちゃんハザマ。計測お願い。後言語を収集、解析して」
『あいさぁ~』
『これくすぐったい』
どうすればそんなスピードが出るのか分からないが各種魔法の矢? 自体は物理現象を圧縮したようなもので装甲を貫くことはできない。重力や消滅、転移などの属性を持っていたら脅威だがな。
しばらく攻撃は続くが未だに脅威の魔法は来ない、士官が何かを支持し兵士たちが集まり出す。
集団魔法か分からないが一か所に何十もの積層魔方陣が空中に投影される。
しばらく観察しているとモニターに重力負荷が十倍程かかっている、これは重力魔法が来たか。
「負荷は許容できるか?」
『こんな負荷じゃ稼働に支障は皆無ですよぅ~』
『がしゃ髑髏の方が強かった……』
「そろそろ解析終わったか? ――なら対話を試みてみるか」
ステルス化を解除すると、「悪魔だッ!」とか「銀の巨人が我らを滅ぼしに来たッ!」とか叫んでいる。いや滅ぼさないって。
現在呆然としている士官に兵士たち、チャンスと思いハッチを解放、巨人化で3m程に変化し竜化で巨大な角と尻尾を生やす。宙に浮き彼らに言葉を継げる。
「
しばらく城壁の上で話が揉めに揉めていたが、先程の黒い甲冑を着た人物が兜を外し悲壮な顔で城壁の手摺に立つ。
「どうか高き方、お許しください。まさか竜人様とは知らず攻撃をしてしまいました。どうか私の命で償いたい」
そういうなり城壁の上から飛び降りる。慌てて思考を加速し翼を生やし全力で救出に向かう。
地面すれすれで受け止めることに成功し安堵する。
お姫様抱っこの状態で腕のなかにある甲冑はズシリと重たいが、士官と思われる人物は女性の様だった、透き通るような銀髪で褐色の肌が汗をかき瑞々しく見える。耳は萎れており悲壮な顔で目を瞑り震えている。
女性特有の甘い香りに惑わされそうになるも踏み止まる。
なにか声を掛けなければと冷静になり会話を試みる。
「そなたは美しいな」
全然惑わされていたようだ。だって好みなんだよ、銀髪褐色エルフしかも気が強そうな瞳が魅力的だ。これはエルフさんが悪い。
「え、その、え。殺さないのですか?」
「そなたが死ぬなど人類の損失よ、名は?」
「エ、エステリでしゅ」
噛んだ、可愛い。
「エステリか、良き名だ。一先ず私の銀の巨人を仕舞おう。武装を解除したまえ」
そういうと手一振りしカッコよく収納する、驚きの声が上がるも今度は指を鳴らしZPでテーブルにソファーとお茶会セットを購入設置する。
抱っこしたままの彼女をソファーに座らせ対面に座る。不思議な現象にみな絶句しているようだ。ふふん。
城壁から見える位置に設置をしたのは彼女の安全性のアピールだ、通じているが分からないが。
「ではエステリゆっくりとお茶でもしながら会話を楽しもうではないか」
「あの…………恥ずかしいです」
城壁もやや安心していて武装も解除している。こんなに見つめられるの緊張するか。
「そうか、城壁の勇敢な兵士たちよ! 我の酒を提供しよう! 降りて来るがいい。なに、パーティでも開くわけでもない、そのままで良いぞ?」
周囲に沢山のテーブルにウイスキー、瓶のビールやツマミを出現させると盛大な歓声と共に兵士たちが走り寄ってくる。
「気楽に楽しんでくれ、緊張させてすまなかったな」
「いえ、御配慮痛み入ります」
彼女はどうも真面目な性格らしいな。
「エステリと出会った記念だ、ゆっくりしたまえ。我が騒がせて言うのもなんだがな」
「はい、ではこれを」
先程から気になっていたのだろう、甘いクッキーに手を伸ばす。
小さな口で齧りつくと驚いた表情になりそして満面の笑みを浮かべる。
「おいしいでしゅ」
「そうかそうか、好きなだけ食べるといい」
城壁の外に広がる草原でにぎやかな宴会が始まってしまった。
こいつら意外とキモが太く現金な奴らだな。まあ楽しい事は良い事だ。
後で責任者に怒られても知らないぞ?
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