第48話敵組織の壊滅

 中民国の防壁都市から出るとすぐに廃墟街になる、防壁内住むことができないアウトローな人物だったり、ホームレスが生活をしている。一斗缶に廃材を突っ込み暖を取ったり、喧嘩したりと中々世紀末感が出ている。


 何をしているかというと抗争のお手伝いであるここを拠点にしているファミリーいや盗賊か輸送者を襲ったり、殺人など日常茶飯事で無法地帯になっているようだ。


 いちいち絡まれるのも面倒なので最初っから巨人化に角を出している。おかげさまで先程から人が周辺から逃げ出してしまっている。まだいる人は何か達観したような表情をしている。


 火を焚いている老人に王氏から聞いた集団の事を聞くと、ここより奥に行くと廃墟ビルがあるらしくそこを拠点にしていると情報をもらう。お礼に何が欲しいかを聞くと苦しまず殺してくださいって言われてさ。悲しくなって再生剤を投与すると腰が真っすぐになりものすごく元気になったよ。


「ありがとうございます竜神様」


 そういわれて一瞬固まったが気にするでない、とロールプレイを行い武装一式を渡してあげると、恭しく元気な老人は受け取り。


「今一度花を咲かせて見せます!」


 敬礼をしながら走り去っていってしまった。鉄砲玉にならないよね?







 廃墟ビルの中に入ると出迎えご苦労な集団がやって来る。各々武器をもち恐々構えている、地面を右足でとらえ屈み前方へ飛び込む。

 

 眼前に捉えた男の胴体に掌底を叩き込む、飛ぶように弾け飛び壁に激突背骨が砕ける音と共に頭蓋が破裂する。


 すぐ隣にある男の側頭部に右の裏拳を叩き込み、左を手刀の形にし左へ薙ぎ払う。

 両側に居た男の頭は弾け飛び首から血を噴き出して倒れる。


 わずか数秒の間に行われた絶技はこいつを絶望に叩き込むには十分だったらしい。

 逃げ惑う背後に落ちれいる瓦礫の破片を投擲し頭部を破壊していく。

 

 やがて辺りには沈黙が漂い、血と脳漿が散乱する。


『バンバン撃たないんですかぁ~徒手格闘はかっこいいですけどぉ』


『いや、ちょっと拳法というものに憧れがあってな。ゾンビじゃあれだし丁度良いかなと』


『カッコよかったのでゆるしまぁ~す』


『父上やってみたい。カッコいい』


『機体戦で胴体ぶち抜いてみるかハザマ? 残敵が少ない時なら良いぞ?』







 最上階に辿り着くころには辺り一面血の海だ。

 入り口の警備を行う数人の頭を蹴り飛ばし、ドアごと破裂させる、もちろん残心は忘れない。

 トップと思わしき男は女を侍らせ、山賊みたいな巨漢の男がいた。

 こうも典型的悪役顔で下品だと笑いが込み上げてしまう。


「おい、部下はどうした? お前は誰だ? 誰かこいつを殺せ!」


絶賛、裸の王様である。部下は全滅し自分しかいないことを理解していないのだろう。


「もういないぞ? 殺した。女も仲間か?」


「いえ、私は無理やり連れてこられました」


 嘘だな。散々甘い汁吸わせてもらう搾取する側だな。まあいい仕事を終わらせよう。


「そうか、それは怖かった……なっ!」


 すれ違うように女の隣を通り抜け心臓に手刀を突き刺し心臓を破壊する。

 抜いた手の血を振り飛ばし、女は血を吐き倒れる。


「辞世の句は読んだか……えっと、誰だっけ?」


「そんなッ! こんなふざけた奴にッ」


「まあ運が悪かったと思ってくれや。な?」


 次の瞬間にはもう拳は大男の頭を突き抜け頭蓋が破裂し死をくれてやった。


 まあ殺しのバリエーション何てこんなもんだよな。四肢破裂ッ! とか胴体発破ッ! とか叫んでもいいけど観客いないし。


 殲滅が終わり入り口まで降りて行くとなんと爺さんが待機していた、


「竜神様の戦いに参戦できず恥ずかしい限りです!」


 見てたのかよ、爺さん元気だな、でもかっこいいぜ。


「良き。ここにはせ参じるだけでも良い。どれICをくれてやる。再起を図れ。王氏に伝手がある利用してやれ」


「はッ! 必ずや」

 ここで回収したICと武器に再生剤、王氏の連絡先も渡しておく。


「息災にな」


「はッ!」


ほんとおじいちゃん無理しないでね。


Resultリザルト↑13369SP







 王氏に状況を連絡すると迅速過ぎて制圧の人員が間に合っていないようだ。


『申し訳ありません。まさか即日に実行していただけるとは』


「よい、取り残しは多少いるが頭と拠点は潰しておいた、好きにしろ」


『ありがとうございます。娘ともどもよろしくお願いします』


「あと、老人がそっちに連絡が行くと思う。忠誠心は高そうだ良くしてやってくれ」


『老人ですか? 分かりました』


 いつまでこの超越者ロールしなきゃいけないかな? 楽しいけど。




 老人の対応が思いのほか嬉しかったようで人が集まるところで鍋をに始める。周囲に人が遠目に見て来るがこっちへ来ない。


「今日は特別サービスだ、食って行ってくれ。服も保存食もあるぞー」


 そういうなりそんなにいたのかと思うくらい人が集まる、ガタイのいい奴に鍋を作るのを手伝わせ、若い子供に服を並べさせる。

 あっという間に市場のようになり、騒がしくなるが俺自身が仕切っている為に大人しく従ってくれるようだ。


 思い思いに服を選び着替える、飯を食っていると泣いている奴らも多い。


「多めに保存食と服にデバイスにICを入れて渡してやる。再起したいのならばこれをチャンスと思え。今から王ファミリーがここに来る。働きたい奴、やる気のあるやつは頑張るといい」


 王氏が先程からここに向かってきているのは分かっている、そろそろ着くころだと思うのだが。


 そういうなり制圧部隊と共にやって来る。


「これはどうされましたか死人様?」


「いや、やる気のあるやつだけ雇ってくれないかなと。当分のICは渡すし代わりのものでもいいけど」


 そういうなりデバイスから強奪したICと再生剤を多めに渡す。


「お安い御用ですとも、やる気があって予算もあればむしろ助かります。教育には時間がかかりますが」


「まあ一度人生を捨てた人間だ、もう経験したくないのならば奮起するだろう。無理ならそこまでだ」


 ここの住民の集団面接みたいになり始めたのでテーブルに椅子に飲み物、お菓子に靴やリュックまでも出していく。ZP確保しないとな。最近バカスカ使い過ぎている。


「王氏が勢力争いに役に立つものを一つ進呈しよう。もちろん色々融通してくれたから特別だぞ?」


「と、言いますと?」


 ハンガーを開き遠隔操縦で空戦機を二体呼び出して駐機状態にする。


「こいつだ、空をも飛べる空戦機だ、予備を含めて二機進呈する。燃料であるエネルギーキューブも付けてやる」


「………………ありがとうございます」


 余りにも驚き呆然としているようだ。まあ娘とも付き合いがあるしな。


「使用者登録もしてやる、乗ってみるか?」


「ぜひともッ!」


 それから小一時間程レクチャーする、エネルギーキューブも十分渡してるが今後の取引でもリスト入りするだろう。


 登録者は王氏親子と幹部である李くん他数名だった。操縦するときは王氏もはしゃぎ我を忘れていた。やっぱ巨大ロボットは男のロマンだよね。


 できれば王氏になわばりを広げて取引も円滑に行えれば上々だ。数機程度なら町ごとに懇意になればプレゼントしてもいいかな。

 

残2423ZP







 そのまま空戦機で街を闊歩する訳にはいかないので殲滅した拠点を整備して保管庫のように使うようだ。武器弾薬も念のため詰め込んでおく。ぜひともゾンビ排除にも活用してくれ。


「赤い柱を調べに行くのですな? ですが気を付けて下され、柱周辺には軍が駐留して拠点化しております。どうもゾンビが来ないのをいいことに高級官僚の住居を立てるとか」


「なるほどねえ。そりゃそうなるよな、そこの軍人に知り合いとか大切な人いる?」


「なにぶん商売が商売なのもので私らは奴らの目の上のたんこぶですよ、ええ。もちろんいませんとも」


「いなくなっても大丈夫? 防衛とか」


「…………恐ろしい事をおっしゃる、なまじ実現しないとは言えないところがまた。いなくなっても都市毎に防衛戦力があります。奴らは中央の者でして、ここいらとは関係ないのですよ。ですのでお気になさらず」


「わかった。もし戦闘が起きても大丈夫だな」


次の目的地は赤い柱か、厄介なことにならなければいいんだがな。

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